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思い出の修理工場

はてしない物語を読んでから、本を読みたい気持ちに駆られ、はや立てられるような錯覚に陥った。

学生の頃は毎日、図書館に入り浸っては本を借り、遅くまで読みふけったものだ。

大人になり子どもを授かり、いつしか本を読むことを諦めてしまっていた。

私には時間がない

そう思うことで、本への気持ちに折り合いをつけ、本を避けるようになってしまった。

はてしない物語を読んだきっかけは長女が持ち帰ったブックリサイクルの本だった。

まだ読まないの~

と、長女に後押しされること数ヶ月。

そう、数ヶ月も手に取ることを躊躇っていたのだ。

世間一般でいう、コロナ渦に巻き込まれ休暇を余儀なくされた今が、本を読む絶好の機会だと気づいたのは一昨日のことだった。

ネットばかり見て、自分の価値観をnoteに書いている内に本を読むことが本当に大好きだったことを思い出した。

ページをめくる音。言葉の羅列。頭の中で広がる世界。ファンタジーへの憧れ。その全てを思い出させてくれたのがはてしない物語だった。

そして、今日(日付が変わったので昨日かな)、閉店間際の書店に飛び込み、とにかく気になった本を手に取った。

そのうちの一冊が、思い出の修理工場だった。

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読書感想文

この物語の世界観は、ミヒャエル・エンデ作の『モモ』『はてしない物語』と似たところが多々ある。

いや。はっきり言おう。『モモ』と『はてしない物語』を融合して別の舞台で物語として成されているのではないかと疑いたくなる程、似通っている。

読み、進める内に、残念な気持ちになった。私が求めていたものは、新しく、今まで読んだことのない世界と創造だったからだ。

しかし、この本には特別なモノもある。

それが言葉の重みだ。私はこの本に付箋を4枚付けた。もう一度、今度はもっと、じっくり読み返せば、付箋が増えるかもしれない。

当たり前のことを言っているようで、あやふやだった認識が、確かな言葉として記されているのだ。

あとから気づいたが、著者は、元スタジオジブリのプロデューサーの石井朋彦さんという。

それを先に知っていたら、手に取らなかった本だ。何せ閉店間際の書店で手にした本なのだから、どんな本であれ仕方ない。出会いは出会い。

読む時間が無駄だから捨てるという気になれない何かを感じることができたから、最後まで読むことができた。

もし、『モモ』や『はてしない物語』を読む前に出会っていたら素敵な一冊の本だと胸を張って言えただろう。

とても残念だ。

だが、本離れをしている子どもたちにはおすすめしたい一冊であることは断言できる。厚さはほどほどだし、文章は読みやすい。難しい漢字もほとんど使われていない。

寝る前の読み聞かせにちょうどいいかもしれない。


最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

みつば


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