衝撃的だった歌詞~「あなた」(作詞・作曲・歌 小坂明子)


 ♪もしもぉ~っ/あなたがぁ~っ/家をぉ~っ/建てたなぁらぁ~     (後略)、、、、♪
 
小坂明子の「あなた」(昭和48年)。
この曲にはショックを受けた。衝撃的であった。
当時、わたしは小学校にあがったばかり。
1年生であったけど、テレビで小坂さんが歌っているのを聞くと同時に、(凄い!)(そうなんだ!)こういう表現。訴求の仕方があったかと思った。

どこが凄いのか?
「あなた」題にしてはいるけども、具体的な人物像。
背丈や、目鼻。趣味、職業については何もない。一切触れられない。
加え、4回しか言葉として「あなた」が出てこない。

 ♪あなたがぁ~っ

最初に1回。最後、フニュッシュとして

 ♪あなたぁ~っ/あなたぁ~っ/あなたぁ~がぁいるのぉよぉ~♪

3回。計4回だけである。
にも拘わず、印象に残る。「あなた」を気に掛け、愛している様(さま)が全体として伝わり、聞くものの心を捉える。
近年であれば、瑛人の「香水」と重ねられよう。
小坂と同じく、自分で作詞・作曲・歌まで歌う。所謂シンガー・ソング・ライターだ。
「女だてらにねぇ」
小坂の時代、影で評する人も少なくなかったに違いない。
今から50年ぐらい前、高度経済成長期の盛り。華やかなウーマンリブ運動に同意する向きもあれば、「いやいや、女の子は大和撫子でしょ」。
一辺倒の人々もあった。

その頃は、「嫌いじゃない」程度であったと思うがー。
じきにわたしが色々と書いたりする上で、非常に参考になる感性である。
小学1年でこんなに鋭い感性持つ子。他にいます?
「歩く感受性」みたいな子でしたなぁ、我ながら。だから学校に合わなかったのね。と、余談ですが。
その思いを未だに覚えているわたしも、なかなかな記憶力でしょ?
「歩く記憶力」と自称でもしましょう。誰も信じないまい。

<了>



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