デスゲームな皿洗いの現場 #仕事の思い出
私はレストランの洗い場で皿洗いを結構やっているのだが、思い出に残るどころか、怖すぎて伝説になりそうな現場があったので、今回はその話をする。
1.人間も丸ごと洗われてしまう!滝行な洗い場
週末は1000人泊まるような大型のファミリー向けホテルの洗い場で見た光景。私はこの時、ラッキーなことにバイキングの配膳、バッシングの仕事をしていたため、洗い場はやらなかったのだが、洗い場の横を通った時に、衝撃的な光景を見た。
いまだに、夢幻のような気がする。
そのエリアでは、食器だけでなく、バイキングの料理を入れているバットや、ばんじゅうも大量に洗っていた。
学生アルバイトが洗い場の一角で2人で洗っているんだけど、大騒ぎしているので様子を見たら、なんと2人とも、足から頭まで、全部お湯浸し!
人間まで洗われちゃってるの!?
なんでーーー!?
うおおー!と叫びながら、次々と大物の洗浄をしていた。
私は通りがかりのため、どんな仕組みになっているのかわからなかったけど、湯気の中で、びしょ濡れで叫ぶ男子学生達を見て、「サウナ!?滝行!?どうなっちゃってるの?毎日、あんな仕事してるの?何が起きてるの!?」と内心パニックになった。
翌日は、その洗い場は閑散としていたので、全身ずぶ濡れの労働者は一度しか見なかったけど、あんな現場は479社で働いて1度しかお目にかかったことはない。
あの光景は、夢?幻?現実?いまだに疑問に思っているのだが、まあ、あんなシュールな光景、私の頭では作り出さないかっ!ということで、現実!
2.一歩間違えば血まみれ!?『Saw』みたいなデスゲームな洗い場
有名な避暑地のおしゃれなレストランの洗い場の話。
この洗い場では、ビールのジョッキやガラスコップなどを頭上の棚に立てかけたトレーラックに入れることになっていた。
「ずいぶん不安定だな。落ちないように留め具とかに引っ掛けているのかな?」と、心配しながら、高いところにある頭上のラックにジョッキをセットしていった。
この洗い場では、お皿類はシンクに水を張り、洗剤を入れて、そこにつけておいてから洗うのだが、スープやソースの着いた皿が入っていくので、水はどんどん濁ってくる。
洗い物をしていると、ベテランのアルバイトが来て
「気をつけてね!たまに、ガラスの割れたのが入ってて、手を切るから!」というのである。
他のアルバイトの人も、酷いと6針縫ったことがあるとのこと。
「労災」になるのか聞いたら、皆、「いえ、自費治療よ」と言う。ひええええ!!!
ってか、労災隠しだよ!ダメだよ、それ!ひいい!!!
ゴム手袋の支給もないし、持ち物にも書いていなかったので、私は恐る恐る、濁って中が見えないお湯の中に素手を入れて、皿を洗う。
昔見たホラー映画『Saw』のシリーズの、確実にズタズタにされて血まみれになるボックスに手を入れなくてはいけない恐怖のシーンを思い出した。
まさか、リゾートバイトでデスゲームをやらされるとは思わなかった。絶対に手を切らないように、慎重に慎重に、皿洗いをした。
仕事開始から1時間ほど経過した時、とうとう事件は起こった。
頭上から、あの不安定なトレーラックが落ちてきた。
ビールジョッキがたくさんセットされた、トレーラックだ!
私の肩に何かが当たっと思った次の瞬間、ガシャーンと大きな音がして、床にガラスの破片が散乱した。
(心の声「留め具なかったのかよーーー!」)
トレーラックは、ただただ立てかけていただけだったようだ。
お店の人が慌てて飛んできて、ガラスの掃除をしてくれた。怪我はなかったか心配してくれたが、怒られはしなかった。
次からは、トレーラックは下の方の棚に立てかけることになった。
最初から、安定したところに置こうよ。
一歩間違えば、重いガラスのジョッキで、私の頭がかち割れて、ガラスが刺さって血まみれになるところであった。
人気のおしゃれレストランの裏方で、まさかの「九死に一生」体験。
479社で働いて、血まみれスプラッタと隣り合わせのデスゲームな洗い場環境だったのは、この1社だけである。
不運な人を助けるための活動をしています。フィールドワークで現地を訪ね、取材して記事にします。クオリティの高い記事を提供出来るように心がけています。