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甘くて、やさしい、それがカボチャ。

めっきりと秋めいてきた。

日中はまだほのかに夏の香りがするけれど、朝晩はすっかり秋だ。
タオルケットだけで眠るのが段々と心細くなってきた。

*…*…*

趣味で畑をしている伯父。
祖父が元気だった頃は2人でせっせと野菜を作っていた。

祖父が亡くなったあの日から伯父はずっと畑に没頭していた。
きっと落ち着かなかったのだと思う。

そんな伯父が「カボチャが採れた」と言って届けに来てくれた。
手の平サイズの小さなカボチャが、ころっと2つ。

「今年は上手くできなかった。」
「こんなの、食えるかわからねぇ。」

と、やけにしょぼくれながら話す。

作った人がそんな風なので、カボチャ自身もカボチャとしての役目を果たせるか不安そうにしょぼくれている(ような気がした。)

どれどれと切ってみたら、小さいなりにちゃんとカボチャだった。

「美味しそうだよ」

と、伯父とカボチャに声をかける。

安心したような伯父と、心なしか誇らしげな雰囲気のカボチャ。

カボチャには煮付けとして食卓を彩っていただくようお願いした。

*…*…*

夏の終わりを感じさせるさっぱりとした優しい甘さ。
そんなカボチャの煮付けに心とお腹が満たされた昨晩の話し。

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