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一度心肺停止した、私からのご報告(その2)

【医療への感謝】

私の患った症状名は「急性心筋梗塞」。
(同時に受けることができた新型コロナのPCR検査結果は「陰性」でした)
一般的に心筋梗塞の痛みの強さは、狭心症とは比較にならないほど強烈で、
「胸をえぐられるような」、「焼け火箸を突っ込まれたような」などと言われていますが、
全く記憶がないので、その痛みを知らないのです。
(意識回復後は心臓マッサージの際に折れ曲がった胸骨のほうが痛くてたまりませんでした)

ドクターヘリが北播磨総合医療センターへ到着し、すぐさま緊急手術が行われたようです。
北播磨総合医療センターは大きな病院で、神戸大学が提案し、三木市立と小野市立の2つの市民病院が統合することでできた病院です。

ここからは、主治医の先生からの説明をもとにした事実報告ですが、
実施された手術は、「大動脈バルーンパンピング法」による「冠動脈ステント留置術」。
簡単に説明すると、心臓カテーテル治療で、心臓の大きな血管に「血栓」が詰まり、心臓の一部が機能しなくなったことに対して、
その血栓の部分を風船で広げ、網状のステンレス製の管を設置して血液を通していく、という手術です(おそらく)。

手術の際、カテーテルと呼ばれる細い管は、内股から挿管され、心臓まで届けられたようですが、
普段から血を見るもの苦手で、今まで手術の経験もない私にとっては、これらの手術を想像するだけで心身不安定になってしまいそうです。

ただ、今回命を救われた身として、恐々といろいろ調べていくと、
本当に現代医療の高度さ、凄さと、それを実施する医師、医療従事者の皆さんの努力に感服した次第です。

後から聞いて驚いたのは、
手術後、急激な変化による脳へのダメージを軽減させるために、低体温で管理されていたとのことで、
ICU(集中治療室)で一定期間管理された後、6月23日、主治医の先生が意識回復の確認を取った際には、
ガラス越しに集まったICUのスタッフの皆さんから歓声が上がったとのことでした。
(後日調べていると、心臓の手術は術後管理がとても重要である、とありました)

実家の岡山市から駆け付けた母が受けたインフォームド・コンセント(説明を受け納得したうえでの同意)での話では、
意識回復の確立は50パーセントだったらしく、
事故前日から意識回復までの4日間の記憶はないものの、それ以外の記憶や動作関連の支障は全くないことに、驚きと感謝でいっぱいなのです。

倒れた直後の妻と娘の努力と、現場の救急隊員の皆さんの判断から、ドクターヘリへの連携、
優秀な主治医の先生とスタッフの皆さん、最新技術、設備へと、まさに奇跡的な運の良さと皆様のお力で私は救われたのです。

一度死んだ(のかもしれない)私の視点は、明らかに変わりました。
命を救う医療への、感謝は忘れません。

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ただ面白いことに、視点は変わっても、性格は以前のまま。
やはり、馬鹿は死んでも直らない、とは本当のようです。
17年前のこれまた奇跡的に死ななかった交通事故ともども、皆さんに多大な心配をかけてしまう、この性格はなかなか変わらないようです。

大事な娘に再び会えたこと、関係者の皆々様に心から感謝申し上げます。


その3に続く

その1はこちら


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