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DX企画書のネタ帳をはじめた人|「IoT・DXの鍛え方 伝道師」ってだれ、なに?|

「IoT・DXの鍛え方 伝道師」と名付けた近森満は、
だれなのか、なにしてるのか、を自己紹介します。

※このnoteに出てくるキーワードは以下の通りです。

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令和に入り人材不足ではなく、教育不足に陥いる。

今、教育というキーワードに注目が集まっています。
つまりソフトスキル=形のない技能と呼んでいます。

教育を受けることと、そのことに評価があります。
テスト結果や認定試験など様々ですが、
その過程に資格があるかどうかがわかります。

教育と資格は車の両輪のような存在です。

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私はサートプロと言う会社で代表をしております。
社名は「サーティフィケーション・プロフェッショナル(Certification Proffsional)」に由来し、IT技術者のための資格認定・検定試験の運営と、人材育成・教育支援を行っています。

詳しくは会社のホームページもごらんください。


時代は組込みソフトウェア、自動車や家電で急成長

設立は2006年で、組込みソフトウェア技術者向けの認定試験制度「ETEC(Embedded Technology Engineer Certification;組込み技術者試験制度)」の開発と運営からはじまりました。
 組込みソフトウェアは文字通り、産業製品のなかに組み込まれたソフトウェアで、この組込みソフトウェアと呼ばれるものの1つとして、坂村健博士が開発したTRONというOS(オペレーティング・システム)が使われ、最盛期は世界の70%にまで普及したと言われています。

このOSは急速に普及したため、技術者が不足し、従来の「ITSS(Information Technology Skill Standard ;ITスキル標準)」では組込み技術者のスキルが判断ができないため、後にETSS(組込みスキル標準)が制定され、組込みシステム技術協会(JASA)によりETECを開発、私はこのETEC立ち上げを任されたという経緯です。



スマートフォンが世界を席巻、Android

その後、急速に世界に普及したアンドロイドOSが2010年ごろ登場、技術者不足解消のために「ACE(Authorized Certification of Engineer for Android;アンドロイド技術者認定試験制度)」の構築と開発、運営を開始し全世界に向け、英語、日本語、中国を用意し10,000名以上の受験者がいます。


電気・電子系が注目のエレクトロニクス産業

翌2011年には「E検定(電気・電子系技術検定試験)」を担当しました。
もともとデンソー社内の技術者育成制度であった電気・電子系技術者向けの「E検定」という、技術レベルを確かめて認定する検定があります。主催団体は、電気・電子系技術者育成協議会で、理事長は元デンソー専務で技術のトップを務められた加藤光治氏です。この協議会は2014年に設立されました。
 デンソーはご承知の通り、自動車の電装部品の大手ですが、自動車の進化とともに部品も専門化が進み、全体を見渡せる人材が減ってきたという課題がありました。そこで、自動車にかかわる基本的な電気・電子知識や技術を身につけるために、社内で試験制度が始まったのです。
 その後、デンソーグループだけで実施するのはもったいないということになり、誰もが受けられる認定試験に発展させ、当社がその運営を引き受けることになりました。内容はかなり高度で、点数によって自分のスキルを「見える化」することが目的です。そのため合否というものはなく点数制を採用しています。2011年からデンソーほか7社で実施、2017年10月までに2、198人が受験しています。


アジャイルが世界のソフトウェア開発の主流になる

さらにはアジャイル開発手法によるソフト開発技術者のための「アジャイル検定(アジャイルソフトウェア開発技術者検定試験)」をリリースしました。 
「アジャイル」という言葉をIT分野のみならず聞く機会が増えつつあり、2014年12月に、システム開発に年々適用が増えるアジャイル開発の技術者の育成を目的に、アジャイルソフトウェア開発技術者検定試験コンソーシアムが設立されました。
 アジャイルとは開発対象を小さな機能に分割して、機能を追加、改善しながらシステムを育てていく手法で、1回リリースして終わりではなく、更新を繰り返します。
 近年、アジャイルの開発手法が普及してきているのですが、“流派”があり、人(会社)によって捉え方がまちまちなのです。そこで、流派にとらわれないスキルセットをつくるために、小規模から大規模開発のさまざま企業にコンソーシアムへ参加してもらい、侃々諤々議論しながら3年かけて「アジャイル検定」にまとめました。
現在、レベル1を実施しており、受験者は1,000人ほどです。その上級となるレベル2は開発中、秋口にはリリースできる予定です。これまで、コンソーシアムメンバーなどパートナー企業中心で限定的に受験を実施してきましたが、2018年7月から世界的規模の試験配信ベンダーであるプロメトリック社によって日本全国150会場で実施予定です。2019年春からレベル2試験が開始、近い将来は英語試験を提供する予定です。


