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【旅日記】関西・人形劇旅行③〜クマの手カフェ編〜

こんにちは。おおかみの人です。

今回のトップ画像は、クマの手✌とさくら先生🌸




今回の記事は、こちらの記事を読んでから読んで頂いた方がより楽しめる…かもしれない。


地下鉄谷町線に乗り、谷町九丁目駅で降りて、改札を抜けて7番出口まで歩く。
階段を上って左に進むと、【クマの手カフェ】がある。

クマの手カフェ外観。

【クマの手カフェ】と書かれた屋根の下には、穴の空いた白っぽい色の壁がどどんと立っている。

手前にメニュー看板があり、そこで注文を決めたら、左側の【穴】に向かって注文し、お代を支払う。

しばらく待っていると、呼び鈴がチリンチリン、と2回鳴る。クマさんが出てくる合図だ。

真ん中の、少し歪な形の穴にはカーテンがかかっている。そのカーテン越しに、にゅっ!
カフェオレを持ったクマの手が現れた。
クマさんは恥ずかしがり屋なので、手だけが伸びてきて商品を渡してくれるのである。

カフェオレを受け取ると、クマさんは手でいろんなジェスチャーなどをしてコミュニケーションを取ってくれた。

手をにぎにぎしたり、バイバイと手を振ったり、グッド👍したり、指ハートを作ったり。
腕全体を使って、大きなハートを書いてくれたりした。
クマさんがピース✌してくれたときに撮ったのが、今回のトップ画像である。

つかの間のクマさんとの交流会が終わり、名残惜しそうにカーテンの向こうに腕を引っ込めるクマさん。このクマさんとのやり取りが楽しくてかわいくて、写真や動画を撮っている人たちがたくさんいた。
クマの手カフェはニュースで話題になったほか、TikTokなどでもバズったらしく、可愛いものが好きそうな女性のお客さんや、海外からの観光客も多かった。

カフェオレとクッキーなどのお菓子をクマさんから受け取って、受け取り口の右側の入り口からイートインスペースに入った。

カフェオレと、クッキー、マドレーヌを注文。

こぢんまりしたスペースの中には、クマさん関連のグッズが所狭しと置かれている他、店内の【クマさんポスト】に届いたお客さんからの激励の言葉などが展示されていた。

くまグッズのスペース。


ここで今一度、【クマの手カフェ】がどんなカフェなのかおさらいしておこう。

大阪上本町にあるこの【クマの手カフェ】は、生きづらさを抱えた人たち…たとえばわたしのように、精神疾患を抱えた人や、過去にトラウマ的な経験をしたり、傷つきを経験したりした人たちが、安心して働けることを目指して作られたカフェである。

そういった人たちにとって、接客業で働くのはとても難しい。
人と直接対面し接客することはたいへんな負荷を伴うし、それがときにストレスになってしまうこともあるからだ。
わたしも接客業に何度か就いたことがあるが、人と直接対面してコミュニケーションを取るのが非常にしんどく、あっという間に疲弊してしまって、結局短い期間でどの職場も辞めてしまった。

そんな生きづらさを抱えた人たちはどうやったら働けるのだろう…ということを考えて、生きづらさを抱える人たちをサポートする立場の人たちが立ち上がって作られたのが、このクマの手カフェである。

クマの手カフェでは、注文・支払いの際に特に店員と顔を合わせなくてもよい。そして実際に商品を提供するのも【クマの手】という、いわば【非対面・接触型】のカフェを実現している。

クマに扮して働く方の立場としては、お客様と直接対面しなくていいというメリットがある他、自分なりのコミュニケーションを使ってお客様に喜んでいただけたり、そもそもお客様に来ていただけることが大きな喜びとなって、安心と働く喜びを両立しながら働けるのが大きなメリットである。トラブルや悩みがあっても大丈夫なように、サポート体制も万全だ。

