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言葉の花火をながめて。

ふとした瞬間
突然、ぼんやりとしてしまうことがある。

だいたいそれは
いろんな事を思い出したり考えたりしている時で
そんな時に話しかけられると
意識はどこか別のところに行ってしまっているため
適当な相づちや返事を返してしまう。

記憶たちが次々と『コトバ』になり
まるで、花火のようにパッと
暗闇の脳内へ広がっては消えていく。

私はいつも
パッと広がっては消えていく
コトバの花火となった記憶たちを
綺麗だなぁと思いながら眺めていた。

しかし先日

もしかしてこれは、勿体ない事をしているんじゃ…

と、そんな風に感じた。

noteに残せばまた読み返せるのに

そう思った。

私はその日から、花火が消えてしまう前に
気に入った表現やコトバを
手帳へメモしていくことにした。

この事を母に話してみたら

「あんたは子どもの頃からそうやって
時空の狭間を漂いに、意識だけが出かけていたね。」

思いもよらず、詩的な表現で返事が返ってきた。

そんな美しいコトバ、
浮かんだことがなかったので
ほんの少し悔しくなってしまった。

悔しがっているのを隠すため
ジュースをズズっと一口飲んだ。

「たまには違う本を読みなさいよ」

母にそう言われ
ジュースを啜りながら

「そうねぇ…」

と返事をした。

新作花火打ち上げのため
語彙力拡大の旅にでも出ようか

(訳:久しぶりに図書館へ行こうかしら)

そんな事を思った日曜日だった。

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