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映画『希望の灯り』

穏やかな日常を淡々と描くというドラマ

ドイツ映画。
郊外の巨大スーパーマーケットに無口で個性的な青年が勤める事になるシーンからストーリーは始まる。スーマーケットの同僚たちも明るく気さくだったり、癖のある人とだったり様々だが、それぞれが何かしらの問題を抱えその中で暮らしている。距離感を持ちつつも静かに関わっていく姿は何者でも受け入れる懐の深さを感じさせられる。

兎に角、この映画抑揚がなく、静かに淡々とストーリーが進んでいく。それでも何故か物悲しい空気感があり、登場人物達に寄り添って鑑賞できることろがとても癒される。ドラマチックな展開を求めると退屈かもしれないが、リアルな日常でそんなに大事件は簡単には起こらないと思えば、この映画は心地いいものに変わるだろう。

所々に登場人物達の素性が分かるような描写もあり、それが露骨ではなく、会話の端々に見え隠れして想像力が必要になる。静かな演出だからこそ、些細な表現に心理の動きが見える。スーパーマーケットという狭い社会での当たり前のような出来事だが、それぞれの人達には人生があり、全ての人達がその主役である。

この映画は気楽に観ても良し、真剣に向き合っても良しと懐の広い作りになっている。他人の悲しみやそれを受け入れる世界を感じることで癒される映画だと思う。

映画『希望の灯り』公式サイト

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