子供(わたし)の言葉

子供は時々、とんでもない時にとんでもない事を言って、大人に恥をかかせたり、笑わせたりする。
「つまらないものなら、あげない方がいいんじゃないの?」
夏目漱石の子供時代だ。
「つまらないものですが」
断ってから、大人が菓子折りを渡したりするそばで、言っては注意されていた。
「ううん、違うの。机が置いてあるだけ」
発してしまった子供がある。
小学生低学年。わたしだ。

夏の頃かと記憶する。
家庭訪問に先生が見えた。
ひと通りの話が終わり、家庭内をぐるっとご覧になる。
当時、2DKの団地が我が家の住まいであった。
2つしかない6畳の1つにわたしの机が置いてある。
常識的に判断されていたのであろう。
「あなたのお部屋?」
威張ってわたしは答えたのだ。
「ううん、違うの。机が置いてあるだけ」
同席していた母は驚愕。
(こりゃまずい)
中学・或いは高校生になって、同じをいわれたらどうしよう。
一軒家を、もはや購入するしかないでないか。
かくて、決意を固めたのである。

親にここまで親に決意させた子供の一言。
そのような能力があった(?)わたしは、或る意味、偉大である。

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