はじめましょう!冬の準備
冬が近づいてきた。
一日の中で朝起きたときには、そう思っていたのだけれど、最近では朝だけではなく、日暮れや夜にでも寒いなぁ、と思うことがある。
夜中にトイレに立つのがイヤになってきた。
また今年も布団の中で無駄な抵抗がはじまる季節となった。
冬というものは寒いのが当然であり、冬に暖かいとなるとそれはそれで困る人もいるだろう。
冷暖房や空調設備の発達によって、われわれは季節をそう感じなくなってきた。
整体的な観点からすると人は季節や気候の変動によって自分の身体を変化させると観る。
そして、その季節の変化やリズムに応じない身体はこわれていくし、こわれた身体だと考える。
季節のリズムに応じた身体をしていると大きな病気などしないものだ。
季節のリズムにのれない身体は季節ごとに異常を現す。
顕著な例が春に起こる花粉症だ。春が近づくと花粉症を患う人が増えてくる。年々ますます増えていて、もはや国民病ともいわれるくらいだ。
花粉症も季節にのれない身体が引き起こした現象だ。花粉症を発症すると、くしゃみが出る、鼻水が出る、目がかゆくなる、などなど。いろいろな症状が現れる。そして、くしゃみをしたり、鼻をかんだり、目をこすったりしている内に症状が消える。
花粉の時期が過ぎたからその症状が治まったのだ、と考えるのが普通かもしれないが、そうではない。
その人がくしゃみをしたり、鼻をかんだり、目をこすったりしている内に身体が調整され、季節のリズムにのることができるのだ。
その適応が終わった身体は花粉症として身体を調整するひつようがなくなり、結果として花粉症は治まるのだ。
今は季節がら花粉症の話ではなく、冬の身体の話をしないといけない。
冬になると冬の身体へと移行していく。今これからまさに移行していく時期だ。だからこそ身体の調子をくずす人が増えてくるのも当然のことといえる。
冬になると人間の身体は冬の寒さから身を護るために身体全体が閉じてくる。身体を閉じることによって冬の寒さから身を護ろうとするのだ。
しかし、前述したようにエアコンや空調設備の進化で比較的季節を感じないようになってきている。これでは身体は冬に向けての準備ができないし、準備が遅れがちになる。冷え性の人が増えたことにはこのようなことが一因でもあると考える。
これからの季節は身体を閉じていくように導くことが正解だ。季節のリズムに身体のリズムが呼応することで、人ははじめて四季というものを感じることができるのだ。
さて、このような背景があってはじめて整体の意味が出てくる。ようやく骨盤を閉めていい季節になったのだ。この時期に骨盤を閉めることで身体を閉じていく方向性に導くことができる。この時期にしっかりと身体を閉じていないと春になって、開いていく身体とはならない。冬の寒い間に身体はめいっぱい閉じて行かなければならない。
身体の自然を回復することは季節と共存することにもつながる。
季節を感じ、四季を楽しみ、自然と共に生きること。
身体の呼応を抜きにして、得ることのできない感覚なのです。
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