見出し画像

【競馬】これぞ意外性の男・坂井瑠星が伏兵ユニコーンライオンで鳴尾記念を勝利

鳴尾記念を逃げ切ったのは、単勝8番人気の伏兵ユニコーンライオン。好スタートからハナに立ち、前半1000mを62秒9の超スローペースに落とすと、後半は一転57.8秒のハイラップを刻んで逃げ切った。典型的な人気薄の逃げ馬による波乱劇。後続はなす術なしといった内容だった。

前走の弥彦Sを逃げ切っての参戦。昨年は準OPで大敗が続き、芝ダート問わず詰まったローテで使われていたのは迷走にしか映らなかったが、それでもこうして立て直してくるあたりが矢作芳人厩舎の力である。これが重賞通算50勝に到達。

鞍上は坂井瑠星。これでデビュー3年目のフィリーズレビューで重賞初勝利を挙げて以降、3年連続の重賞勝ちとなった。

相変わらず「ここで勝つか!」と驚かされる。これまでの重賞制覇6つ全てが単勝4番人気以下の伏兵で挙げたもの。中にはドレッドノータスの京都大賞典(単勝9,070円・11番人気)のように衝撃的なシーンも演出してきた。今回も非常に彼らしい、意表を突くタイミングでの大仕事。好きなジョッキーが重賞で有力馬に騎乗する際には応援馬券を買うことも多い僕だが、坂井瑠星の場合はなかなかタイミングをつかめないままでいるw

勝って当たり前の馬ではなく、伏兵を勝利に導くと「腕前で勝たせた」と評価されやすい傾向にあるが、ジョッキーという仕事の本質は「いかに大舞台で『勝って当たり前の馬』を勝たせるか」。それだけの信頼を得ることが何よりも重要で、重賞では滅多に上位人気馬に乗れない現状はまだまだ修行が足りないということ。それは本人もよく理解しているはず。

これまでは3場開催でも主場の京都・阪神に腰を据えて騎乗してきたが、この春はローカルの新潟にも参戦。愚直に勝ち鞍を積み重ねてきた。自らの判断なのか、師匠の矢作芳人調教師による采配なのかはわからないが、この姿勢も現状を打破するひとつのキッカケになるかもしれない。

夏は今年も北海道シリーズをメインに騎乗する見込み。開幕週の函館スプリントSはジャスティンとコンビを組む。この春はサウジアラビア・ドバイ遠征も共にしたパートナーと臨むのは芝の重賞。さすがに厳しいとは思うが、もしかしたらまたアッと言わせるかもしれないということはお知らせしておくw

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?