見出し画像

【編みlog】勝ち負けの世界から脱出したい、半円の編み方研究


【だべり】

確かにやりたいことならば、
何事も基礎を自分が納得するところまで固めておいたほうが
気持ちが良い。

私はそういう考えになりやすいタイプ。
効率とは無縁の世界の住民で、効率世界の難民として
いつも住民票をグチャグチャに汚してごまかしながらも、
偏った「なぜなに」に唆されて脇道の鳩を追いかけてはぐれる。

そう、気になるならば気が済むまで追求する。
ラーメンを食べるなら、
「麺は分かるが、ラーってなに」といったような疑問を
調べまくることが王道なのだ。
なんにもならないと知りながら。
(ラーは「引っ張る」「引き延ばす」の意。
 生地を引っ張って延ばして麺を成形させる製法からつけられている)

遅すぎるペースがちょうど良い。
正しくは、遅い速いというよりも、
自分がひとつの秩序に、自分なりの融合の形に到達するまで、
自分の仕組みで定められた理解のペースがある。
秩序の理解に向かって進むペースは、
一定でもなく、平均のスピードもなく、測定も評価も本当はできないのだ。

それを尊重したい。というか、尊重せざるをえない。
できるのはせいぜい、その事実から目を逸らすかどうかである。
目を逸らしてそこそこ良い感じにごまかすことは、器用とも呼ばれている。

どうもがいても要領や見栄の女神に見放されている民ならば、
はぐれて、遅れて、知らない街に迷い込んだ先の、
道ばたの草花を愛でてそこから新たな異界を
見いだすルートに入れるかもしれない。
そこで得することはないかもしれないが。

真面目な理屈で換言すると、
学習には拙速を取れない段階が存在する。
種子が苗に変えるために土を掘るわけにはいかないし、
卵を育てるのに鶏のお腹を裂くわけにはいかない。
苗の段階で、引っ張ったりして背を高くしようするものならば、
反って命を枯らしてしまう。

成長には兵法を応用できない領域があるということです(私見)。
イソップと孟子の寓話(教育と育成の領域)を、
孫子の兵法(戦争とビジネス)の処方は併用しては危険だ。
私は自分にそういうことをしない(別のタイプは別の考え方です)。

そんなことを考えながら、
何度も何度も自分に合う半円の編み方を研究する。

いろいろ半円の編み方を調べてみたけれど、
どうも不規則な形ほど、
確立された黄金メソッドがないようだ。

編み手の数ほどにある。めちゃくちゃある。

うーん、でもどれを試してみても、「これだ!」がなくて、
こういうときは自分でやってみるしかない。

編んではほどいて、仮説とひらめきを作っては覆す。
PDCAを回している。
実行のDって、作業なわけだから、その間脳は暇している。

私が編み物をする限り逃れられない、
心の暗い波濤が猛々しく襲いかかる悪天候が発生する条件が揃ってしまう。

気を紛らわすために、
勝ち負けについて脳が止めどなく考えはじめる。

Win-Winなんてない。勝った負けた浮世は慌ただしい
バトって圧倒的Win-Loseを見せつけて勝ち誇っていたい。
あれ、どうして、これではない、と苦々しく砂を噛むような心持ち。
煉獄の泥沼浴より、とろみが染み渡るおいしいカレーのほうがいいよね。

私はカレーをおいしく食べられる人になりたい。
対戦ゲームは大変人気だけれど、やらない選択はいつでもできる。

さて半円、半円。

5種類の編み方と、それらをブレンドしたり
アレンジしたりする派生の編み方合計10弱くらいやってみた。

今たどり着いた2種類のやり方は決して完璧ではない。
ただ中長編みで8段編んでも、アイロンなしで、ゆがみやうねりがほぼ無く、初心者の自分のやり方としてしばらく頼っていきたいやり方である。

駄弁りが長くなりました。ご紹介しますね。


半円の編み方その1(試行中、我流α版)


【編み方】

はじめは鎖で作り目して、その後往復編みしていくやり方です。

【完成イメージ】


作り目1、立ち上がり2、中長編みで8段を編んだ半円

(最後の二段は増し目の位置が並んでしまったためカクカクが気になるかもしれません。そこはずらせば5段までのように比較的になめらかなカーブになります)


ぐるりと細編みで一周した場合の、直線部分のごまかしゆがみ補正イメージ

【グッドポイント】


このやり方のよかったところは

計算式や目数に頼りすぎることなく、
フィーリングで全体の形状を整えやすいところです。

また、各周カーブが比較的に丸くでき、
底辺のゆがみ(出っ張り)が少ないところもよかったです。


【 気になるポイント】


このやり方でやる場合、
前段の立ち上がりを次段の最後に戻って拾うので
その際に作った編み目は距離をまたぐので、糸が引っ張られてできた穴が、半円の底辺の直線にできてしまいます。

