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競馬

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#スポーツ観戦記

【競馬コラム】ラジオNIKKEI大関隼アナの言葉が何よりも心に残ったフェブラリーS

フェブラリーSはカフェファラオが連覇を達成。東京ダートマイル戦では滅法強い一方、他の条件だとからっきしの「訳あり王者」だが、欠点を補うより長所を伸ばそうというイマドキの考えには合致したキャラのように思う。ただ、仮にもG1を2回勝った馬がコロコロ負けまくるようだと示しがつかないので、今後はもうちょいカッコつけてもらえるとうれしいです。 このレースの上がり3Fが34.3秒と芝並みの数値をマークしていることや、地方のダートが合わないことを考えると芝のマイル戦に照準を合わすのも手かと

【競馬】完全無欠の相棒エフフォーリアに導かれ、横山武史22歳での初G1制覇/皐月賞振り返り

JRA史上に残る名手である父・横山典弘をしてデビュー前から「あいつはマジでヤバい」と期待を寄せられた若武者の実力は本物だった。横山武史、22歳での初G1はクラシック皐月賞で。それも、単勝2番人気の有力馬エフフォーリアとのコンビで重圧に打ち勝ってのものだけに価値も大きい。 若手ジョッキー受難の時代である。 外国人騎手の大挙参戦やクラブ馬主の勢力強化に伴い、近年はG1に乗ることも簡単ではない。それゆえ日の目を見ることもないままムチを置く、若き乗り役も数多く見てきた。そんな状況

【競馬】ソダシも悔しかったんじゃないだろうか/桜花賞振り返り

悔しい。レースが終わって6時間ほどが経とうとしているが、まだ悔しい。きっとサトノレイナスも同じ気持ちだろう。 大外枠に超高速馬場と、難しいシチュエーションにも対応してくれたが、わずかに及ばず。昨年の阪神ジュベナイルFでハナ差だけ敗れたソダシへの雪辱は、またもならなかった。 それと同時に、ソダシも悔しかったんじゃないだろうか。ここまで無傷の4連勝と断然の人気に推されてもおかしくない成績を残しながら、前売り段階から単勝オッズはサトノレイナスと横並び。締め切り直前にはとうとう1番

【競馬】ディープインパクトの最高傑作すら牝馬の壁に阻まれた事実は重い/大阪杯振り返り

19年有馬記念、リスグラシュー5馬身。 20年宝塚記念、クロノジェネシス6馬身。 直線でみるみるうちに後続を引き離していく、あっけにとられるほどの強さ。近年の日本競馬を象徴するように、牡馬相手のG1で牝馬が圧巻の強さを見せつけるシーンをここ数年で何度も見てきた。 そして今年も。 古馬中長距離路線の開幕戦ともいうべきG1大阪杯で、レイパパレが4馬身もの差をつける圧勝を飾った。これまで5戦5勝とはいえ、G1は初出走。一線級との力関係は未知数だった。ましてや相手は三冠馬コント

【競馬】必勝態勢シャフリヤール、同僚との「選抜試験」制しクラシックへ/毎日杯振り返り

単勝が3倍くらいつくなら勝負したいですねという話をしていた、毎日杯のシャフリヤール。土曜の朝からオッズの行方を注視していたところ、ちょうど3.5倍くらいの数値をウロウロ..これなら締め切り前に票が入っても大丈夫!とベット。 見事、期待に応えてくれました。 ■ レース前の評価さながらクラシック参戦を目論むサンデーレーシング2騎の選抜試験。1番人気に支持されたのが2戦2勝のグレートマジシャンで1.9倍、そして2番人気のシャフリヤールは最終的に2.9倍に。 前走で初勝利を挙げたシ

【競馬】香港王者ダノンスマッシュの意地を見た、龍王の血がようやく日本のスプリントG1を制覇/高松宮記念振り返り

アーモンドアイやサートゥルナーリアといったクラシックホースを輩出し、すでに種牡馬としてもその高い性能を発揮しているロードカナロア。しかし、不思議なことに自身の主戦場であったスプリント路線では、産駒がしばらくG1を勝てずにいた。 19年の高松宮記念で1番人気に支持されながら4着に終わったダノンスマッシュもその有力候補だったのだが、待望の瞬間は意外にも香港の地で訪れた。昨年の香港スプリントでG1初制覇。日本調教馬でこのレースを制したのは、そう父ロードカナロア以来2頭目の快挙だっ

【競馬】だから競馬は素晴らしい..大団円に終わったバスラットレオン狂騒曲

ゴールの瞬間まで、祈るような想いで見守っていた。 春のG1を見据える有力3歳馬に、デビュー間もない新人ジョッキーが乗るということで話題を呼んだバスラットレオンと古川奈穂のコンビ。土曜のお昼過ぎという、いつもならまったりとした気分で眺める阪神6Rが、まるで重賞レースのような緊張感に包まれていた。 いざフタを開けてみれば、好スタートからハナに立ってそのまま逃げ切りという実力通りの危なげない勝利だったが、この馬に携わった全ての人が心から安堵を覚えたことだろう。 まずは何といって

