ななゆき 9/8文フリ大阪 く26

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ななゆき 9/8文フリ大阪 く26

小説を書きます | GL/百合多め | noteでは創作活動の記録や、お話の設定話、日々感じている雑感などを発信しています | 七雪凛音 / Rinne Nanayuki Webpage: https://7snowrin.me/

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はじめましてのご挨拶

はじめまして。七雪 凛音(ななゆき りんね)と申します。 もう知り合っていた人も、今はじめて見たよ!という人も、きっと何かの縁です。せっかくなので、ここで改めて自己紹介したいと思います。 どんな人?西日本に住んでいる一般人です。 普段はお絵描きや物書きとはまったく関係ない会社員をしつつ、気の向くままに創作活動をしています。 性格は内向型気質の繊細さんで、人と積極的に関わったりするよりは、一人で穏やかに過ごせる静かな場所を好みます。 一方で、映画や好きなアーティストのライ

    • 「男性なのに」は褒め言葉ではない

      突然ですが、私の戸籍上の性別は男です。 性自認としてもほとんど男性なのですが、身体的ではなく社会的な性別に違和感を覚えるタイプで、そういう観点からは男性寄りの中性(無性にも近い)の意識を心の中に持っています。 ※参考:日本思春期学会「自分の性に違和感を覚えます」 ですが、容姿も声も完全に男性なので、自分からこの話をしない限りは100%男性として認識されます。 なぜこんな話を始めたかというと、今年初頭のイベントで、少しもやっとする出来事があったのです。 私のブースに来てく

      • 最近、自分の発言や行動に対する他の人の反応に感情が振り回されていることに気づいたので、しばらく各種SNSを見る時間を減らします……やるべきこと、やりたいことに気持ちを向けられるように

        • 文学フリマ大阪にむけて

          こんにちは。ななゆきです。 短い夏休みが終わりに近づき、しょぼくれています。 とはいえ、文学フリマ大阪が目前に迫っており、ゆったりしたりしょぼくれたりしつつも、新刊制作の作業をせっせと進めております。 今回はそんな文学フリマ大阪向けの、新刊の制作状況をお知らせします。 新刊の情報カクヨムに投稿した幼馴染GL小説「生まれる前から、私たちは」を全面的に加筆修正したものになります。 ストーリーの流れは変わりませんが、全体的により読みやすくなるように文章を修正しております。

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        はじめましてのご挨拶

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        • 気持ち
          7本
        • 「季節はめぐり」 #創作大賞2024
          13本
        • 読書記録
          1本
        • 文章を書くということ
          2本
        • 日記
          2本

        記事

          明日あたりにnoteを投稿します。文学フリマ大阪で出す予定の新刊のことや、文学イベント東北のこと、などなど

          明日あたりにnoteを投稿します。文学フリマ大阪で出す予定の新刊のことや、文学イベント東北のこと、などなど

          ひとつずつ、すこしずつ

          随想と宣伝です。 自分の作品が、もっといろんな人の目に触れるように! という思いで、あれこれとイベントに申し込んでいます。 そして、えっちらおっちらと、イベントのための準備を進めています。 文学フリマ大阪に向けて、本のデザインや組版、推敲をしたり。 委託販売に向けて、梱包、発送用品を選んで買ったり。 もちろん、そうやってイベントのために準備するのもとても楽しいのですが、ふと、「お話、書いてないな」という気持ちに気付きます。 そもそもは、何か書きたいお話があって、そのお

          ひとつずつ、すこしずつ

          あついなつ、ぺらっとふぇすてぃばる

          こんにちは。ななゆきです。 ただいま、ぺらふぇす2024が開催中です。 私は「ぺらっとを作る」側で初参加させていただきました。 今回は、このぺらっとができるまでのお話をしようと思います。 お話の構想私は短編や掌編を書くとき、頭に浮かんだ映像からシーンを描き、そこからお話を考えてつないでいくような書き方をします。 今回のお話の場合、とある場所に投稿した以下の短文から着想しました。 ここから、普段は会うことができない二人が、限られた時間を二人きりの世界で過ごす、というテ

          あついなつ、ぺらっとふぇすてぃばる

          7月 創作活動の振り返り

          こんにちは。ななゆきです。 あっ という間に7月が終わってしまいそうです。 なので、7月の創作活動を振り返りたいと思います。 第二回あたらよ文芸賞への応募6月30日まで募集されていた「あたらよ文芸賞」に応募しました。 私の中では一番大きかったイベントです。なぜなら、このような文学賞に投稿するのは人生ではじめての経験だったからです。 とはいえ、文芸賞だからといって何か特別なことをしたわけではありません。ただ、普段はあまり書かない空気感のお話で、かつ、いま自分が出せる全

