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母にとっての娘とは

初めに明言しておくが、今回は私の実体験についての話ではない。
「もしかして世の中ってこうなってる?」という私の個人的な考察だ。
暇な人はお付き合いいただけると嬉しい。

ちなみに、あまりポジティブな内容ではない。
毒親とか、アダルトチルドレンとか、そういうものに繋がり得る内容だ。
苦手な方は回避してくださいね。

今まで生きてきた中での自分の体験や他人から聞いた話に基づいた、でも特に裏付けのない個人的な意見なのだけれど。
「親にとっての子供」「母にとっての息子」「父にとっての娘」は、ものすごーくちゃんと庇護の対象であり、大切に守り育てたいと思える存在のように思う。
「父にとっての息子」は、そういう枠にきちんと入りつつも、「父さんに何かあったら家族を頼むぞ」みたいな信頼や男としての期待、みたいなものが混ざるような気がする。

一方で、「母にとっての娘」だけは、どうしても、それらとは全く異なる要素を含んだ、異様なものであるように感じる。
何を含んでいるのかというと、それは強烈な仲間意識だ。
守りたい、とか、大切に育てたい、とかよりも先に(あるいはより大きい範囲で)、「同じ地獄を生きていく仲間」みたいな意識があるように思うのだ。

どういうことかというと。
「母にとっての娘」以外の親子関係というものは、まずは「お腹を空かせていないかな」「寒くないかな」「痛いところはないかな」って子供の身の安全を考えて、安全でないなら何としてでも自分が守って、育てて、そして幸せにしたい(なってほしい)という気持ちがあるように思う。
だが、「母にとっての娘」は別だ。そこにあるのは、「私の苦しみをわかってくれる子だ」「私と同じ苦しみを味わわないように教育してあげなきゃ」「女としての生き方を私が教えてあげないと」という感情だ。

あ、断定系で書いているけれど、一意見です。個人的な。
一般通念では全くないから、そのつもりで読んでね。

つまり、「母にとっての娘」は、守るべき存在の他人ではなく、自分と限りなく近い存在の仲間であるということである。
つまり、娘には母の人生における過去や考え方がすべてダイレクトに投影されるのだ。

・私は女だからと大学に行かせてもらえなかった、だからこの子は堂々と大学に行ってほしい!
・私は女だから家にこもって夫を立てて生きてきた、この子もそうできるよう家事やマナーや所作を叩きこまないと!馬鹿にされないように!
・私は生きてきてとても苦しかった、女だからと我慢してきたことがいっぱいあった。この子は女で、私と同じ道をたどるはずだから、この苦しみをきっとわかちあえるはず!
・私は男で苦労してきた、女はいつだって男に振り回されるものだ。だからこの子は私の経験を活かして、変な男に掴まらないよう見ててあげないと!

あくまで一例だが、そんな具合である。
他の親子関係に比べて、親と子供の距離がものすごく短く、壁が薄く、依存と執着が絡まりかねない関係であるように思う。
そうなると、どうなるのか。
「子供が自分と異なる」ことを、許容できなくなるのだ。

「私の時はこうだったのに」「女はこうあるべき、って私は育てられたのに」「先駆者である私が、苦労しないようアドバイスをしてあげてるのに」といった具合に、そこに子供の人格や意見があることを認められず、押しつぶして自分の意見で塗り替えるのである。
そして、子供であろうがなんであろうが、「他人が自分と異なる意見を持つこともある」というのが普通なのに、この関係では「私がこれだけ言ってるのにどうして言うことを聞かないの!」になりがちなのである。

それが愛情でないとは、言わない。
一種の愛情ではあると思う。
女は「女である苦しみ」から逃れることはできないし(男が「男である苦しみ」から逃れられないのと同様に)、自分はその点に関して処世術を持っているから、子供が苦しまないよう、子供のためを思って言ってあげている。
その「あなたのためを思って」がまるっきり嘘だとは思わないし、それが愛情でないと断言はできない。

うん、でもやっぱり、それは「親子」の関係や愛情であるというよりは、もっと、「仲間」や「友達」に近いものであるように感じる。
同族意識とでもいうのかな。
少なくとも、庇護欲ではないと思うし。尊重や尊敬でもないように思う。

もちろん、「友達みたいな母娘関係」を心地良いと思ったり、望んだりする娘もいると思う。
母が娘に親身になることはいいことだ、将来苦労しないようにしっかりと教育をするのは普通のことだと思う人もいると思う。
だから、母と娘がお互いに苦しくないと思える関係性なら、別に何の問題もないし外野がどうこう言うことでもないと思うのだけれどね。

毒親問題でよく聞く、兄妹(姉弟)で対応が違いすぎる、母が娘に対して嫉妬して足を引っ張る、みたいなものだとか、娘が親を毒母と呼ぶような背景には、この「仲間意識」みたいなものが大きく関わっているように思う。
「母にとっての娘」はとても距離が近く、壁が薄く、いっそ自分の体の一部であるかのように錯覚を覚えるほど、母は娘に自分を投影しがちである。
だから、他の親子関係に比べて、母と娘の関係性は拗れやすいのではないだろうか。

という、考察でした。
なんか、なんとなくだけど、女の人って「絶対に男よりも女の方がしんどい」みたいに思ってる人が多い気がするのよね。
だから、女同士だと仲間意識や同族意識が芽生えやすいのだと思うし、それが「同じだと思っていたのに!」っていう裏切られ感情みたいなものに繋がりやすいような気がするのよ。

今回はそんな感じでした。
みんなの意見も聞かせてもらえると嬉しいです。

ではでは、今回はこのへんで。


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