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競馬

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#坂井瑠星

【競馬コラム】坂井瑠星と岩田望来の火花散る争い

ドウデュースの快走に沸いた先週の阪神競馬場だったが、坂井瑠星と岩田望来の火花散る対決も負けず劣らず見応えがあった。 まずは土曜。関西のボス川田将雅が東京のクイーンCに騎乗することもあって、朝から坂井瑠星の騎乗馬に人気が集まっていた。ほほうこれは固め打ちもイケるなと思っていた矢先、いきなり出鼻をくじいてきたのが岩田望来だった。4番人気のナウズザタイムで勝利。以後、4Rカレンハサウェイに9Rデビットバローズと計3勝を挙げたのだが、いずれも2着に退けたのが坂井瑠星の乗る1番人気の

【競馬コラム】坂井瑠星、2023クラシック有力候補との「不自然なまでの」出会い

阪神ジュベナイルFで厳しい現実を突きつけられ、心折れたまま迎えた今週の競馬。土曜のひいらぎ賞ではPOG指名馬マラキナイアが単勝1番人気に推されながら見せ場なく馬群に沈み、ああ競馬ってのは本当に厳しい娯楽だよなあとしみじみ痛感させられるハシスポ氏であった。 せめてドルチェモア坂井瑠星が朝日杯フューチュリティSを勝ってくれれば、少しは心の傷も癒せるんだけどなあと思いながらも日曜午後は出かける予定も入れてしまい、そこまで熱も入らぬままレースの時間を迎えたわけだが、ゴール前はさすが

【競馬コラム】ラヴェルの敗因

長く競馬を見ていると、絶望に打ちひしがれ屈辱を味わう経験は避けて通れないもんだけど、まあそれにしても久々に心折られたね。 ラヴェル、何もできないまま終了。いわゆる「後方まま」である。 負けるにしても、大外枠とか展開に泣かされたりして「いい脚は使ってるんやけどなあ、今回は運がなかった」くらいの終わり方を想像していただけに、ショックは大きい。 レース直後はそれこそアタマ真っ白で何も考えられなかったが、時間が経ち徐々に冷静さを取り戻してきた今だからこそ、あれこれ敗因が思い浮か

【競馬コラム】豪脚ラヴェルと坂井瑠星、2023年クラシックを駆け抜けろ

期待と不安が交錯しながら迎えたアルテミスS。しかし、最後の直線に向いた瞬間の手応えが、勝利を確信させてくれた。余裕たっぷりの坂井瑠星。そして、ゴーサインが出されてからの豪脚。2023年牝馬クラシックの有力候補ラヴェルの誕生である。 課題のスタートこそ今回も失敗したが、折り合い面の問題が全くなかったのが大きい。鞍上も少し出遅れた程度では全く慌てることなくレースを進められた。このへんはG1ジョッキーの心のゆとりか。 直線での豪脚は見ていて本当に気持ちよかった。馬群に包まれて追い

【競馬コラム】「世界に通用するジョッキー」への大きな一歩、坂井瑠星のJRA・G1初勝利

坂井瑠星を応援しようと決めたのは、あの矢作芳人調教師が初めて迎え入れた所属騎手という理由だった。開業直後から工夫と改革を重ね、リーディングトレーナーにまで上り詰めた名伯楽が弟子を取る..どうやって育てていくのかを見てみたくなったのだ。 生半可な覚悟で他人の人生を預かる人ではない。実際、デビュー時から「世界に通用するジョッキーにしなければならないと思っている」と公言していた通り、他の若手騎手では経験できないような道のりを早くから歩ませ続けた。デビュー2年目から豪州への長期遠征

【競馬コラム】信頼されること、信頼に応えること

今季ここまで57勝を挙げ、すでにキャリアハイの勝ち星をマークしている坂井瑠星。ちょくちょく海外遠征を挟みながらの数字だけに価値も余計に高く、ジョッキーとして充実期に突入しつつある。 しかし、これまでコンスタントに勝っていた重賞のタイトルにはなかなか手が届かず(まあゴドルフィンマイル勝ってるんですけど)。秋のG1でチャンスをつかむためにも、そろそろ存在感をアピールする勝利がほしいところで巡ってきたのが、紫苑Sのスタニングローズだった。 2月のこぶし賞で手綱を取って以来のコンビ。

【競馬コラム】黒歴史にひと区切り

仕事をしていると、忘れたくても忘れられないミスというものをやらかしてしまうことがある。何年経っても、当時のことを思い出すと心の中に闇が灯る..そんな経験、皆さんもお持ちではないでしょうか。 坂井瑠星の場合、「モズアスコットの安土城S」はきっといつまでも忘れることのない一戦になっていることだろう。重賞で好走を続けながら、安田記念出走に向けて賞金があと少し足りないという状況で矢作芳人調教師が描いたのは「安土城Sを勝って連闘で安田記念へ」というプラン。ワールドカップアジア予選より