          7月 創作活動の振り返り

          2024年 下半期にやりたいこと

          こんにちは。ななゆきです。 いつも作品を読んでくださったり、さまざまな投稿や感情に反応していただき、ありがとうございます。 下半期もすでに15%くらい経過してしまったのですが、せっかくなので下半期にやりたいことをまとめてみました。 ①イベントに参加する委託販売も含めて、文芸関係のイベント参加数を増やします。 理由は、単純に「自分の作ったお話を目にしてもらう機会をもっと増やしたい」という気持ちがあるからです。 年始の文学フリマ京都に参加した時、思ったよりも私の本を手に取

          2024年 下半期にやりたいこと

          【完】季節はめぐり - 第十三話

           第一話はこちら  私はおにぎりをひとつ食べ終えて、もうひとつ聞いておきたかったことを聞く。 「あとさ、あれは、本気、なんだよね」  あれ、が真衣の昨日の告白を指していると伝わったらしい。真衣は急に顔を赤くしてうつむき、髪の毛先を指でいじった。 「私がそんな嘘をつけるように見えますか?」 「見えない」 「ですよね」  耳まで赤くして、それでも顔を上げた真衣は私をまっすぐ見つめて懇願した。 「でも、答えはいらないです。というか、今はまだ答えないでください。わがままで

          【完】季節はめぐり - 第十三話

          季節はめぐり - 第十二話

           第一話はこちら  夢。  夜の遊園地。アトラクションの鮮やかなライトがあたりを明るく照らしている。私は誰か、たぶん私の好きな人に手を引かれて観覧車に乗り込んだ。高いところは苦手だけど、その人と一緒なら乗りたいと思えた。ゴンドラが高くあがり、遊園地と、その向こうにある街の夜景が見下ろせるようになり、その人は歓声をあげる。跳ねるように私の隣に移ってきて、綺麗だね、と言いながら微笑む。  この人は、誰だっけ。  顔がよく思い出せない。知っている人だったはずなのに、見覚えが無

          季節はめぐり - 第十一話

           第一話はこちら 「えっ?」 「慣れてるでしょ。何人も好きな人とやってるんだから。私の身体、好きにしていいし、というか、好き勝手してほしい」 「えっ、と、あの、先輩?」 「っていうか、そのつもりだったんでしょ。私が女と付き合うの知ってたくせに、最初から家に行きたいとか、二人で宅飲みとか。明奈と別れたこと知って、実は嬉しかったんじゃないの?」 「そんな、ことは」  秋本さんが目を逸らす。私を傷つけないように言葉を飲み込んでいる表情。つまり、内心嬉しかったわけだ。そりゃそうだ

          季節はめぐり - 第十一話

          季節はめぐり - 第十話

           第一話はこちら 「明奈とはずっと続くと思ってた」  涙と鼻水は落ち着いて、だけど気持ちは全く落ち着かないまま、私は秋本さんにもたれかかって言葉を続けた。 「ううん。心の奥底で、終わるってことはわかってた。だって人はいつか死ぬんだから。いつか独りになるから。出会ったからには別れがある。頭ではわかってたつもりだったけど、でも、こんなに早いのか、って。それを信じたくなくて、馬鹿だよね」  秋本さんは何も言わない。  私は大きく息を吸って、秋本さんの香りを肺いっぱいに吸い込

          季節はめぐり - 第九話

           第一話はこちら  それから私たちは黙ったまま、二階の廊下の端、角部屋まで戻ってくる。私は半分ほど減った缶チューハイをローテーブルに置いて、買ってきた柿ピーの袋を開けた。秋本さんはベッドに座り、新しい缶チューハイを開けて口をつける。 「何か他に聞くことないの?」  私から新しい話題を考える気が起きず、適当に投げかけてみる。 「聞いてもいいんですか?」 「だって聞きたいでしょ」  秋本さんは缶チューハイを一口飲んでから、私をじっと見つめた。 「どうして、別れたんです

          季節はめぐり - 第八話

           第一話はこちら  近くのコンビニで、私たちは適当な缶チューハイを五、六本、それとおつまみをいくつか買い足した。時刻は夜の八時過ぎ。静まり返りつつある住宅街を吹き抜ける風は少し冷たい。 「持とうか?」 「いえ、大丈夫ですよ」  秋本さんはなぜか上機嫌に、足取り軽くスキップしながら、私の一歩前を歩く。秋本さんが手を前後に振るたびに、コンビニ袋ががさごそと揺れた。缶チューハイが噴出さないといいけど。 「先輩、聞いてもいいですか?」  途中で楽しそうに振り返った秋本さんが

          季節はめぐり - 第七話

          第一話はこちら 「私、新歓ライブで先輩の演奏を見てあのサークルに入ったんですよ」  秋本さんはブドウサワーを片手に、うっとりとした様子で私の演奏を見ながら言った。 「そうなの? 知らなかった」 「何もやりたいこととか無くて。友達に誘われて、なんとなく見に行ったライブで、先輩の演奏を見て。ベースやりたい、って思ったのも、先輩の演奏のおかげですし」 「そこまで言われると照れる」 「だって本当のことですし」  私も大方満足して、秋本さんにベースを返す。弦と本体を布で拭く秋本