創業2年のスタートアップで実践される組織づくりの過程
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創業2年のスタートアップで実践される組織づくりの過程

橋本翔太 (コミューン株式会社CPO)

本日、コミューン株式会社は、DNX Ventures、UB Venturesを引受先とした第三者割当増資により、4.5億円のシリーズA調達をいたしました。
プレスリリースはこちら
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000016.000036356.html

本ブログでは、2018年5月に創業してから2年ほどのコミューン株式会社の今断面の「組織づくり」について綴りたいと思います。
前回の投稿からだいぶ時間があいてしまいました。)

同時に他の経営陣もブログを公開しました。
・CEO高田:「コミューンとはなにか、そして我々が目指す世界について
・CTO山本:「コミューンのCTOに就任してから1年半くらい経ちました」

組織は戦略に従うが、戦略もまた組織に従う

本題に入る前に「なぜ組織づくりというテーマで綴るのか。」という問いに答えるべく導入を。

コミューンは、2018年に創業された直後から「組織はどうあるべきか」「どうやってあるべき組織を作るか」についての議論に結構な時間を使ってきました。
なぜ、プロダクトもメンバーもいない創業直後から「組織づくり」について時間を割いてきたのでしょうか。

それは、
「組織は、定めた戦略を実行するために構築 / 最適化」されるべき一方で、「戦略もまた、既にある組織によって一定規定される」と考えるためです。

いくら0から戦略を考えようとしても、そこに存在する組織の形がある程度は戦略策定の前提となってしまいます。

ゆえに、戦略を完遂する組織づくりをする一方で、
自分たちが「こうあるべきだ」と考える「組織づくり」も同時並行で行うべきだと考えてきたのです。

変化の波々を一つずつ超えていくことが求められるスタートアップだからこそ、「あるべき組織起点」で意思決定ができるように「事業づくり」と同様に「組織づくり」にもリソースをかけてきたのです。


発達指向型組織 × 心理的安全性担保を目指す

コミューンでは、
1. 発達指向型組織
2. 心理的安全性担保

の2つを組織づくりの軸としています。

耳慣れない言葉を含むので、内容をひとつずつ説明します。

発達指向型組織とは、
「働くなかで、社員が最も成長できる環境」を提供 / 共創し続ける組織です。

一方的に環境を押し付ける(提供)だけではなく、関わるメンバーとともに常に修正を加えながら、改善し続ける(共創)ことを志向します。

また、「発達」とは必ずしもスキルの習得やキャリアの向上ではなく、
一人の人間としての成長 / 本人が描く「ありたい自己」に近づくことを意味しています。

上記の方針は、
「個人の成長」が第一!「事業 / 組織の成長」よりも個々人の成長を優先しますよ! ということでは一切なく、
両者の成長は連動し、相互に高め合う正のらせん構造だと考えているがゆえ定められているものです。

「事業 / 組織の成長」がより加速するためには「個人の成長」が求められ、「個人の成長」が日々なされることで「事業 / 組織の成長」が引っ張られるのです。

なお、必ずしも「私はこうありたい」「ここが自分の improve ポイントだ」というのは常にかっちり固定化されている必要はなく、自分に「向き合い続けること」「自分をアップデートし続ける意思」が求められます。

コミューン社のValue「チームコミューン」にも「向き合おう」という言葉が入っているのはそのためです。(後述)


心理的安全性が担保されているとは、
「メンバーがリスクをとっても、ネガティブに働かない(なので、リスクを取ったり、弱みを見せたりすることができる)」とメンバーが共通理解できている状態
のことです。

メンバーが無駄な駆け引きや忖度なく自由闊達に議論 / 行動できるよう、組織として上記の状態を目指しています。

心理的安全性については、ほうぼう様々なところで論じられているので詳しくは述べませんが、決して「仲良しクラブ」ではなく、心理的安全性が高い状態というのは、以下が結果的に行われていることでもあると思います。

・(こんなこと言って、無知/アホだと思われないかな... という心配なく)「自分の過ちを認めたり」「積極的に質問をしたり」「アイデアを出せる」

・(嫌われるかな、キツイと思われるかな...という心配なく)
「本質的なフィードバックを行う」「NoというべきものにはNoという」

・(面倒くさい人だと思われるかな...という心配なく)
「ウヤムヤにせず、きっちり議論をする」「必要であれば、決定事項にでも異議を唱える」

特に、フィードバックについては、「発達指向型組織」にとっても重要な要素なため社内で共有した文章を引用して加筆をします。

「フィードバック」と「人格への指摘」は別ものです。

プロジェクトを進める上で侃々諤々なディスカッション、あるいは、1on1や評価ミーティングにおいて「フィードバック」を積極的に行うことがコミューンでは奨励されます。