【雑談と競馬】将棋ウォーズで100勝達成しました

将棋ウォーズで通算100勝を達成しましたイエーイ。ほんの数ヶ月前まで居飛車と振り飛車の意味も知らんかったことを思えばようやっとる。まあ180敗くらいしてますけど。 「勝ちたい」より「強くなりたい」ことを目標に置いてるので、応用の利く四間飛車か三間飛車をベースに戦ってるんですけど、まあよくあるのが棒銀にツブされるパターンな。2筋をガンガン攻めてこられて、少しでも受けを間違うとあっさり突破されてしまう。こうなったらもうやる気なくすw 180敗のうち50敗くらいはこれで負けてるんち

【競馬コラム】スタートダッシュの重要性

以前、藤岡佑介がnetkeibaのコラムか何かでこんなことを語っていたのを覚えている。 「G1の騎乗依頼を受けるには春が狙い目。秋には短期免許の外国人がたくさんくるから枠がない。春のG1で声がかかるようにするには、年明けから勝ち数を稼いでリーディング上位にいる必要がある。だから1月の中京・小倉のローカルに積極的に乗りに行って、まずは数字を積み重ねている。」 一言一句このままのテキストが載ってたわけではないけど、内容としてはこんな感じだった。なるほど自らの立ち位置を冷静に分

【競馬】その存在感を見せつけろ坂井瑠星、ユニコーンSをスマッシャーで制し今月2つ目の重賞制覇

ユニコーンライオンの鳴尾記念に続き、坂井瑠星がスマッシャーとのコンビでユニコーンSを制覇。6月に入って立て続けに重賞を2勝するなど、サマーシリーズの本格突入を前に猛アピールが続いている。 今季はサウジアラビア~ドバイと長期遠征に出た影響もあり、まだ勝ち数は16勝にとどまっているが、常に世界を視野に入れた精力的な動きはもっと多くの関係者の目に留まってほしいもの。今週も土日で上位人気に支持されるような馬はほとんど任されず、先週に至っては土曜の騎乗馬がゼロという事態にも直面した。

【競馬】これぞ意外性の男・坂井瑠星が伏兵ユニコーンライオンで鳴尾記念を勝利

鳴尾記念を逃げ切ったのは、単勝8番人気の伏兵ユニコーンライオン。好スタートからハナに立ち、前半1000mを62秒9の超スローペースに落とすと、後半は一転57.8秒のハイラップを刻んで逃げ切った。典型的な人気薄の逃げ馬による波乱劇。後続はなす術なしといった内容だった。 前走の弥彦Sを逃げ切っての参戦。昨年は準OPで大敗が続き、芝ダート問わず詰まったローテで使われていたのは迷走にしか映らなかったが、それでもこうして立て直してくるあたりが矢作芳人厩舎の力である。これが重賞通算50

【競馬】バスラットレオンに関わる人の無念を思うと../NHKマイルCほか振り返り

有力馬が思わぬアクシデントに見舞われる、何とも後味の悪いG1になってしまった。NHKマイルCで単勝3番人気に支持されていたバスラットレオンが、スタート直後につまづきジョッキーが落馬。ニュージーランドTを圧勝し、多くの期待を背負ってのG1挑戦が、まさかの結末に。広尾レースの出資者の方々の夢と希望も、藤岡佑介の恩返しもすべてが一瞬にして終わってしまった。 馬券を買っていたわけではないのだが、それでもこの馬に関わる人々の無念を思うとやるせなくて、レースはずーっと半分うわの空で見て

【競馬】パラスアテナを勝利に導け坂井瑠星/4月24日(土)の見どころ:福島牝馬Sほか

はあ、さすがに野球の神様は見逃してくれませんよね..(´・ω・`) 確か先週も書いた記憶があるけれど、ここまで制球難で走者を出しながら紙一重のところで踏みとどまっていた藤浪晋太郎が、ついに5回もたずにKO。与四球が6、しかも際どく外れたとかではなく明らかなボールが多く、まともな試合にならなかった。後を受けた馬場皐輔も流れを変えられず、極めつけは満塁の場面で佐藤輝明が右前打を後逸.. 間違いなく今季ワーストの負け方である。これまでは敗れても相手を誉めるしかない内容だったが、

【競馬】エフフォーリアに望むもの..完全無欠でなくていい/4月18日(日)の見どころ:皐月賞ほか

応援馬券の類はともかく、まともに予想をして当てた記憶がない皐月賞である。何しろ、クラシック参戦を目指して各路線を勝ち抜いてきた精鋭たちが初めて一堂に会する舞台。人気薄ながら「うおっ、お前そんな強かったんかい!」みたいな決着を目の当たりにすることが多い。しかもそれがフロックではなく、長く活躍する名馬であっても同じような現象が起こるのだから、強い馬を見極めるのは本当に難しい。 ■ 皐月賞/エフフォーリアは日本ダービーでこそ..みんなが完全無欠でなくていい今年も混戦ムードである。