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<おでかけクリエイティブナイト> 第13回「アート×福祉の新しい可能性」

第一線で活躍しているクリエイターをゲストに迎え、クリエイティブのヒントを探るトークセミナーシリーズ「CREATORS FILE」。

第4回 おでかけクリエイティブナイト
ゲスト:松田崇弥氏(株式会社へラルボニー代表取締役社長)

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第一線で活躍しているクリエイターをゲストに招き、各専門分野の仕事について語ってもらう「クリエイティブナイト」が特別出張。「おでかけクリエイティブナイト」と題した今回のゲストは、「異彩を、 放て。」をミッションに、 福祉を起点に新たな文化の創出を目指す福祉実験ユニット「へラルボニー」の代表取締役社長 松田崇弥さんです。事業内容や「ヘラルボニー」が目指す未来について伺いました。

福祉領域を広げるために立ち上がった「ヘラルボニー」

西澤:これまで「福祉」というジャンルはアートやデザインと結びつくイメージが少なかったと思いますが、「ヘラルボニー」がここ2、3年でそういった印象を大きく変えています。事業内容はもちろん、どんな考えで経営しているのかなど、経営者としての松田さんのクリエイティブの使い方を聞かせてください。

松田:私たち「ヘラルボニー」は主に知的障害のある作家さん150名以上と契約を結び、著作権を預かっています。そのアートライセンスを軸に、BtoB、BtoCで事業を展開しています。

西澤:僕、普段は真っ黒な洋服しか選ばないのですが、今回はmarinaさんのTシャツを着てきました。

松田:ありがとうございます。「marina moji」と言って、謎の言葉がひたすら書かれているTシャツですね。私は佐々木早苗さんという方の作品で、ボールペンでひたすら書きつづられた黒丸の柄のシャツを着ています。

<当日のスライド画像より>アーティスト 佐々木早苗さん

西澤:展覧会にも行きました。やっぱり間近で見ると迫力が違いますね。作品もほとんどが完売していて驚きました。

松田:ありがたいことです。

西澤:そもそも「ヘラルボニー」はどうやって立ち上がったんですか。

松田:副社長の松田文登と私は一卵性の双子で、2人で「ヘラルボニー」を経営しています。さらに、私たちには4つ年上の兄・翔太がいて、彼が重度の知的障害を伴う自閉症なんです。なので、ずっと「兄が障害者」という枠組みの中で生きてきました。同級生から馬鹿にされることはよくありましたし、親戚からは「お前たちは兄貴のぶんまで一所懸命に生きろ」なんて言われて。兄を「かわいそう」と表現されることも多く、昔からそうした周りの反応を「気持ち悪い」と感じていました。兄だって笑うし、悲しむし、怒る。私たちと同じ感情を抱いているのに、何がかわいそうなんだろう?と。そのイメージを変えることにずっと興味がありました。

<当日のスライド画像より>松田兄弟

西澤:そうだったんですね。

松田:そして、25歳の頃に岩手県花巻市にある「るんびにい美術館」で「アール・ブリュット」の存在を初めて知り、アートと福祉の可能性に気づきます。でも、同時に「障害者 アート」などで検索をしてみると「障害のある方を支援する」といった社会貢献の文脈で留まっているものが多く、「福祉」の枠組みがあるがために、彼らの素晴らしい実力が正当に認められていないという思いも感じていました。「素晴らしい作品を素晴らしい状態にしていく」というシンプルなことが実現できれば、この分野が広がる可能性はあるのではないか。「障害=欠落」とか「障害者が作ったもの=安い」という考え方を変えていけるのではないか。そんな気持ちから「ヘラルボニー」が生まれました。「ヘラルボニー」は、兄が小学生時代に日記や自由帳にたくさん書いていた謎の言葉です。


<当日のスライド画像より>自由帳に書かれた「ヘラルボニー」

西澤:「ヘラルボニー」に意味はない?

松田:はい。兄に聞いても「わかんない!」と。一時期は「馬!」と答えることもあったので、ブランドロゴは馬にしています。

西澤:お兄さんがきっかけとはいえ、もともとこういう形で起業しようと思っていたんですか。

松田:「30歳までに福祉の領域で起業したい」とは考えていました。

西澤:経営は双子だけど、兄弟全員で取り組んでいるような形ですよね。




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