DX時代に必要なIoTは技術の総合格闘技

昨年からは、話題のIoT・AI・ビッグデータ等に関する能力とコーディネータを認定する「IoT検定」の開発・運営も行っています。この検定はIoT検定制度委員会という団体実施しており、中島洋委員長を筆頭に元Google副社長村上憲郎氏など、業界の有識者に集まって頂きアドバイスを頂いています。


ビッグデータ時代の必須スキルのXML

このほか、2001年に発足したXMLスキルの認定資格「XMLマスター(XML技術者認定制度)」の運営も当社で行っています。XMLは今後のビッグデータ活用に大いに利用される技術であり、また中小企業DEIに採用され、検定も長い運営になりますがまだまだニーズがあります。


スキルの可視化が個人のタグ付けとなる。

認定、検定、試験、資格って?

認定とは「仕組み」であり、検定は試験による「測定」です。
つまり、検定でスキルを判断し、資格によって認定します。

個人にとって
資格は能力を示すことができ、
仕事や就職にも有利になり、
自身の実力を判断してさらに
スキルを向上させるきっかけになります。

企業にとって
社員のスキルを検定し、
認定することで自社の技術レベルを把握し、
取引先に証明することができます。

資格試験・認定制度が実施されるまでの流れ

通常は当該技術にかかわる社団法人や財団法人、あるいはその業界の有識者が発案します。たとえば、「組込みソフトウェアの人材が不足しているので、もっと増やしたい」とか、「従来の基準や履歴書ではスキルのレベルがわからないので、判断基準をつくりたい」というニーズからはじまる傾向があります。
 最初にやることは、その技術のスキルセットづくりです。どの程度の能力があれば何ができるのか、を定義することです。これが最も重要なプロセスであるため、関係者が時間をかけて、話し合い、技術者のデータなどを収集しながら、レベルをいくつに分けるか、あるいは分野ごとに分けるかなど、体系(モデル)をつくりあげていきます。そして、これをもとに認定試験の問題を作成します。

認定制度の主催は、社団法人や財団法人があれば、そこが行いますが、なければ業界の主要な企業や有識者で協議会などの任意団体を結成します。
制度、スキルセット、試験問題、主催団体ができてもスタートできません。カギとなるのは、認定制度の存在をアピールし、試験の応募者を集めるプロモーションです。その仕事を担うのが当社の大きな役割でもあります。


パソコンの登場で教育市場が大きく変わった。

「DXの鍛え方 伝道師」ってだれ?

当社の設立背景をご説明するにあたり、私、近森満の経歴をお話しします。

最初の会社

私は、学校卒業後、沖電気工業の関連会社に就職し、有線・無線通信機器、制御装置等を担当していました。その当時は、オフコンなど大型コンピュータの時代で、パーソナルコンピュータが出はじめてきた頃です。文字どおりパソコンが1人1台になることで大きな変化が訪れると確信、会社を辞め、IT系の教育会社に転職しました。

2番目の会社

その時代はマイクロソフトウィンドウズOSの登場で、急速にパソコンが普及し、同時にインターネットも浸透しはじめたことで、ネットワークエンジニアの育成が必要になっていました。マイクロソフト社がMCP(マイクロソフト認定プロフェッショナル)の認定資格の普及を推進しはじめた時期で、転職先で、私はその普及教育に携わることになりました。

3番目の会社

その後、世界的規模の検定試験配信ベンダーが2社あり、そのうちの1社、NCSピアソンVUEに、2000年、ナショナル・コンピュータ・システムズ・ジャパン(NSCJ)の初代日本支社長としてヘッドハントされ、2年半社長を務め、全国を回り提携先を開拓しまくりました。