細編みなどで埋めると多少ごまかせますが、
やや不規則な穴の並び方で、縁取りづらいところがあります。


【手順覚え書き】

  1.  鎖3で作り目します                       ※一番の目の鎖は半円の中心の輪とします。残り二つは        次段中長編み用立ち上がりです。段始まりの立ち上がりは、       中長編みとしてカウントします)

  2.  一番の目の裏山に中長編みをします

  3.  一番の目の裏山以外の二本にそれぞれマーカーをしておきます

  4.  一番の目の裏山に、続けて中長編みを5つします         (ここまでで、一段目の中長編みを合計6つ編み入れています)

  5. マーカーを入れた2本に、それぞれ中長編みをします         (ここまでで、一段目の中長編みを合計8つ編み入れています)

  6. 二段目、編み地をひっくり返して鎖2で立ち上がります        ※鎖1つ目の裏山にマーカーをしておきます

  7. 最初の目に中長編み、次の目から中長編みの増し目(V)をします

  8. 中長編みの増し目(V)を4回したら、最後の目に中長編みを1回、前の段の立ち上がりの最初の鎖の裏山に中長編みを1回

  9. 以降、毎段の最初は鎖2で立ち上がり、最初のセットの増し目と、5セット目の増し目を飛ばし、真ん中のセットは普通に増し目をします                    ※最後のセットは、半円の底辺の真っ直ぐさを見て目数を調整します      ※最後のセットの最後の1目は、前段の立ち上がりの最初の鎖の裏山に   入れます                              ※増し目の位置を、前段の増し目と隣接させないように、ところどころずらすと、カクカクが緩和されます(例:4段目がX・V・Xセットの場合、5段目をX×1・V・X×2でVの位置をずらす)

半円の編み方その2(試行改善中):

【編み方】

はじめは輪の作り目をして半円型に引き締めて、その後毎段の始まりと終わりをVに揃えて、往復編みをしていくやり方です。

【完成イメージ】


6で輪の作り目、中長編みで9段編んだ半円


ぐるりと細編みで一周した場合の、直線部分のごまかしゆがみ補正イメージ
(真ん中の深めのへこみは中長編みを入れています)


【グッドポイント】


このやり方のよかったところは、
ほとんど円と同じように編めて、目数計算が楽なところです。

Vを最初と最後に合わせておくだけで、
円と同じように編めて、
イレギュラーな目数の増やし方管理の煩わしさから逃れられます。

また、縁を取る際の底辺の直線の穴は比較的に規則的で拾いやすいため
最終仕上げが良い感じにできやすいです。

【 気になるポイント】

底辺真ん中のへこみがやや大きいところと、
Vで始まりと終わりを揃えたことによる、
両端のにょーんって広がるゆがみの目立ちが気になるポイントです。

まだ、今回の試作では6目の輪で始まって6目ずつ増える形だったので、
全段の始まりと終わりがVで揃ってしまうと、各段の増し目位置が全部揃ってしまい、カクカクが全面的に出てしまっています。

ここは、輪の作り目の数と、毎段のVのずらしをもう少し工夫すれば緩和されると思います。

……ただその場合始まりと終わりのVもずらしたほうが良さそうなので、
Vで揃えちゃって円と同じ、という利便性がだいぶ減ってしまう気がします。

【手順覚え書き】

  1. 輪の作り目。中長編み6目入れて半円型にぎゅっと引き締めます

  2. 編み地をひっくり返し、鎖2で立ち上がり(ひと目とカウントする)最初の目に中長編み1を編み入れる                       ※鎖の立ち上がりの1目めの根っこと最初の目を同時にさして向こうから糸絡めて一緒に引っ張り出してから中長編みの3目一度をやると、疑似Vの結束が固くなります(伝わるのかな……)

  3. 2段目の続き、すべての目に増し目をしていきます

  4. 以降、毎段鎖2で立ち上がって往復編み。円と同じ毎段6目増します。毎段Vが最初に来るようにして、最後がVで終わるように編んでいきます


【並べてみると】


編み方その1(紫、8段) 編み方その2(緑、9段)


縁取り後のイメージ(縁の取り方雑すぎ……)

終わりに:スタッフがおいしくいただきました

というわけで、
半円の編み方について引き続き調べつつ試行錯誤中の途上です。

試作品たちは無理矢理くっつけてポーチにしておきました。

もしも
「半円をお作りになるならこちらのメソッドがよろしくてよ」
「とても麗しく完璧な
パーフェクト・セミサークルの編み方がありますの!! ご存じなくて?」

という心がお優しいレディがいらしたら
ぜひお教えくださいませ。それではごきげんようございますわ。

この記事が参加している募集

つくってみた

お読みくださりありがとうございました☘️🌈 初めての方、あなたに出会えて嬉しく思います。フォロワーの方、いつも見守ってくださってありがとうございます。 共感できるところや、心の琴線に触れるところがありましたら、ぜひ応援の気持ちを届けてください。心が温まります❤️🌟