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【夏休み】宿題に取り組む第一歩。終わりを大切なイメージすることの大切さ。

私はかつて不登校のお子さんとその親御さんのカウンセリングを行っていました。

もうすぐ子どもたちは夏休みですね。不登校のお子さんは、夏休みになるとストレスが減る傾向にあります。
しかし夏休みの宿題はしっかり課されることが多く、この時期は親御さんから夏休みの宿題をしてほしいけど、なかなかやってくれない。どう声をかけたら素直に取り組んでくれるのか?という相談がたくさん寄せられました。

ということで今日はお子さんの宿題へのモチベーションについて、考えていきたいと思います。
ちなみに、今回のお話は、夏休みの宿題だけではなく、人のモチベーションについてです。広く多く世代の方々に読んでいただけます。

ヒントは普段の宿題との違い

夏休みのはじめ、たくさんの量の宿題を見た親御さんは、

親:「あら~。こんなに宿題あるん?ほんなら自分で計画してちょっとずつ進めや!」

それから1週間日後。全く宿題をしているわが子の様子を窺い、

親:「ドリルはやったん?」「漢字練習もあるんちゃうかった?」
と矢継ぎ早に質問して進捗を確かめます。

子:「まだ全然時間あるやん、8月になったらやるわ!」と子どもは余裕の様子。

親:「去年もそんなん言うて、間際で泣きながらやってたやん!今年はもう助けへたらへんで!!」焦りだす親御さん。

よくある会話ですね。私も小学校どころか、高校生まで親とそんなやり取りをしていました。(笑)

ここで少し考えていただきたいのが、普段の毎日の課題や宿題のモチベーション。それと夏休みの宿題をこなすモチベーション。これは全く違うということです。

普段の宿題は、期限が「今日中」。夏休みの宿題は期限は「夏休みが終わるまで」と長ーい期間をかけいいというのを子どもは理解しています。

想像がつくと思いますが、人間はだいたい楽な方に考えるので、「まだ時間があるから大丈夫」と思って、なかなか宿題が進まない。

ではどうしたら、長い期間をかけて行う課題のモチベーションを与えることができるのか。

キーワードは、「遠い未来は抽象的なイメージから」

人間は遠い未来のことを抽象的なイメージで考えます。

どういうことかと言うと、1か月半先の夏休み終了の日の状態にするのに、すぐに具体的なタスクに落として考えられないのが、人間の脳の作りのようです。

(逆に今日やらなくてはいけない宿題は、「まず苦手な計算をして、そのあとまだましな国語をやろう。」と頭の中ですぐに道順が出てきます。
はじめる前に、終わった後のイメージをすることなく、すぐにタスクに取り組めてしまうのです。)

人間は、遠い未来にゴールがあるとき、ゴールにいる自分の状態を強くイメージできないと行動になかなか移せないのです。

夏休みの宿題であるノートに漢字を書く・ドリルをするという行動は、遠い未来の抽象的な目標が出てきてから、行動に移せます。

お子さんが夏の終わりに全く焦ることなく余裕でスッキリ宿題を終わらせた状態を強くイメージしてもらうこと。

これが夏休みの宿題の第一歩となります。

例えば、大人がダイエットするときも同じ

この心理の他の例を考えてみます。

長い期間をかけて行うダイエット。始める前は半年後の10キロ痩せた状態を強くイメージすると思います。痩せてキラキラしている自分をまずは想像してみますよね。

1年以上も長い大学入試の勉強。これから始めるとき憧れの大学でキャンパスライフを満喫している姿を想像してから、受験勉強を始めますよね。

逆に、近くにゴールがある家事。これは、終わらせてスッキリした状態を強く思い描いて家事を始める人はあまりいないと思います。

この心理を夏休みの宿題に応用してあげると、一番ベストな夏の終わりの状態を序盤でイメージさせてあげるということが有効と考えられます。

ということは、7月中の声掛けがとっても大事なのではないかと思います。

大規模プロジェクトを控えている時も

仕事で大きなプロジェクトが控えているのに、
「なかなか自分のモチベーションが保てない。」とか、
「部下のモチベーションが足りない気がする」
と悩んでいる方がいるかもしれません。

そのような時も、この心理の原則からいくと、

まずはゴールの一番いい状態、プロジェクトを完遂させて、みんなが楽しく幸せになっている状態をしっかりイメージできているか、これを確かめてみてはいかがでしょうか。

何か参考になることがあればうれしいです。


関西もそろそろ梅雨明け。本格的な夏が始まります!

暑いので、どうぞご自愛ください。

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