4番目の会社

2002年にアメリカのOMG(オブジェクトマネジメントグループ)というオブジェクト指向技術の標準化を進める国際的な非営利団体が、UML2.0(オブジェクト指向の分析・設計のために統一されたモデリング言語)の標準化を進めることになり、NCSJを辞め、OMGなどの出資によって設立されたUML教育研究所の代表取締役に就き、英語圏以外の地域として、アジアパシフィックを担当しました。
 UML教育研究所では、UML2.0に準拠した「OCUP(略称オーカップ)(UML技術者資格試験プログラム)」を立ちあげ、世界のUML技術者の認定に寄与しました。

5番目の会社

その後、サーバーなど大型コンピュータのOSとして普及したリナックス(Linux)、その組込みシステム用リナックスにかかわるようになりました。同じリナックスでもサーバー用は大手コンピュータメーカーが中心で、組込みリナックスはカーナビや携帯電話などライセンス単価の低いビジネスモデルのため、市場や販売方法がまったく異なります。企業ドメインもまったく異なります。

6番目の会社

そこで、冒頭で述べたように組込みソフト技術者向けの認定試験制度「ETEC」を普及するために、サートプロを設立して運営するようになったという経緯です。

資格試験・認定制度の価値

これまで資格試験・認定制度にかかわってきて思うことは、企業にとって資格認定の活用には2つの側面があるということです。
 1つは検定によって社内の技術者のスキルを判断し、さらにスキルアップするとともに、顧客へのアピールや技術力の証明に使うことです。もう1つは顧客の要求で仕方なく、検定を受けるケースです。その資格をもつ人材を一定数確保しないと、入札や仕事の請負ができないという状況があるからです。なるべくならば、私は技術者のスキル向上という前向きな使い方をしてもらいたいと願っています。

ソフトウェア開発業界にとっては顧客であるユーザー企業の声を無視することはできないので、検定制度の検討にあたっては積極的にユーザーに入ってもらい、さまざま立場から意見を聞くようにしています。
たとえば、タブレットやモバイル端末のOSの事例で見ると、世界ではアンドロイドが8割で、アップルのiOSは2割と、アンドロイドが主流になっています。そのため、メーカーとしてはアンドロイドのアプリケーション開発技術者が不可欠になっており、人材の確保やスキルの向上が急務になっています。
そこで、あるメーカーでは、冒頭で紹介した「ACE」を使って社内技術者の水準を確認したいということになり、ついては、この検定が最新のアンドロイド技術に追随しているかと問い合わせがありました。
 アンドロイドの技術のように変化しつづけているソフトウェアには極力、素早く対応しなければなりません。またコアな技術や、変化の少ない体系化された技術も、生の意見を反映して、時代に対応できるように努めています。

IoT検定を例に取り説明

要素技術の多いIoT、検定は共通言語の役割

IoT検定を主催するIoT検定制度委員会は2015年11月に準備委員会が発足し、2016年3月に正式にスタートしました。委員長は一般財団法人 沖縄ITイノベーション戦略センター 理事長で、国際大学(グローコム)客員教授の中島洋氏です。また、グーグル本社の元副社長で日本法人の代表を務めたことのある村上憲郎氏にアドバイザリーボード・チェアマンを引き受けていただきました。
 IoTにかかわる要素技術は多く、しかもそれぞれの分野で発展しているので、今後、こうした要素技術をインテグレーションできる能力をもった人材を大量に育てなければなりません。
 ところが、最初、どのような検定にするべきか有識者・関係者に集まっていただき話し合ったとき、クラウドやネットワーク、データ分析などのITサイドとセンサーや制御装置などデバイスを使ってデータを集める組込みサイドで話が噛み合わなかったのです。
 その理由は、これまでが、いわば村社会だったため、見る方向の違い、概念も言葉の定義も微妙に違っていたからでした。そこで、IoT領域の「共通言語」的なものをつくる必要がありました。
IoT検定のスキルセットはまさにこの共通言語なのです。IoTは要素技術が幅広いのですが、システムの提供側と利用側が共通言語で話し合えれば、ユーザー側はシステムの価値を正しく判断できます。特にIoTのシステム開発では、ITベンダー任せでは通用せず、ユーザーが主体的に導入推進者になる必要があります。

