見出し画像

明日は、選挙に行く

明日は、都知事選に投票しに行く。

別に支持政党も、応援している候補者もいない。
何なら普段まったく「政治」のことなんて何ひとつ考えていない。

わたしの清き一票ごときで、世界がひっくり返るなんて思わない。
近年の投票率の低さを考えれば、選挙なんてもはや「少数派の多数決」でしかないオワコンだと思っている。

わたしが選挙に行く理由は、ただひとつ。

わたしは、選挙に行く、という行為が好きなのだ。

投票用紙を持って、普段なら入れない学校に侵入し(合法)、
ちゃんとした大人たちに見守られながら、一票を投じる。

この一連の流れが楽しい。
日頃はふわふわと生きているわたしだけれど、
このときばかりは「この国で大人やってるぞ!」ということを強く感じる。

まあ、要するに、ただの定期イベントが好きなだけのひと。
学校の運動会とか文化祭とかで張り切るタイプ。

真面目に政治について考えているひとたちには不謹慎に思えるだろうけれど、
「選挙に行っても何も変わらない」と考えているひとたちは、
むしろ、これくらいのカジュアルさで行っていいのじゃないかと思う。


とにかく「選挙に行くことが好き」なので、
もちろん投票日に予定があったときは、期日前投票に行く。

これはこれで、「いつもとは違う会場」に行く楽しみがある。
意外にたくさん投票しに来てるなあなんて、わくわくする。


息子の出産のため里帰りする予定だったとき、帰省中に選挙があった。

わたしは当然、選挙に行く気満々で、「不在者投票手続き」をした。

それなりに面倒だった。
手続きの方法を調べて、役所に郵送で書類請求をした。
だけど、その経験もまた面白かったし、地元で投票できることも楽しみだった。

ところが、どっこい。

投票日の前々日、切迫早産で入院することになった。

選挙、行けへんなあ、とつぶやいたら、「当たり前や!」と母に叱られた。

やりようはあったのかも知れない。
あれこれ考えたし、急いで投票できる方法を調べようかとも思ったけれど、
帰省中で、入院、というダブルの「不在者」っぷりに心が折れてしまった。

人生で何度もあることではない「不在者投票」に心躍っていたのに。
結局、投開票日はひとりベッドの上で悶々としていた。


どんなきっかけでそのチャンスを逃すことがあるかわからない。
だけど、そういうことがないとは言い切れない。

だから、わたしは選挙に行く。

明日も絶対、都知事選に行く。
雨が降らないといいなあ、と思う。
雨が降っても、行くけれど。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?