ここでの留意点は、「フィードバック」はアウトプットや行動結果、思考法に対してであり、「人格そのもの」に対してではないということです。これは、指摘する側も受け取る側も、両者を混同すべきではありません。

「自己成長型組織」を目指す上では、フィードバックとして、その人の心の内面やマインドセットなど行動の前提の部分まで踏み込む必要がありますが、「その人自身の人格そのもの」について言っているわけではないという前提が共有されることが極めて大事なのです。

心理的安全性を高めるための様々な工夫が実行されていますが、敢えて一つとりあげると、「心理的安全性プログラム」というコミューン社独自の施策をおこなっています。

入社時にメンバーとの 1on1 にて自身の強み、弱み、人生経験等をシェアしあうことで、「人としての向き合うこと」を目指しています。
詳しい内容はCEO高田の以下の投稿をご参照ください。
「(テンプレシェア有)1時間でチームを強くする「心理的安全性プログラム」のススメ」


では具体的にはどのような施策を行っているの?

「発達指向型組織と心理的安全性担保の2つの組織づくりの軸があることは分かった、では具体的には何をしているのか。」

組織という無形のものがゆえに、全てを言語化することができない前提で、説明しやすい施策を記述したいと思います。

状況や置かれた環境に応じて変化すべきものなので、今断面であること、どの組織でも当てはまるものではないことをご承知おきください。
(そして特段特別なことはやっていません。笑)

経営学者バーナードが論じた「組織の3要素」に沿って整理すると分かりやすいようなので、構造をお借りします。
(筆者は、所属していた大学のゼミにて、バーナードの「経営者の役割」の原文を輪読したのですが、大変抽象的かつ回り難解な文章が続いたので、当時はバーナードが嫌で嫌でたまりませんでした。)

組織の3要素とは、共通目的・貢献意欲・コミュニケーション。
組織が存続する前提として上記3つが必要だと論じられています。

共通目的

組織がある理由、なぜこの組織に自分がいるのか...に答える部分です。
これらについては以下の施策が対応します。

・Vision / Mission / Valueを制定
・月次/四半期ごとの戦略、方針共有
・OKR運用
・eNPS調査およびそれに基づく改善

特にVision / Mission / Value については、チーム全体でかなりの時間を投下して策定を行いました。採用 / 評価 / フィードバックなど、コミューン社に関わる意思決定の指針として根ざすようにしています。
日頃のコミュニケーションで言及することはもちろん、週次のチェックアウト / 月次の締め会では「Value」に沿った行動をとったメンバーを奨励する時間をとっていたりします。

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策定プロセスや各項目の詳細については以下の投稿をご覧ください。
「スタートアップのVision Mission Value策定プロセスの全容とそのポイント」

貢献意欲

組織への自発的な協力意欲をどう高められるか。
これらについては以下の施策(考え方)が対応します。

・採用はカルチャーフィット重視
・ポテンヒットにしない。レシーバーを称賛。
・リーダーシップを徹底
・ボトムアップでルール策定

下3つを説明します。

・ポテンヒットにしない。レシーバーを称賛
日々生じる仕事の中には、既存の役割の中ではAさんとBさんどちらがやるべきなのか曖昧な問題も発生します。そんな時にちゃんと真下に入ってその問題を受け止めにいく、その行為自体をコミューン社では称賛します。(それは、AさんでもBさんでも、Cさんでも構わないのです。)

注意すべきは、受け止めた人が「真っ先に / 全て / 自分で」やらなければいけないという訳ではないことです。
Valueにもある「超本質主義」でその時点で何をやるべきか / やらないべきかを考え、自分だけでは解決できないのであれば、最適なメンバーに解決を依頼をすることもありえます。まず、問題自体をちゃんと捕球すること自体が重要という考えです。

リーダーシップを徹底
「リードする」とも社内ではよく使われます。
リーダーシップとは全員がその時々の状況に応じて持つべきものであり、限られた役職や要件に限られるものではありませんし、上意下達のものでもありません。

上記の「ポテンヒットにしない。レシーバーを称賛」の説明にも関連しますが、問題 / 意見を提示した人が「全てを自分のみで解決する」必要はなく、「解決できるように推進する(=リーダーシップをとる)」ことが求められます。誰もがそれぞれの問題に対して「リードをとる」ことによって、メンバー同士が強い協力をすることができるようになります。

・ボトムアップでルール策定
社内ではよく言われていることとして、「存在しないルールは考え抜かれて存在しないのではなく、ただただまだ考えられていないだけです。必要だと思えば声をまずあげよう。」というものがあります。

前提として、業務を行う上での / 会社としての最低限+αのルールづくりは整備されていますし、経営陣 / バックオフィスメンバーとともに日々改善をおこなっています。