これまでの多くの検定のスキルセットは、技術に通じたスペシャリストのためのものでしたが、IoT検定は幅広い知識をもったプロフェッショナル向けの検定です。陸上競技でいえば、十種競技のようなもので、総合力が試されます。
 そのため、IoT検定では現在も重要で、10年後も重要であろうと考えられる8分野から70題が出題されます。その分野は次の通りです。
「戦略とマネジメント」「産業システムと標準化」「法律」「ネットワーク」「IoTデバイス」「IoTプラットフォーム」「データ分析」「セキュリティ」。
 現在はレベル1のみ提供中しており、その上級となるレベル2を開発中で、最終的にレベル3まで用意する計画で進めています。
 レベル1試験の受験者数は2年間で約1、500人で半数が合格しています。合格ラインは正答率60%以上の正解です。
 受験者の属性は開発技術者が最も多いですが、ユーザー企業の社員も3割含まれ、IT系の検定では珍しい現象です。本検定の狙い通り、IoTにかかわる各分野のプロフェッショナルの方がたが受けられています。
 受験者のアンケートによると、受験の動機は「自分のスキルの証明」が最も多いのですが、きっかけでは「上司や友人の勧め」が多く、所属企業の意向で受験する傾向が強いようです。
 所属企業は当初、コンサルティング会社や広告代理店のIT部門の方がたが多いのも特徴的でした。調査してみると、受験者の顧客がIoT分野でシステム構築を検討しているという取引先のニーズが背景にあることがわかりました。
 開始早々で受験者が多岐にわたるとはいえ、受験者層の特徴としてはアーリーアダプターの方がたが中心で、まだ大手企業といえどもそこにかかわっている人材はごく一部といえます。IoTはこれから普及期に入る段階に向かうと推測しています。そのため、IoT検定は今後受験者が本格的に増えると考えています。

冒頭に申し上げましたが、教育と資格は車の両輪のような関係です。


教育の充実こそ人材不足解消のカギ

技術の進歩とともに新たな検定試験制度が次つぎと生まれてきています。仮に技術が枯れても、制度は、いったん始めたらよほどの理由がない限り中止してはいけないと考えています。

そう考えるのは、エンジニアにとって、資格とは勲章のようなもので、人生の一部だと思うからです。それが主催団体や運営会社の都合でなくなってはいけないはずです。
 そのため、業界で検定を廃止するなら当社が代わりに引き受けると宣言し、実際にいくつか引き受けています。どこまで頑張れるかはわかりませんが、こうした思いで検定試験制度にかかわりつづけたいと思います。
 XMLマスターやE検定も別の運営会社から全面移管されて運営を引き受けました。いま、交渉中の資格もあります。とはいえ、当社は表に出ず、運営のコストダウンや応募者数の増加を図って、資格の価値をずっと残しつづけることが役割だと考えています。
 働き方改革が叫ばれるなかで、自分の価値を高めたり、スペシャリストやプロフェッショナルとして本業や副業で活躍したりするうえで、資格は自分の能力を証明する重要なツールになります。

いま、IT技術者が大幅に不足しているといわれていますが、私は「人材不足」ではないと思っています。むしろ「教育不足」だと考えています。企業には資格というツールを利用して、社員にもっと教育投資をしてほしいとお願いしたいのです。教育を充実することで、日本の人材不足を解決できると確信しているからなのです。

IoTと一括りにしていますが、IoTにはいろいろな要素が加わり、世界的な潮流となった今、プロダクト&プロセス・イノベーションを起こすため、デジタル・トランスフォーメーション(DX)によって、企業も人も社会も変わろうとしています。IoTはIT業界のためのものではなく、製造、流通、エネルギー、金融、軍事、教育、農業、医学、すべての産業、すべての分野で研究や実装が進んでいます。

ここのnoteを開設した当初はIoTの鍛え方伝道師として、登録していましたが、DXの潮流がある中で、テクノロジーのみならず、マネジメント要素も多いデジタル・トランスフォーメーションについてお話をしていきたいと思いIoTの鍛え方改めDXの鍛え方伝道師と改名しました。

スマート社会、まさに賢くなることが求められ、自らを鍛える方法を伝授していきたいと思っています。

近森満(ちかもり みつる)
株式会社サートプロ 代表取締役CEO
IoT検定制度委員会 事務局長
一般社団法人IT職業能力支援機構 理事長
電気・電子系技術者育成協議会 副理事長

PS:DX企画書のネタ帳、始めました。
   毎日放送していますのでぜひご視聴ください!


ではまた。

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