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(テンプレシェア有)1時間でチームを強くする「心理的安全性プログラム」のススメ

*2019年9月の記事ですが、2020年12月4日にテンプレート内容を進化しました!*

commmuneを提供しています、コミューン株式会社の高田です。

みなさんは、社員間の関係構築にどのようにして取り組んでいますか?

当社も創業当初は、「飲み会」や「ランチ会」など、アジェンダのない交流の機会を設定し、信頼関係の構築に努めてきました。

しかし、アジェンダの無い交流の機会を重ねるにつれ、下記のような課題認識を持つようになりました。
・話題がカジュアルで無難な話に寄るため、その人自身の話になりづらい
・話題が回により違うため、みなが共通認識を持つには向かない
・3人以上で話すと、話者に偏りが出てしまう

本来的には信頼関係の構築のために交流をしていたはずなのに、いつからか交流すること自体が是とされ回数をこなすようになっており、これはまずいなと思い立ち、改善に走りました。

また、個人的にメンバーから「怖い」(がゆえに気軽に意見を言えない)というフィードバックをもらったこともあり、"このままではいけないな"と強く感じたことが、改善に動いた直接の理由です。

...ここまで読んで、「ああ、わかるかも」となった方には、このnoteはお役に立てるかもしれません。

取組はいまも進めていますが、なんとなく手応えと反省は得つつあります。

1年ほど運用して見えてきた学びを踏まえ、テンプレートを先日アップデートしました!
更に効果的なものになっている、はず。


まず、目指す関係性を定義する

そもそも「信頼関係」と当社ではふわっと呼んでいましたが、これは一体なんなのか?どんな関係性を目指すのか?の定義が必要です。

当社は私がBCG、COOがGoogleの出身だったので、それぞれの会社で理想とされている関係性について話し合いました。

見えてきたのは、「心理的安全性」というキーワードでした。

BCGでは明確に心理的安全性という言葉を用いてはいませんでしたが、確かに自分の意見を言うこと、他の人と違う見解を示すことに対して抵抗感はありませんでしたし、Googleリサーチチームは「心理的安全性」がチームのパフォーマンスを最大化する上で最も重要である、と突き止めたことで有名です。

これを踏まえて、ふんわりと"社員間の関係性を深める"ことを目指すのではなく、「心理的安全性を高める」ことを目的とすることを決めました。

Googleのオウンドメディアで、心理的安全性とはなにか?について、そもそも効果的なチームとは?という視点から体系的に解説しているので、詳しくはこちらがおすすめです。


スタートアップで重要なのは「如何にスピーディに新メンバーの心理的安全性を高めるか?」

心理的安全性をターゲット指標に置いたところで、どのようにしてそれを向上させるか?が悩みどころです。

GoogleのreWorkでは、メンバーの心理的安全性を高めるためにマネージャーができることとして下記のようなシートを無償で公開しています。

しかし、私見ではこれはどちらかというと「日頃の心構え」の話であり、中長期的に強いチームを作ることには適していますが、スタートアップでは短期的な施策も重要だと考えました。

スタートアップでは短期間で多くのメンバー増加が起こり、配置転換も頻度が高く、マネージャーやメンバーといった関係性も流動的になりがちです。

そこで重要なのは、Joinしたメンバーがどれだけ早くチームで心理的安全性を感じ、最大限のパフォーマンスを発揮できるか?です。

そのためには、ガツっと短時間で心理的安全性を引き上げられるような仕組みが必要だと思い至りました。

1時間でできる、「心理的安全性向上プログラム」

さて、どのようにすれば短時間で効果的に心理的安全性を向上することができるでしょうか?

困ったときにはUBV岩澤さんに相談です。すると、いけてる心理的安全性プログラムの仕組みをシェアしてくれました。さすが岩澤さん!

