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寒くなると

秋色は日々深まる。

昼は短く、夜の時間は長い。

朝は暖かいコーヒーを
晩はそんなに好きでもないおでんを欲する。

日々アラームとの闘いには苦戦を強いられるが、
出かける前、アウターの下に重ねるシャツやニットを選ぶ時間は心地良い。

そうか、
今年も冬が来たんだ。

人は、毎年この時期になると

やけに冷え込むからか
冷たくも美しい雪を連想するからか
それとも、冬を代表するラブソングの歌詞やラブストーリーの登場人物に自分を重ねるからか

人肌が恋しくなるらしい。

寒くなると

人はいつもよりロマンチシズムになる。
心躍る恋の始まりを予感したり、
愛する人の存在を強く望んだり、
恋人の幸せを願ったつもりが、実はそれが自分の幸せであったり、
歌や映画、聖夜の雰囲気に乗せて
皆それぞれのストーリーや背景を追う。

感傷的にもなる。
理想と現実のギャップに心が沈んだり、
喜劇より悲劇に感情移入しやすくなったり、
最愛の人との関係、過去の恋愛や自分にやるせなさを覚えたり、
いつもよりすこしだけセンチになる。

皆誰しも思い当たる節が少しはあるんじゃないかな。

ちなみに友人はよくなっている。

冬のマジックにかかって

ロマンチシズムセンチメンタルモードに。笑

飲みに行くと、
自身の恋の話や恋愛観や過去の経験をいつもより饒舌に語ってくれる。

これが面白いのだ。

決して冷やかしてなどいない。

特に悩みとか相談事のときは、真剣そのもの。

聞いていて共感するし、勉強になることもある。
ドキドキするし、なんだか熱い気持ちにもなる。

そういう話をすると彼の知らない一面が垣間見える。

また、素直な気持ちを赤裸々に話す姿が良い。

なんだかんだで
いくつになっても恋バナは楽しい。

ああじゃないか、こうじゃないかと
経験なんだか妄想なんだかをぶつけ合う。

酒を飲んで酔いが回ったからか、
それとも
冬のムードに呑まれた自分に酔っているからか、

聞いていて恥ずかしくなるようなセリフを涼しい顔で口にしてしまう互いを笑う。

そして最後はこっそりと
やつの恋の成就を願ってやる。

クリスマスも待ち遠しいが、友人のようなロマンチストが多く登場するのも冬の醍醐味の1つ。

俺はそんな冬が好き。

ここで終わっても良いんだけど

お前はどうなんだって問われそう。

人肌が恋しいとかは正直ないけど
確かに最近、遠くに住む彼女のことはよく考える。
でもそんなの冬に限った話じゃない。
自分でもその辺鈍い気はする。

俺も冬のマジックにかかっているのか。
そこはよくわからん。

いやでも

こんな題材で文章を書いて

人の恋の話で喜んで

今年もやっぱり山下達郎が聴きたくなっている時点で

とっくにセンチか。
わたくしもしっかりと呑まれております。

気が向いたら自分のおセンチな話も書こうかな。





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