通夜振る舞いの割合

「お・も・て・な・し」別に出さなくてもいいと思が、「酒」。古今東西、万国共通、必須である。特に冠婚葬祭でのそれは、後々迄の語り草。「料理がオール、不味かった」「多すぎだよね、どう見ても」「あんなに余って、勿体ない」何年経っても、言う人は言う。思い出すのが、父の葬儀。通夜日だ。

葬儀社の力を借り、どうにか終了。75人もの方々が、父とのお別れにわざわざ足を運んで下さった。改め感謝する。(はぁ~っ)思う間もなく、極めつけ。「通夜振る舞い」が待っている。葬儀社の担当者がわたし近づいて来て、囁く。「ここからは、ご遺族様が」(えっ?)焦る。75人中、殆どの方々がおつきあい下さるのはありがたいが、振る舞い方が分からない。下戸以上に、つきあいヘタ。社交的な両親や妹と真逆タイプが喪主なのだ。

(まぁ、いっかぁ。適当に廻れば)開き直って(?)前を向く。(社交的な妹が、しっかりやってくれるだろう)勝手な思いを、胸に抱く。

酒類3、ジュース類2、寿司3、煮物その他が2の料理配分だ。酒を兎に角、用意する。「お寿司の残りは少ないです。皆さん、召し上がりますからね」「煮物が案外、余るんです。テーブル一杯に出すより、一寸、隙間が空くのが宜しいかと。お酒が入りますものね」テーブルに並べられた料理を見廻しながら、打ち合わせでの担当者を思い浮かべる。やがて全員が席に着き、自然と箸が伸びだした。

「お疲れさまでした」目が合えば、労う。「ありがとうございます」軽く会釈し、礼を述べる。「おつぎしましょう」空になったコップを見れば、サッと注ぐ。気を利かす。「沢山、召し上がって下さいね。父も喜びます」テーブルを廻りながら、じゃんじゃん言う。コンパニオンか?わたしは。「喪主でございます」「初めまして」「今日は、父の為にわざわざありがとうございます」父の勤め先関係の方々にも、愛想を振りまくる。へぇ~ん、しぃ~ん!コンパニオン!喪服を着たコンパニオンだと錯覚すらした。年かさだけど、仕方あるまい。

くったりしつつ、遠いテーブルに妹を発見。ご近所さん席を廻っている。わたしも近づく。ヘトヘトになりつつ、年かさコンパニオンのサービスだ。皆さん、酔いが廻って来た。自由にあちらこちらを往来し、声も大きくなってゆく。

(はぁ~っ)ぐったりしてると、「お姉ちゃ~ん」。菩薩寺の住職様近くで、妹が呼ぶ。手招きをする。今度は、住職様との会食(?)だ。やっとお寿司がつまめる、ジュースが飲める。下足な喜びに浸り切った。ガーン!余りにもジャストな提案。酒類3、ジュース類2、寿司3、煮物その他が2の料理配分が良かったらしく、期待した程、寿司がない。煮物もない。ジュースは数本、残っていたような気がする。

(まぁ、、、、いっかぁ)残り物の寿司に思うわたしであった。通夜振る舞いって、「酒席」です。


#私のイチオシレシピ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?