連載小説「甘美に……」(1)
僕が祖父の家の屋根裏部屋で、その絵を見つけたのは夏休みのことだった。大学生は基本的に暇でバイトに明け暮れていた毎日だったが、ある日、祖父から携帯にメールがあった。
今は、高齢者でも簡単なメールくらいなら打てる時代。内容はと言えば、毎年恒例のお盆に親戚一同が集まるときに屋根裏部屋の片付けをしてほしいとのことだった。もちろん、少しのバイト代は出すとのこと。僕は、金が出るならと引き受けた。相当、処分品があるらしく汚れてもいい恰好をしてくるようにとも書いてあった。
当日は、毎年お