その上でより業務を便利する仕組みや、チームのためになる施策はボトムアップで作っていきましょう(作っていける)という方針です。

これまでのボトムアップで導入されているルール / 施策一例
・書籍購入、セミナー参加費等負担
・各種業務効率/開発SaaSの積極導入
・ランダム1on1
・Slack上のチームビルティングツール(ホメるくん, Collaなど)

コミュニケーション

組織内でどう情報共有、相互理解を円滑にできるようにするか。
これらについては以下の施策(考え方)が対応します。

・メンバー名鑑
・選択性リモートワーク
・週次キックオフ / チェックアウト / 締め会
・総当り1:1

選択制リモートワーク
現在(2020年9月)コミューン株式会社ではコロナ禍の状況を鑑み、社員の判断でリモートワーク/出勤を選択できる形としています。(事前連絡や予定表などの提出は不要。)
イベントごとなどにもよりますが、20%ほどの社員がオフィスに出勤している状況です。

一方で、月末の締め会(全体ミーティングと任意参加のオフィスでのケータリングディナー)は感染対策を行った上でオフラインで行うようにしています。
リモートワークで一定の効率的な働き方が実現できる一方で、ともに働くメンバーを知る、ぼんやりとした問題について議論する、カルチャーを醸成するという意味では対面での接点も極めて重要なためです。

業務の主戦場となるSlack上においても、様々な仕組みや取り決めによってできるだけ「オフラインの良さ」も再現できるように試行錯誤を続けています。例えば...

・各個人の #Times チャンネルを設け、「独り言」のように業務メモやゆるい共有をできるようにする
・オフラインよりも「ひとつ」反応を増やす(リモートゆえの反応の見えづらさを緩和する)
・会話が数往復したら、すぐにビデオコールで会話する。

・総当り1on1
リモートワークがメインだと、業務で直接関わる人以外とは話す機会が極端に減ってしまいます。週次のキックオフなど全体会議で顔を見るだけではほぼ「他人」となってしまいかねません。

そこで「総当たり1on1」として全メンバーと1回15分の1on1が必ず実行されるようにスケジュールを組んでいます。短期的には、必ずしも業務に直接影響がないかもしれませんが、互いを知り、いつでもサポートを相互にできる環境を作っておくという意味では「チームコミューン」を実現する上で重要な施策と考えています。(一方で、人数が増加してきた時に対応する工夫の余地は多分にありそうです..。)

形のない、常に変化するものと対峙する

ここまでコミューン社における「組織づくり」の方針と具体的な(具体化できる)施策について述べてまいりました。

冒頭記したように、組織というものは「結果」は形として見えるものの、その過程の「空気感」や「メンバーの心の動き」、「事業への貢献度合い」は実物としては捉えにくいふわふわとしたものです。
さらに言えば、人数の規模感や、事業のステージ、その他マクロ要因(今回のコロナ禍や自然環境もそうです。)によって常に変化がある(むしろ、変化をしていかなければならない)ものです。

ゆえに、面白いですし日々チャレンジングな(ある種後戻りができない)領域なのだと思います。

「今回調達した4.5億円は、すべてよりよい組織を創ることに投資します。」

コミューンは、
愛されるプロダクトと、磨き込まれたオペレーションが織りなす、強くしなやかな「事業づくり」+ その事業を実現し、新たな価値を生みだし続ける「組織づくり」にコミットします!

全職種募集をしています。
コミューンでの事業づくり、組織づくりにご興味のある方は、こちらの採用ページをご覧くださいませ!

また、今回の調達リリースに合わせて以下のイベントを実施予定です。ぜひ、コミューンの事業/組織に興味のある方はご参加ください!

オンライン対談『緊急開催 - VCが語るコミューンの魅力』
日時:10月7日(水) 19:00開始予定
登壇者:倉林 陽氏(DNX Ventures)、岩澤 脩氏(UB Ventures)、高田 優哉(コミューン株式会社)
申し込みURL:https://connpass.com/event/187948

CS/マーケ担当者様向けオンラインセミナー
『イギリス在住VCが語る企業のコミュニティ活用の最先端』
日時:10月13日(火) 19:00開始予定
登壇者:湊 雅之氏(DNX Ventures)、高田 優哉(コミューン株式会社)
申し込みURL: https://commmune.jp/event/202009011529

オンラインミートアップ『全部見せますコミューン株式会社シリーズAの裏側と今後の戦略』
日時:10月20日(火) 19:00開始予定
登壇者:高田 優哉(コミューン株式会社)
申し込みURL:https://connpass.com/event/187979

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橋本翔太 (コミューン株式会社CPO)

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橋本翔太 (コミューン株式会社CPO)
共同創業者&CPO @コミューン / 企業とユーザーをつなげるクラウド型顧客ポータルcommmune / Google Japan→Google 米国本社→起業 https://commmune.jp/