中国ベンチャーに学ぶ・柒「本来の意味を”意味変”する」

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🔳デジタルイノベーションで「本来の意味を”意味変”する」

本日は「Luckin Coffee(瑞幸咖啡)」の上場廃止というニュースからお届けします。初出店から19カ月という異例の速さ米ナスダックへの上場を果たしたにも関わらず、不正会計により同市場への上場廃止を余儀なくされているというのです。賠償額はなんと100億ドル、およそ1兆円?という、とんでもない規模の損失が見込まれており、余計にノイズを立てているようです。

Luckin Coffeeは2017年10月に創業した中国のコーヒーチェーン店で、リアル店舗とテクノロジーを融合した新しい形の店舗です。スターバックスを本気で脅かす刺客として、創業以降物凄い勢いで出店数を増やし(初年度に2,000店舗)、あっという間に中国国民に浸透していきました。そして、中国市場最速でユニコーン企業となったベンチャーなのです。

その秘訣は、
「待ち時間を無くし」「出来上がりを待たず」に淹れたてコーヒーを買える
ことでした。

コーヒーを専門店で購入する時は、店頭のレジカウンターで注文して支払いをして出来上がるのを待って受け取る、というのが一般的な流れかと思います。日本でも人気のスターバックスでは、購入前にオーダー待ちの待機列が出来上がることの方が多いぐらいなのではないでしょうか。

しかし、Luckin Coffeeは専用アプリを使った事前オーダー制にしたことで、
この流れをガラっと変えました。

アプリを開く注文可能な店舗がマップ上に表示されます。直接お店に行ってコーヒーを受け取るか、自宅まで配達して貰うか、のどちらかを選び、WeChatPayかAlipayで支払いを済ませます。店頭受け取りの場合は、仕上がりまでの時間が表示され、出来上がるとアプリに通知が届くので、時間のロスはありません。あとはアプリに表示されるQRコードを直接店頭の読み取り機にかざすだけで注文した商品を受け取れるという、正にアプリ完結型の新しいコーヒースタイルを中国国民に提供し始めたのです。

「待ち時間を無くし」「出来上がりを待たず」に淹れたてコーヒーを買える

▼従来のコーヒー店:お店でのみオーダー可能
お店に行く⇒並ぶ⇒レジカウンター⇒注文する⇒支払う⇒待つ⇒受け取る

▼Luckin Coffee:場所を選ばずオーダー可能
アプリを開く⇒注文する⇒支払う⇒店で受け取る or 配達して届けてもらう

ご覧の通り、コーヒーを頼むために行列に並ぶことも、出来上がりのコーヒーを受け取るために店頭で待つことも、ありません。顧客にとっては、待ち時間を徹底的に削ったサービスですので、大切な時間を無駄な待ち時間に変えてしまうこともなく、大変スマートです。

お店にとっても、注文も支払いも済んでいるオーダーを受けるだけですので、店頭でやるべきことは、美味しいコーヒーを淹れること、これに尽きます。従業員が、無駄な作業や余計なことをする必要がありません

こうした徹底したコストカットが、1杯のコーヒーの提供料金を下げ利用者数を増やし続けながら、マーケットの中で支持者を増やし続けてきたのです。顧客にとっても、従業員にとっても、これほど理に適った嬉しいことはないのではないでしょうか。

スターバックスがコーヒーを飲む快適な空間を提供しているのに対し、Luckin Coffeeは場所を選ばずに美味しいコーヒーを安く提供することができるのです。

永井竜之介さんの著書、
「リープ・マーケティング 中国ベンチャーに学ぶ新時代の「広め方」 」
このLuckin Coffeeが躍進したポイントとして

成長のカギは、カフェを従来通りの立地型サービスではなく、
テクノロジー・サービスとして位置づけた点にある。アプリをビジネスの
中心に置き
、サービス、立地、マーケティングを設計したのだ”

と記されています。

マーケティングは、顧客創造と市場活性化は元より、プロダクトやサービスを販売して売上を立て、利益を生み出す工程をより増幅させる役割があり、本来はその役目を果たすべき手段であると考えられています。

Luckin Coffeeは、ビジネスのコアとなる考え方において、カフェという業態の在り方をICTテクノロジーにスライドさせたことで、コーヒー1杯がもたらす価値に変化をもたらしました。

つまり、それまでのコーヒー代は
コーヒーを飲むための快適な空間利用の料金(スターバックス)
であったのに対して、
時間も場所も客から奪わないコーヒーの料金(Luckin Coffee)
意味を変更したのです。

そして、その恩恵を受け取れる環境を世の中に提供することで、これまでにないスタイルでありながら、新しい在り方として成立させて社会に貢献をしてきたのです。
正にデジタルイノベーションがもたらした時代の変革とインパクトだったのではないでしょうか。

<続く>

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私は、この書籍にも出会えて本当にツイてると思います。
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