映画『エヴォリューション』

2015年のフランス、スペイン、ベルギーの映画。台詞はフランス語。

少年と女性しかいない人里離れた小さな島が舞台。何故か少年達に行われる奇妙な医療行為。
主人公の少年ニコラは何かがおかしいと思い秘密を探り始める事でストーリーが始まる。

色味の少ないシンプルで美しい映像にまず私は引き込まれた。デンマークの画家・ハマスホイの絵画のような物静かな色合いで画面が目が離せなくなった。
全体的に台詞が少なく、少年の視点で静かな日常を描くようにストーリーは進展していく。この静けさがとても魅力的でもある。
また、かなりホラー要素の強い内容であるが、騒ぎ立てることもなく、無駄にグロテスクな描写もない。淡々と静かに描かれているからこそ傍観者として見つめてしまう。

美しい世界観にじっくりと見たい映画。怪しげではあるが、ゆっくりと味わえる。決定的な何かがなくグレーな結末も想像力をくすぐられて悪くない。

映画『エヴォリューション』公式サイト