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息子は決まって、牛乳をあたためてから飲む。

息子は決まって、牛乳を電子レンジであたためてから飲む。

はじめは、息子が冷たい牛乳でお腹を冷やさないようにとわたしがやっていたのだけれど、いつしか自分で電子レンジを操作したがるようになり、それがそのまま習慣のようになってしまったようだ。

夏の暑い日でも、息子は牛乳をあたためてからでないと飲まない。わたしが冷蔵庫から出したままの牛乳を飲もうとすると「あたためようか?」と聞いてくれる。


息子は、あったかい牛乳が好きなんだね。

「うん。あったかい牛乳飲むとね、こころがあったかくなるの」

はい?天使なの?
何その、かわいすぎる答え。最高なんだけど。

こどもが時折発する、この手の「やさしい言葉」って何なのだろう。
どこで覚えるのか。何をどうしてそう思うのか。こちらの「ウケ」を狙っているわけでもないだろうに。こころにぐっとくる言葉をさらりと言う。

うん、さらりと言える、ということがすごいんだよな。
相手がどんな反応をするかなんて関係ない。自分が思ったことを、思うままに口にする。だから、彼らは名言を次々に生み出すことができるのだ。

邪な気持ちがほんとないよね。かっこいい。あー、好き。

永遠にこんなこと言ってるメルヘン野郎になってほしいなんて思わないけれど、今日のこの「やさしい気持ち」の息子が、大きくなった息子のなかでも消えずにいるといいな、なんて。なんて。


「おかあさん、冷たい牛乳飲むから、こころも冷たいかな?」

そんなことを言ったら、やさしい息子はこう答えてくれた。

「うん。そうだね」

あひょーん!!!!
わたしの邪な気持ちは、息子のやさしさにぶん殴られた。

もうほんと、余計なこと言うのやめよ。

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