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そんな名前、愛情が感じられない。

うちの同居人(猫)達の名前を他人に教えると、しばしば、タイトルに書いたような反応が返って来る。口には出さずとも、そう感じたのではないかと思われる複雑な表情をされる事があるのだ。

黒猫の短毛種の三姉妹が、体の大きい子から、「あか」「きいろ」「あお」。
長毛種の黒猫が、「くろ」。

この4匹がうちのメンバーだ。

何故こんな「色」の名前になったかと言うと、そもそも捨て猫だった彼女らは、里子に出される予定だったのが子猫で弱っていた事もあり、元気になるまでと面倒を見ているうちに居着いてしまい…

最初は名前すら付ける予定が無かった。それでも、呼び名は必要だった、という感じだ。

彼女らが来た頃、僕は副業もしておらず、今よりも金銭的に余裕が無かったし、一人暮らしを始めたばかりで、自分の事で精一杯だったのだ。

何より、僕はキッズの頃にズタズタになるまで近所の野良猫に手を引っ掻かれた事があり、どちらかと言うと元々猫さん苦手人間なのだ。

ちなみに、野良さんに引っ掻かれたのは、その子が悪いのではなく、キッズの僕が加減が解らず、無茶な事をさせたのが原因である。
今でもこの時のイタズラには、深く反省している。


話を戻す。

仕方なく、じゃあ面倒みようかという空気になった際、全員同じ体型、同じ顔で、躾が難しかったので、色違いのハーネスを買って来て着けてあげた。
その時のハーネスの色が「呼び名」として定着して、名前になった。

その後しばらくしてやって来た長毛種の子にも、同様にハーネスの色で決めようという流れがあったが、いつの間にやら「くろ」になっていた。
多分、1匹のみの長毛種だから、色にこだわる必要がないと感じたのだったろう。

斯くして、彼女らはそれぞれの名前になって今にいたる訳だが、名前というモノは、本当に面白い物だなあと心底感じる。

「名は体を現す」と言うけれどまさしくで、年月が経って、彼女らはそれぞれの名前の色に相当する性格に育ったように思う。

オタクらしく、それぞれの猫を擬人化で表現してみよう。
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あか:噛み猫
体の大きな、格闘技やってます系女子。普段は無口で馴れ合うのが嫌い。
ちょっかい出されると手痛い反撃に合わされる。
雰囲気だけで、クラスの姐御的ポジションにされる事が多い。

きいろ:引っ掻き猫
スレンダーなギャル系。アクティブで遊び好き。休日に家にじっとしているなんて絶対イヤ。彼氏の方から触れて来られると「触らないで」と爪で威嚇。スキンシップは、自分が甘えたい時だけOK。

あお:舐め猫
健康的な少しポッチャリ系女子。大変物静かな性格で、甘えん坊な末っ子的ポジション。頼まれた事は断れないタイプ。普段大人しい性格であるが故に、目を放すと開放的になり過ぎて暴走し、道を踏み外してしまう事も。

くろ:脱走系猫
一見、落ち着いた雰囲気のある長い黒髪の深窓の令嬢、だが、実は逞しさ満点のラプンツェル系女子。いつも、館の主の目を盗んでスキあらば逃げようと企んでいる。見た目にそぐわない太いハスキーボイスで時々王子様を呼んでいる。

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と、まあ、

最初は嫌々ながら彼女らと暮らし始めた僕ではあったが、僕なりに地味に猫について学び、これまた僕の出来る範囲ではあるが、彼女らの「違い」を熟知する程度には、愛情を持って接しているのである。

記号的に付けた名前ではあるが、それには、時間の分だけ沢山の思い出が詰まっている。

他人様に、同居人らの名前について怪訝な顔をされたとて、今更変えようなんて、1ミリ程も僕は感じられないのである。

タイトル画像:https://www.pexels.com/
画像製作者:Helena Lopes https://www.pexels.com/ja-jp/photo/1931370/

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