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【競馬】バスラットレオンに関わる人の無念を思うと../NHKマイルCほか振り返り

有力馬が思わぬアクシデントに見舞われる、何とも後味の悪いG1になってしまった。NHKマイルCで単勝3番人気に支持されていたバスラットレオンが、スタート直後につまづきジョッキーが落馬。ニュージーランドTを圧勝し、多くの期待を背負ってのG1挑戦が、まさかの結末に。広尾レースの出資者の方々の夢と希望も、藤岡佑介の恩返しもすべてが一瞬にして終わってしまった。

馬券を買っていたわけではないのだが、それでもこの馬に関わる人々の無念を思うとやるせなくて、レースはずーっと半分うわの空で見ていた。ゴール前のシュネルマイスターとソングラインの叩き合いも、最後まで熱量が入らぬまま。しばらくしてからようやく我に返ったのであった。

■ NHKマイルC/ルメールに導かれたKingman産駒シュネルマイスター、高速馬場で本領発揮!

勝ったのはシュネルマイスター。弥生賞2着から臨む変則ローテで、これまで高速馬場の経験がなかった点が懸念されたが、あっさりとこなしてしまった。ドイツ産のKingman産駒。これでチューリップ賞のエリザベスタワーに続く重賞勝ち馬が誕生したことで、今後もさらに注目を浴びる血統になりそうだ。
フェブラリーSを勝って以降G1では大阪杯4着→桜花賞2着→皐月賞4着→天皇賞4着と足踏みが続いていたルメールは「久々の」勝利と言っていいだろう。東京の5週連続G1は果たして何勝するんでしょうか。

ハナ差の2着にソングライン。またも池添謙一のG1ハンティングが決まるかと思ったが、惜しくも及ばず。それでも桜花賞大敗からの巻き返しに成功したのは価値があるし、これだけの能力の主があれだけ凡走してしまうほど、前走の不利は影響が大きかった。
グレナディアガーズは早めの進出で勝ちにいったが、結果的にいいターゲットにされてしまった印象。それでも2歳王者としては最低限の結果は残せたと言えるのでは。

ルークズネストはスタートを決めて好位を追走できたが、上位入線馬はすべて直線で外を通ってのもの。伸びないところを通る形になったのが響いたか。

■ 京都新聞杯/ゴールドシップ産駒2頭は友道軍に屈する..レッドジェネシスが「東上最終切符」を獲得

日本ダービーの出走権を巡る争いはレッドジェネシスに軍配。開幕週の馬場をどうこなすかがポイントだったが、絶妙のポジショニングから末脚を繰り出した川田将雅の騎乗にも導かれ「東上最終切符」を獲得した。
この馬はPOG検討段階から評判になっていて、それとは裏腹にデビュー直後は勝ち上がりにも苦労していた。初勝利は4戦目、それでも徐々に力をつけてG2タイトルまで手が届いた。総賞金はこれで7,000万円を突破し、ペパオナとしても十分でしょう。うらやましいw

ルペルカーリアは逃げる形に。4角ではまだリードがたっぷりで、そのまま押し切るかと思ったがゴール前は同僚の末脚に屈した。この馬もデビュー当初はなかなか苦労させられたが、重賞で勝ち負けできるレベルまでは到達。春はもう使わないようだが、今後の成長が楽しみ。

悔やまれるのは3着に終わったマカオンドール。ゴール前は差を詰めてきたが届かず..あと少し前のポジションを取り切りたかった。浜中俊もそこを悔やんでいたが、わかっていたのなら余計にどうにかしてほしかったところ。こうなったら菊花賞に切り替えていくしかない。

ヴェローチェオロの5着は指定席感がすごい。詰まったローテで走っているが、これからも頑張ってほしい。

■ 新潟大賞典/荒れ馬場を舞台に激戦を制したのはサンレイポケット

5頭の追い比べをわずかに制したのは単勝3番人気のサンレイポケットだった。例年の先行有利の馬場・展開なら厳しかったかもしれないが、連続開催で荒れた馬場と、マイスタイルがぶっ飛ばしたハイペースを味方につけた。
2着のポタジェは苦しい脚色だったが、それでもジワジワと伸びてきた。ディープインパクト産駒でルージュバックの弟という血統ながら、持久力勝負の方が向くという異色のキャラ。
鮫島克駿と西村淳也のローカルでよく暴れてる若手のワンツーでしたね。

同じくローカル番長の座に君臨している吉田隼人のボッケリーニは最後に遅れを取って5着まで。桜花賞まで勝つほどの活躍ぶりを見れば、主要4場でもっと乗ればいいのにと思うのですが。

■ その他のレース

クリノガウディーが鞍馬Sを勝利。因縁の地・中京1200mで、新馬戦以来となる待望の2勝目を挙げた。そして鞍上の岩田康誠は会心のガッツポーズ..うん、例の「幅寄せ」の件が当事者らによるとそこまで深刻に受け止められていないことがよくわかった。中間に付きっきりで調教にも乗ってたらしいし、藤沢則雄調教師のコメントを見る限り感謝&感謝である。
ひとつ思うのは、藤田伸二氏が語っていたYouTubeの内容も鵜呑みにしちゃいかんよねということ。しょせんあれだって誰かから聞いたこと、として話していたし。伝聞で知ったことを「真相」と断言するのもどうかと思いますが。まあ、あまり感情的に批判しない方がいいかなと。

秋山真一郎が復帰後ようやく初勝利。土曜の新潟メイン・谷川岳Sでシュリを勝利に導いた。折り合いに気を使うタイプだが、気分良く逃げ切り。日曜最終の三条Sもリネンファッションで制してルメール風のガッツポも飛び出したw 華麗な騎乗フォームはまだまだ健在、ここから夏にかけてまた存在感を発揮してもらいたい。

そしてひっそりと新潟に回っていた坂井瑠星が土日で4勝の固め打ち。本来なら東京や中京でリーディング上位騎手に張り合うべきところだが、今はローカルで数字を稼ぎに行くのも悪くない選択。ここでノーザンFの信頼を勝ち取ることがG1につながったりもするわけだから。

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