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【競馬コラム】坂井瑠星、2023クラシック有力候補との「不自然なまでの」出会い

阪神ジュベナイルFで厳しい現実を突きつけられ、心折れたまま迎えた今週の競馬。土曜のひいらぎ賞ではPOG指名馬マラキナイアが単勝1番人気に推されながら見せ場なく馬群に沈み、ああ競馬ってのは本当に厳しい娯楽だよなあとしみじみ痛感させられるハシスポ氏であった。

せめてドルチェモア坂井瑠星が朝日杯フューチュリティSを勝ってくれれば、少しは心の傷も癒せるんだけどなあと思いながらも日曜午後は出かける予定も入れてしまい、そこまで熱も入らぬままレースの時間を迎えたわけだが、ゴール前はさすがに力のこもる競り合いとなった。

抜群のスタートから好位を立ち回り、先頭に躍り出たドルチェモアをめがけて中団外からレイベリングが、そして後方で脚をタメていたダノンタッチダウンが襲いかかる。脚色がいいのは明らかにダノンタッチダウン。何とか我慢してくれと祈るように行方を追っていたが、最後はクビ差だけ踏ん張りドルチェモアが勝利。ああよかった。

坂井瑠星は秋華賞に続く2つ目のG1勝利。ゴール後のガッツポーズにも「魅せよう」とする余裕が見られたように、もはや彼にとってのG1タイトルは特別なものではなくなった。相棒の卓越したレースセンスをフルに活用する手綱捌きも光った。

それにしても異例のコンビ結成である。デビューからの2戦は横山和夫が手綱を取っており、今回も騎乗停止やケガがあったわけではない。にもかかわらず、早い段階で乗り替わりが発表されたのは、この1年あたりで不自然なまでに坂井瑠星を重用してきた馬主のスリーエイチさんサイドの意向によるものとしか考えられない。
看板馬シャドウディーヴァを筆頭に、最近では準OPで2着を連発していることでおなじみのノースザワールドなど、その所有馬のほとんどに騎乗歴があるほど。川田将雅やルメールほどの実績があればそのこだわりもわからんでもないが、まだブレイク前からここまで懇意にしてきたのは一体どういう事情なんだろう。坂井瑠星を追っかける身としてもそのへんはわからない。まあいいんですけどw

思わぬ形でクラシック有力候補生と出会い、その絆を確かなものとしたことで2023年の楽しみがさらに膨らむこととなった。牝馬戦線のラヴェルだって、今後の成長次第ではまだまだチャンスもあるはず。来年へとつながる飛躍の年。いよいよ新しい時代がやってきたか。

余談ながらドルチェモアはこの夏、北海道に旅行した際ダラダラと1日を過ごした札幌競馬場でデビュー戦を見届けた馬。あの日の出会いがこんな未来につながっているとは思わなかったが、実はこれまでも遠征先の競馬場ではのちのスターホースの初勝利を見届けていて。同じ札幌ではマツリダゴッホの新馬戦を、そして小倉ではメイショウサムソン、中京でもオウケンブルースリの初勝利をたまたま現地で目にすることがあった。
今後どこか遠方の競馬場に行くことがあれば、また新たな出会いを楽しみにしたいと思う。

2着はダノンタッチダウン。もし差されていたら2週続けて川田将雅さんに心を折られてしまうところだった。危うく嫌いになってしまうところだったw
相変わらず外を回すと難しい馬場状態で、4角を内でクリアする思い切った策を遂行したのはさすが。まだ感性途上の馬体で、まさに人馬ともに「精一杯の競馬」だったことだろう。来春のマイル路線では普通に主力を張れそうだ。
マイル路線といえば、新馬戦を勝ったばかりで臨んだレイベリングも強力なライバルになりそう。最近やる気がなさすぎてこの馬の新馬戦の映像も見てないんですけど、G1でも通用するくらいなんですからさぞかし強かったんでしょうね(見ろよ)。今後も期待。


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