【競馬】日本のダートスプリンターがサウジの地で示した可能性と、森秀行厩舎の功績

昨年に続き日本調教馬が大活躍の「サウジアラビアミーティング」となった。3歳馬ピンクカメハメハがサウジダービーを制覇。そしてリヤドダートスプリントではコパノキッキングとマテラスカイのワンツーフィニッシュ。地元勢や英米からの遠征馬との対戦で、存分に力を発揮してくれた。 中でもダート短距離の強豪たちが、異国の地で可能性を示してくれた意義は大きい。国内のビッグタイトルはJBCスプリントに限られる現状。こうして日本調教馬の特性にも合う舞台が新たに設けられたことによって、彼らの活躍の場

【競馬】G1のウラで勝利への気迫が激突、期待通りの熱戦/小倉大賞典振り返り

フェブラリーSを差し置いてめちゃくちゃ楽しみにしていた小倉大賞典は、期待通りの激戦となった。トーラスジェミニがハイペースで飛ばす、いかにもローカルG3らしい展開。3角過ぎから後続馬群もスパートし、直線はまさに勝利への気迫が激突。番手から抜け出しを図るディアンドルをめがけて追走するのはテリトーリアルとボッケリーニ。遅れてカデナとアールスターも差を詰め、さらに内から突っ込んできたのはデンコウアンジュ蛯名ァ! 最後の最後までスリリングな攻防が続いたが、ボッケリーニとの叩き合いをハ

【競馬】創意工夫がルメールを「G1の神」にする/フェブラリーS振り返り

「自動的にルメールを買え! G1はもう予想なんかすな!」という千鳥ノブのキャプチャをよく見かけるようになったが、どうもアレは好きじゃない。勝ち馬を検討するという競馬の醍醐味を自ら放棄するようなマネは、競馬ファンなら絶対に慎みたいもの。あれこれ考えた結果、ルメールに命運を託すことになったのならまだしも、「ルメール買っときゃだいたい当たる」はただの思考停止。仮にその馬券が当たったところで、払戻金以外の楽しみや喜びは得られるのだろうか。 その一方で、「G1はルメール買っときゃだい

【競馬】2021クラシック出走ボーダーライン最新版(2月14日終了時点)

先週の3歳戦はガッカリ案件が多くなかったですか。こぶし賞のヤマニンルリュールは1番人気に支持されるも6着。結局メイケイエールしか手元に残らない武豊であった..オンラインドリーム・エリザベスタワーの悲劇再び。 ゴールドシップ産駒テーオーラファエロはあすなろ賞に出走するも、発馬直後からまるで行き脚がつかず..2角で「異常歩様」による競走中止。一体何があったのか。大事に至っていなければいいのだが。 POG指名馬グランワルツは圧倒的人気を裏切る形で大敗。坂路であれだけ動けるのだから未

【競馬】「令和のメジロライアン」ことエフフォーリア、横山武史の夢も広がる圧巻の勝利/共同通信杯振り返り

カンペキな共同通信杯になった。さすがコツを完全につかんでいる貴重なレースだけのことはある。今から来年が楽しみだw 「あ、勝ったなこれ」。 残り400m地点で先頭に並びかけ、雄大なフットワークで後続を突き放しにかかるエフフォーリアを見て、早々と勝利を確信した。はるか後方で繰り広げられる2着争いを尻目に、横山武史も会心のガッツポーズ。デビューから無傷の3連勝で、堂々とクラシックの有力候補に名乗りを挙げた。 ■ レース前の評価朝日杯FS2着馬ステラヴェローチェが単勝1番人気。

【競馬】早くも無双のルメール、流れを変えたい川田将雅/AJCC・東海Sほか振り返り

不良馬場の日曜も無事に開催終了。AJCCがとりあえず全馬無事にゴールできて安心しました。この後も何事も起こらないことを願うばかり。 それにしても、これだけ馬場が悪化するとジョッキーの腕がいつも以上に問われますな。どこを通るかを見極める判断力と、実際にそこを通るためのコース取り。 その点、アリストテレスを勝たせたルメールは「さすが」としか言いようがなかった。内に突っ込んだら終了、かといって後ろからじっくり構えても末脚など伸ばせないという状況で、早めの進出から4角は外を通ってス

【競馬】クロフネは最初から最後まで僕たちをワクワクさせてくれた

クロフネが亡くなった。 残念ではあるが、種牡馬としても成功を収めた上で天寿を全うしてくれたのはよかったと思う。すでに思い残すこともあるまい。最後の最後にソダシまで出てきたわけだし。 大好きな01年クラシック世代の中でも、スター性は随一のものがあった。日本ダービーの外国産馬開放元年に現れた「白い怪物」。アグネスタキオン・ジャングルポケットと相まみえたラジオたんぱ杯3歳Sは今もなお伝説として語り継がれているし、NHKマイルCを制して「宣言通り」に日本ダービー参戦を決めたのも、