【クマの手カフェ】は、生きづらさを抱える人たちが働ける場所のロールモデルとなり、様々なメディアで取り上げられ話題となった。
わたしは以前、ローカルニュースを紹介するNHKのニュース番組で偶然このカフェを目にし、大阪に行くことがあれば必ず1度訪れようと決めていたのだった。


話を戻そう。

壁にかけられたお客様からのメッセージを読んでいると、働く側だけでなく、お客さんの中にも同様に、悲しみや傷や生きづらさを抱えている人が多いことに気が付かされる。
わたしもそんなひとりとして、クマの手カフェには勇気づけられた。カフェオレとマドレーヌを頂きながら、わたしだったら、どんなことができるだろう…と、ぼんやりと考えた。


わたしには、夢がある。

わたしの投稿を読んでくださっている方は知っているかもしれないが、わたしはP新人賞という人形劇の賞レースに出るのが1番の夢だ。
でも実は、もうひとつ夢がある。


それは、【移動式人形劇カフェ】を作ること。


それはどんなものになるだろう。

移動式の舞台を持っていき、そこで人形劇をする。
舞台をひっくり返すと、カフェに早変わり!
ケコミ(人形劇の舞台)の下からコーヒーやお菓子が出てくる。
お菓子の受け渡しくらいだったら、人形がやっても喜ばれるかもしれない。

皆さんは、東京は新宿にある老舗のプロ人形劇団、プークをご存知だろうか?
数多くのテレビ人形劇に携わっており、ご存じの方も多いと思う。製作部門のスタジオ・ノーヴァは、おかあさんといっしょ、いないいないばあっ、ざわざわ森のがんこちゃんなどを手掛けている。

プークの入り口には【コーヒープンクト】というカフェがあり、コーヒーを楽しむことができる。地下にある人形劇場で人形劇を楽しんだら、感想を語らいながらコーヒーを飲んで一休みしていくこともできるようになっている。

実際に新宿に赴いたときにプーク人形劇場にも立ち寄ったが、これこれ、わたしがやりたいのはこういうのだよ!!と思った。
人形劇を観て、観た人がコーヒーを飲みながら語らい合う。
なんて素敵なひとときだろう!!


P新人賞は、がんばって作品を作れば、門戸は誰にでも開かれている、という点で、ちょっとだけ自分にも現実味のある夢だ。
でも、移動式人形劇カフェは、まだまだずっと遠い先の、夢のまた夢、現実からは遠い夢だ。

でも、実現したらきっと、色んな人の笑顔が見られることだろう。
自分の作った人形劇の専用の劇場があって、そこで定期的に人形劇の公演を打って、人が集まるようになれば、きっと面白いことが起こるに違いない。

夢はどんどん膨らんでいく。


思うに、やっぱり【クマの手カフェ】と人形劇は似ている。

クマの手カフェは、生きづらさを抱えた人たちがやっているカフェだ。
人形劇はどうだろうか?

人形劇はそもそも、黒衣を被って、顔が見えない状態で演技することが多い。そのためか、人形劇人にはシャイな人や、表立って何かをするのが苦手な人が多いように思う。
代表的なのが、数々のテレビ人形劇でご活躍されている山田はるかさんだ。
以前【プロフェッショナル】に取り上げられていた彼女は、自分の顔が映ることを苦手としていて、それだからこそ人形たちを輝かせるのが上手なのである。そして何より、彼女も生きづらさを抱えて生きてきた当事者であった。

なので、クマの手カフェでやっていることも、人形劇でやっていることも、根底は通じているのかもしれない。
だから、生きづらさを抱えて、表に出ていくことが苦手なわたしでも、もしかしたら人形劇でできることがなにかあるのかもしれない…


…と、朧気ながらそう思った。


壮大な夢を語ったところで、今回はおしまい。
ここまで読んで頂きありがとうございます。

次回は…明日はいよいよ、なにわ人形芝居フェスティバル!!
お祭りの模様を何回かに分けて投稿する予定です。

次回もお楽しみに。それでは。

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