ひとつの経験

知り合いの話。
一人で家にいた。呼び鈴が鳴ったので出ると、警察官が立っていた。
40代ぐらい。
要件=オレオレ詐欺にご注意を。
「はぁ、ありがとうございます」
礼を言って、門を出るまで見送っていたそうだ。
門を出て、少し曲がった時。その家のフェンスの某所から、蜂。結構でかいのが出てきた。
「おわっ、おわっ、おわっ、あたたたたたぁ~っ。ぎょえ~っ!!!!」
さっきまで精悍。
雰囲気からして正義を纏ったような警察官が、蜂の一匹に慌てふためき。腰を抜かさんばかりに驚き。鼻水を垂らしながら、必死になって払いのける様(さま)に落差を感じた。面白くもあった。
赤塚不二夫の漫画を想像して頂ければ良かろう。

同時に思った。
(警察官でも、怖いものがあるんだ)
人間(=犯人や、現場での修羅場)でもなく、蜂なのかとしみじみ感じたそうである。

人間だからねぇ、警察官も。いきなり来たら驚くんじゃない?
時に蜂(特にキイロスズメバチ)は怖いのよ。
ひとつの経験でしたわな。




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