言語化がむずかしい子どもの本音を聴く、こどもニーズカードの可能性。

3月に幼稚園を卒業し、小学生になった娘はだいぶ大人のようなことを言ったり、こちらの言うことも理解してくれるので、小さいころと比べて”会話が上達したなあ”なんて思うことも多いのですが、その中でまだ娘にとって難しいんだなと思うことが”気持ちを表現する”ことです。

昨日、朝食後に朝の支度がなかなか進まない様子だったので、母としても「何か気乗りしないことがあるな」とアンテナが立ち、ちょっと心をほぐして話しやすくしようと「お母さんのおひざの上にくるかい?」とスキンシップを提案したものの、「ふんっ!」と一蹴される。苦笑

(ああ、こういう反応が幼児の頃と違うよね。とりあえず母に甘えて安心を得ようという感じにはならなくなっていくのね・・・と一抹の寂しさを覚える)


さて、どうしましょう。

時間もあるし、「早く支度しなさい!」「友達が待ってるよ!」と促すことで押し通す??という選択肢も浮かびつつ・・・そうだ、あれやってみよう!と取り出したのが「こども感情&ニーズカード」です。

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上段:いろんな気持ちを表したカード。ネガティブなものもポジティブなものもあります。

下段:気持ちの奥にある、今必要としていることや心からの願いを表したカード。これが満たされているか否かを気持ちがお知らせしてくれているという見方をしています。


これは、もともとNVC(非暴力コミュニケーションとか共感コミュニケーションと呼ばれています)を元にしてできたカードで、子どもたちが自分の感情やニーズ(心からの願い)に意識が向くように、またそれをアウトプットすることを手助けするツールとして誕生したものです。

自分の心や身体が感じているモヤモヤを表現するときに、言葉にするのがむずかしい時にカードを選んでもらうことで、子どもの気持ちに気づいてあげることができるのでずっと試したかったのですが、なかなか機会がなく……「今日まさにじゃない!?」と思って実践したやり取りを以下に綴りたいと思います。

少し長くなりますが、お付き合いください。



ピンクの気持ちが書かれたカードを床に並べた後、

「ちょっとおいでー。今の気持ちを言葉にするなら、このどれか選べる?」と聞くと、「だるい つかれた やる気がでない」のカード。

「そっかー、疲れているのねー」と伝え返し、「カードもう一つあるんだけど、今必要としているものってこの中にある?」と聞くと「きゅうけい くつろぎ」のカード。

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私「休みたいんだねー。そしたら、もう少しゆっくりしてようか。とりあえず待ち合わせして一緒に行っているお友達には先に行ってもらおうかね?」と聞くと、「かなしい さみしい」の感情カードを持ち出し・・・。

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私「そうかー、今ちょっと休みたいけれど、お友達が先に行っちゃうのは悲しいし嫌なんだねー。ということは、学校には行きたいなあということかな?」

娘、うなずく。

私「でも休みたい気持ちがあるということは、ひょっとして運動会の練習が大変なのかな?」

娘、うなずく。

私(やっぱり。。。と納得。幼稚園時代から運動会の練習が嫌いで当時もその時期は登園拒否をしていた娘。疲れちゃうし、楽しくないんだよね、その時間。)

私「そうだよねー。運動会の練習、一日に2時間くらいあるし、疲れるもんね。とりあえず、待っているお友達にはあなたが来るか来ないかわからないと困っちゃうから、今日は先に行ってもらおうか。少しゆっくりして、もし学校に行くときは、お母さんが一緒に行くよ」

と言ったところ、安心したのか絵本を読み始める。


10分くらい自由にさせた後、まだひいてあった布団に「ちょっとおいでー。しまう前にいっしょにごろんしよう」と誘い、寝っころがりながら休みたいことへの話をする。

私「今日疲れているから休みたいなーって思ってるでしょ。で、休むにもたくさん選択肢、選ぶ道があってね。一つは学校を休む、二つめは学校に行くけれど、運動会の練習だけ休むということもできる。三つ目はまあ、頑張って行くこともできるかもだけれど、どう?」と聞くと

娘「二つめにする」と。

私「オッケー。じゃあ連絡帳にそう書いておくから、学校着いたら先生に見せてね。」

ということで、ようやく学校へ行く支度をはじめ、一緒に登校しました。


こんなやり取りから、言葉にできない想いを抱えている子どもとコミュニケーションをしたい時にこのカードのサポートの力をすごく実感した私!

娘としても「学校行きたくない」って気持ちはあってもなんとなく言いづらいんだよね。

”言ったらお母さんなんて言うかな?怒られるかな?”

”友達も待ってるよな”

”でも、運動会の練習やりたくないんだよな、休みたいんだよな”


そんな気持ちのはざまで、それをどう表現していいのか、伝えてもいいのか、悶々としてたはず。

カードを使って気持ちが伝わった喜びや安心からか、その後の支度はスムーズで、登校中も「毎日友達とこんな風にしてる」とか、楽しそうに様子を教えてくれたり、あげくは校門に入る前で「あ、もうここでいいから。」と母は用済みです、と言わんばかりに一人で行こうとしたり。苦笑

すっかりパワーを取り戻している様子に、こちらも一安心。


とても些細なことですが、日々子どもたちもいろんな気持ちになって心が揺れ動くことがあります。

そんな気持ちをどんな風に消化して、願いから望む行動につなげていくのか。

語彙力も表現力も成長中ということもあるし、そもそも”大人に伝える”ってこちらが思っているよりもはるかに勇気がいることだったり、怖いことだったりするはずです。

そんな時、一家にひとつこのカードがあったら、とても支えになるんじゃないかな。

もちろん、大人にもモヤモヤした出来事を噛み砕いて理解したり、認識するのにとても役立つと思います。


親子間のコミュニケーションに難しさを感じているという時に、こういう方法もあるよ、と選択肢の一つになればと思ってシェアします。


ちなみにこの「子どもニーズカード」は「子どもニーズカードを使ってみよう」というfacebookグループに参加することで無料でダウンロードできます。

https://www.facebook.com/groups/139249607781121/

今、このカード自体も内容やデザインを進化させようと企画中とのことなので、これからの発展も楽しみです♪


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