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【競馬コラム】坂井瑠星と岩田望来の火花散る争い

ドウデュースの快走に沸いた先週の阪神競馬場だったが、坂井瑠星と岩田望来の火花散る対決も負けず劣らず見応えがあった。

まずは土曜。関西のボス川田将雅が東京のクイーンCに騎乗することもあって、朝から坂井瑠星の騎乗馬に人気が集まっていた。ほほうこれは固め打ちもイケるなと思っていた矢先、いきなり出鼻をくじいてきたのが岩田望来だった。4番人気のナウズザタイムで勝利。以後、4Rカレンハサウェイに9Rデビットバローズと計3勝を挙げたのだが、いずれも2着に退けたのが坂井瑠星の乗る1番人気の馬だった。

これぞ目の上のタンコブというやつである。9Rでジュンブロッサムが大外から追い込みながら届かなかったときは「またお前か!」と叫びたくなったw

日曜も朝イチから快調に白星を重ねる岩田望来。5Rガットネロはいい感じに逃げていたが、内から末脚を伸ばしてきたマンデヴィラに差されたときは「またお前か!」と(以下同文

それだけに、7Rミセスバローズでバンベルクを差し切った瞬間は、やっと一矢報いることができたと少しだけ溜飲を下げることができた。しかしトータルでは坂井瑠星2勝に対し岩田望来が7勝。先週に関しては岩田の圧勝に終わった。

坂井瑠星が8年目の25歳、岩田望来が5年目の22歳。次の競馬界をリードする、いいライバル関係になりそうな気がしている。JRAのG1勝利は坂井が先に成し遂げたが、勝ち数だけなら岩田が圧倒的にハイペースで量産中。今年のリーディング争いでもともに16勝で並び、激しい争いとなっている。
個人的な印象ながら、岩田望来は人気馬での取りこぼしがたまに目立つことがあり、厳しいインターネットの世界では「実力もないのにコネでいい馬に乗ってるだけ」と言われがち。お前ら10年ちょっと前に福永祐一を叩いてたのと同一人物やろ。

ちょうどその福永さんが騎手を引退することになり、その後継者的なポジションを争うのもこの2人になりそう。坂井瑠星はすでに友道康夫厩舎からの依頼が急増中でシレッとその枠に収まりそうだし、岩田望来は何といっても藤原英昭厩舎の所属という格好のポジションがある。だから余計に妬まれがちなんだけども。

他にも坂井瑠星の見応えある騎乗があった。土曜10Rの但馬S。これまでずっとコンビを組み続け、何と5戦連続2着と惜しい競馬ばかりだったノースザワールドが今回はムルザバエフに乗り替わりに。今回は敵として戦うことになったのだが、意地でも簡単な競馬はさせんぞとずっと外からフタする執念を見せた。仕掛けどころが遅れたノースザワールドは5着に終わり、惜敗にピリオドどころか着順を落とすこととなった。お世話になってるスリーエイチさんの所有馬にここまでやっちゃっていいのか少し心配だが、勝負師としての意地を見るひと鞍だった。

今週はフェブラリーSで上位人気が予想されるレモンポップに騎乗する。戸崎圭太が先約でドライスタウトに乗るためだが、まさかこんなところでお声がかかるほど序列が上がってるなんて。でも、G1の有力馬がポンと回ってくるのは朝日杯FSもそうだった。今回も過度に緊張することなくいいレースを見せてほしい。あとは土曜つばき賞のロードデルレイな。新馬戦の強さが本物であることを願う。


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