見出し画像

うちのお雑煮|醤油ベース

うちの雑煮のお話です。私が育ったのは横浜ですが、母が新潟出身ですので新潟の雑煮になります。味付けは醤油しょうゆベースです。

母がつえを突くようになって料理ができなくなってきた頃、私が2〜3回ぐらい記憶をたどって作ったものを、おいしいといって食べてくれていたので、家の味としては伝承できていたのだと思います。

だし汁に酒、みりん、醤油しょうゆを加えて、肉は鶏肉とり、大根と人参は短冊たんざくに切ってたっぷりと入れる。あとナルトかかまぼこ、椎茸しいたけも入れます。

出汁だしは薄めでも良い感じ、なんなら出汁をとらなくても、大根や人参、椎茸をたっぷり水から煮て鶏肉を入れればけっこういい出汁が出るのでそれに調味料、醤油多めでけっこういい味になる。野菜の甘味ってけっこう美味しい。

器に焼いたもちを入れて具だくさんの汁を入れる。上に三つ葉とイクラをのせて完了。あと母はチョロギが好きだったので雑煮の箸休はしやすめやおせちには用意していた。黒豆や小魚の田作りたづくなんかも醤油べースの雑煮には合っていたと思う。
(※チョロギは長老喜、長老木と書いたりする縁起物、植物で渦巻のような形をした根に近い部分を梅酢漬けした食品)

私が子供の頃、お正月のお餅はお米屋さんに注文していました。のし餅といっていたのですが、座布団ざぶとんより少し小さいぐらいの大きさです。そのシート状の突き立てのお餅が1枚、切り分けられるように包装しているビニールには、四角いお餅のサイズのマス目が赤い線で印刷されている。

届けられたお餅はまだ温かくて、やわらかい。うれしくてついつついて、怒られたりする。それを父親が包丁でマス目にそって食べるサイズに切っていく。それを正月中に食べるんです。

現在、母は食事が取れなくなってしまって点滴で生きている。私ひとりなので雑煮という気分にはなれず、今は作ることも食べることもなくなってしまった。

でも思い出そうと思えば、あの時の味はどんなだか覚えていたりするんですよ。醤油味の染みた大根と人参をいっぱい口にいれて・・鶏肉のやわらかさや椎茸のあまさとか・・・不思議ですね。もう何年も食べていないのに。

最後まで、お読み頂きありがとうございました。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?