信頼はなぜ裏切られるのか
今年読んだ本の中で良かったなと思うのが、「信頼はなぜ裏切られるのか」です。2015年発売なのでやや古いのですが、最近読み終えて、面白かったですね。いろいろ腑に落ちました。
タイトル通り、信頼や裏切りについて、様々な実験結果をもとに解明し、論じている内容です。
別に誰かに裏切られてこの本に手を出したわけではありません。単純に興味です。ヒトにとって信頼とはどういうものなのかという興味。
それに、人がどういう状況で裏切りを発動させるのかが分かれば、それを避ければ人を裏切らずにすみますしね。絶対に裏切らないと思っていても、状況が人を変えてしまうことはたくさんありますから。
信頼や裏切りには様々な状況がありますが、おおまかには以下の筋道が立てられています。
信頼にはリスクが伴う→なぜリスクを背負って信頼するのか→一人では生きていけないから信頼する→一人で生きていけるなら信頼しないのか→YES
といった肝が盛り込まれています。極端かもしれませんが、こんな感じ。
結局は裏切りが利になるのかどうか。短期的・長期的、短絡的な判断も込みでどう判断する(してしまう)か。
さきの筋道から、権力者や大金持ちが人を信頼しない理由が説明されています。それは「一人でも生きていける実感があるから」という説。一人で生きていけるなら信頼のリスクを背負う必要がなくなりますからね。
逆の見方をすると、弱者になると人を信頼しやすくなるということです。一人で生きていけないという実感がより信頼を重視し、他人を信頼しやすくなるというのです。
これらは権力者は嘘がうまくなり(罪悪感と信頼リスクが低い)、弱者は嘘が下手になる(罪悪感と信頼リスクが高く、動揺を生む)ということにも繋がります。
自分に当てはめると確かにそうかもと思います。
障害の程度が低いときよりも、ひどくなった今のほうが、誠実性は高まっていると思います。あっ、これは自分は誠実だ!と言うわけではないですよ。あくまで昔の自分と比較してですので。
他にもさまざまなシチュエーションと実験でヒトの信頼について書かれていて、また読み返したい1冊になりました。
また、人を裏切るよりも自分を裏切ることは少なくないといった話も面白かったですね。確かに、人との約束は守るのに、自分で決めたことはすぐに無しにしてしまうことがありますもんね。三日坊主という言葉はライトだけど、自分への裏切りといえなくもないですから。
年末年始、新年の抱負や目標を立てる人が多いでしょうが、それを自分への約束とみた場合、その約束は守られるでしょうか。
思い切って人との約束にしてしまった方が良いのでしょうね。
☆PEACE☆
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