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485社で働いた私の便利な多重人格スイッチ ②『助けて!レジの人』召喚!

あらゆる業種、職種で働くと、思いがけない時に助かることがある。



静岡で、一泊一人旅をした時のこと。

浜松餃子も食べたいし、おでんも食べたいということで、
まずは駅近の小料理屋で、日本酒の熱燗と「おでん3種盛り」を、ちょこっと食べることにした。

静岡の地酒も、お通しもおでんも、どれも美味しくて満足だった。

お酒とおでん3種盛り、あと、お通代で1800円くらいと思いレジに向かったら、なんと「3800円です」と言われた。レシートを見たら、おでんが「3人前」になっている。

混んでる時間でもないし、60代手前のベテランみたいな女性店員だ。高校生アルバイトならまだしも、こんなベテランのような貫禄の者が間違えるわけなかろう。


「私1人で、おでん3人前食べるわけないって。席の皿も1個でしょ。これ"3種盛り"の間違いじゃないですか?」と聞いたら、女性店員は「でも、もうレジは打ってしまったら直せません」という。


そう言えば折れると思っているのか、酔っ払いだから騙せると思っているのか?
ウィスキーのロックでも、そんなに酔わない私なので、熱燗一本では意識は冴え冴えしている。


こちとら(その頃は)300社で働いてるもんだ。

酒飲みと労働者のプライドが相まって、絶対に引かないぞスイッチが入った。


「私、レジやった事あります。このレジはTERAOKAですよね?なら、ダイヤル回してレジマイナスすればいいので、わからないなら教えましょうか?」と、ずいずいと前に出た。
(あの懐かしい、鍵刺したダイヤルでレジマイナスする機種。今はデジタルが多いけど、個人店にはこの形式のが、まだ多い)


すると慌てた店員は
「あ!わかりました!訂正の仕方、思い出しましたっ!少々お待ちくださいね」と言って、凄いスピードで打ち間違いを訂正した。


・・・1分くらいで決着がついた。
(だろ。レジは訂正可能なんだよ)




こうして私は、ぼったくりの被害に遭わないで済んだ。


「ありがとう、私の中のレジの人!(あと飲兵衛の人)」


こんな感じで、昔から、多重人格を便利に使って暮らしているのである。

しかし、レジをやってた昔の自分に、こんなシチェーションで助けられるとは思わなかった。意外な活用法だけど、もうこんなケースには遭遇したくないなあ。


せっかく美味しいおでんだったのに、嫌な思い出になってしまって悲しかった。
noteのネタになったのが、多少の救いである。




次は「フォークリフト運転手の人」のおかげで助かるお話だよ。

不運な人を助けるための活動をしています。フィールドワークで現地を訪ね、取材して記事にします。クオリティの高い記事を提供出来るように心がけています。