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◆母の旅支度②

この前の話:https://note.com/777tsu888/n/n857ea376aaeb

翌日の朝、父と蓋地で大病院へ向かった。
弟は早朝勤務のため出勤していたが急遽病院へ向かうことができるとLINEがあった。
病院入り口で弟と合流して入館手続き。
コロナの影響で入館が厳しく、基本的に面会禁止となっていた。
守衛に先生から病状の説明をいただく旨伝えて入館手続き完了

母の入院している病棟へ移動して看護師へきた旨を伝えた。
先生が説明に来るまで待機してほしいということで、談話室?説明室のような場所へ案内された。

案内されて1時間経過…医師が来ない…
焦燥感とイライラが募る。
(当時は「呼び出しておいてなんだこの扱いは!!とイライラしていたが、
命の時間と正面から向き合っている仕事をしているのだから生きている俺らのほうが優先度は低いよねと腹落ちさせた)

1時間半が過ぎたころ、看護師から医師が別件対応中でまだ来られないと言われた。

私もいい大人なので「そうですか」と言いまた待つ。
横に座る父はパイプ椅子はケツが痛いと立ち上がってノビをしていた。

結局、自分で作った不安感、焦燥感にいじめられた地獄のような時間がおわった。
待ち時間2時間に迫るところ医師が到着。

部屋に医師、助手医師、母の担当看護師(入院のお世話を主に担当する方?)
弟、父、私
底辺三畳くらいの四角柱の部屋にこれだけ大人がいると狭いよね。

医師からの説明が開始された。
まずは家族のみ(母本人以外)に説明するという。

説明内容は以下だった。
・肝臓にとても大きな横綱級の腫瘍がある
  (なんで病院は大きさを表すとき相撲なんだろう。ご年配者にも伝わりやすいからかな。。。)
・現状、原因が不明で治療が開始できない
・原因究明し、治療方針をきめるため腫瘍の細胞を採取、
 その後、病理結果を得てからでないと治療はできない
  (このときの衝撃は今でも思い出せる、結果が出るまで今の状態を延長させるしかないらしい。命の砂が落ちるのを水で湿らすことしかできないんだね。)
・腫瘍が大きいため極細の針を使った細胞採取でさえ命のリスクがある。
・針を刺した時点で大量出血して最後もある
・最短で手術は明日の午後15時以降で枠を抑えているという。
・これだけ大きいと外科的処置も厳しい、また本人の体力もない
・全身麻酔が最後のダメ押しとなる可能性もある
・癌だったら全身へ転移している
・また、体全体に炎症をきたしている状態
・血液検査の結果は正常値を探すほうが困難な状態
・いつ最後になるか予断を許さない状態。
・血圧が異常に低いから昇圧剤の投与を開始する
・痛み止めの鎮静剤も投与する

大病院の消化器科医師4人で話し合った結果だという。

その時私は
え!?4人集まって治療方針や病名の目星が出ないの?
危険な状態なら早くその状態を脱するための処置をしてよ!
と思っていた。

医師からセカンドオピニオンもありだと提案。
しかしながら、早く動き出した方が良いとのこと

ただ、セカンドオピニオンは父が断った。

医師はそうですかと

弟→私→父の順で母の今後の対応について家族の意向を聞いていった。
ヒアリング項目は二つ。
①生命維持活動、延命措置はどうするか?
 >心臓マッサージ、人工呼吸器をつけて延命処置をするか?
 >心臓マッサージは肋骨が必ず折れるらしい。
 >人工呼吸器も管を喉奥に入れるからかなり痛いとのこと
②今後の治療方針はどうするか?
 >生検するか?
 >何もしないか?

①に着いては三人とも横に首をふった
加えて父が口を開いた「痛い思いをさせたくない」と

②については弟と父は積極的な見解を示し、生検実施の希望を伝えたが、
私は本人の意思を尊重してほしいと言った。
理由はまだ母が決められるのであれば、母自身の気持ちを優先すべきと思ったからだ。
また、自分で情報の整理ができておらず、治療をしないで残りの時間を過ごすか生検のリスクを侵して活路を見出すか両方を天秤にすらかけられなかったから。。。

医師から
以前、同じような症状の患者さんがいらっしゃったが
その方は治療も何もせず、自然に最後を迎えたという…

上記踏まえて家族で考えてほしいと。。。。

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