余談ですが、SaaSスタートアップのシードVCとして、UBV非常におすすめです。 

その後当社で運用するなかで気づいた点を一部カスタマイズしたものを現在は使用しています。(下記はアップデート後のパートです)

我々が利用しているシートは大きく下記の3つのパートに分かれています。
・好きなこと、いやなこと
・意外だと言われること
・これまでの人生で自身に影響を与えた出来事
・MBTI (16 personalities)
・自身の「OS」進化のポイント

いずれのパートも「そのひとの在り方」を知る上で重要であり、職歴や学歴などの外形的な情報からは知ることができないものです。

このシートがあることにより、見る側は、普通ならば知るのに時間がかかるようなことも効果的に理解することができます。

記入する側としても、ふわっと「tell me about yourself」と言われるよりも体系的に自分がどういう人間なのか?を伝えられますし、自己認識の良い棚卸しになります。

また、普通は「敢えて言わない」ことも、「プログラムだから」と割り切ると意外と言えちゃうものです。

自分がどういう人間か?というのを正しく伝えることの恩恵を一番受けるのは、実は自分自身です。そのハードルを下げることができるシートの存在価値は大きいなと考えています。

例えば当社の場合、目に見える成果としては、「私(高田)が実は細かい数字が得意そうに見えて自分としては苦手意識があること」を他のメンバーに伝えたところめちゃめちゃ驚かれて、比較的得意なメンバーがサポートしてくれるようになりました。
また、私のOSの進化ポイントは、「成果のみに焦点を当てて、そのプロセスをよりよくする / 引き上げることに興味が薄い」ことです。これも、明示的に私はそういう人間であり、それを直したいと思っているということをメンバーが知ることで、メンバーから効果的にフィードバックを受けられます。
このようにみんなにとって新しい発見があり、助け合ったり、強みにフォーカスしてもらうことで、本質的に強い組織にしていく営みをするための材料として機能します。


運用のしかた

運用のルールはざっくり下記のような感じです。

1. マネージャーにより1時間の1対1 面談が設定される。少なくとも直属のマネージャー、最小単位のチームのメンバーとは行う (のでメンバーレベルだと少なくとも一人あたり3名程度と行う)。
2. 面談までに予め指定されたフォーマットに則って、自身の回答を入力しておく
3. 面談の1時間前までに自身の回答結果については面談相手に共有。事前に軽〜く読んでおく
4. 面談時にはお互いに30分間を持ち時間とし、相手の回答結果を踏まえて不明点や気になった点、深堀りたいポイントを質問し、正しい解釈を確かめ、文面を超えてその人を理解するよう努める
5. Slackのプロフィールにリンクを貼るなど、すべてのメンバーのプログラム記入内容は誰でもいつでも閲覧できるようにする


効果的な運用のために大事なこと3つ

効果的な運用のために重要なことは3つあります。

1. フォーマットへの事前記入を徹底すること。特に、薄っぺらい内容を書いている場合は意味がないのでやり直すこと。
2. 面談時には、相手の考え方や経歴、行ってきた意思決定を否定したり、是非を"ディスカッション"したりしないこと
3. 面談は必ず1対1で行うこと

特にマネージャーとメンバーの関係性で面談を行う場合には、2つ目のポイントに注意が必要です。良かれと思ってアドバイスをしたりしないこと。
この面談の目的は、相手のありのままを知ることであり、「よりよくすること」ではありません。(自戒込めつつ...)

さいごに

<企業の方>

もう一つ運用にあたって大事なことを忘れていました。

それは、本取組の優先度はどんなに忙しくても決して下げないことです。

強い組織を作るのには1000日かかって、崩すのは1日。最高のチームビルディングのために、がんばりましょう!

<次のチャレンジを考えている方>

心理的安全性を担保し効率的・効果的に働け、かつ成長が求められるチャレンジングな環境に興味がある方は、是非当社を一つの候補としてご検討ください!🙇🏻‍♂️
国内SaaS随一のスピードで成長しており、2020年9月には4.5億円の資金調達も行い、全職種募集しています。


フォーマットが欲しい方

当社で使っている心理的安全性プログラムのフォーマットがほしい方は、下記ステップをよろしくお願いいたします!

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少しでも誰かの役に立てば嬉しいですー!



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