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一流のオーディエンスを目指して~ミューザ川崎ホリデーアフタヌーンコンサート 奥井紫麻ピアノリサイタル-ロシアンピアニズムー

WG中もまた、ミューザ川崎シンフォニーホールへ。世界の一流ミュージシャンに好評の、音の響きの良いホールです。
ホリデーアフタヌーンコンサートシリーズは、主催は神奈川芸術協会で、半年に5回のコンサートがあり、私は2022年の前期の分は5回分のセットチケットを買っています。ミューザ友の会割引、セットチケット割引、しかも舞台後方席の為、一回あたりのチケット代金はホントにお安いんです。気軽に一流の演奏が聴けますので、お気に入りです。知らないミュージシャンでも実力に間違いなしだったり、最近注目されている若手や、一度聴きたいと気になっていたミュージシャンを招いていたりして、私があちこち探し回るより効率よく素敵なコンサートに出会えるのです。
今回は、弱冠17歳の奥井紫麻さんのリサイタルです。
ロシアに留学、世界の有名コンサートホールによばれ、ベルリンフィルを初めとした著名ホールに若くしてデビュー。今、大活躍の期待の人です。
紫麻さんは今回は、ショパン、ドビュッシー、スクリャーピン、ラフマニノフというプログラムで聴衆を魅了しました。


超絶技巧に若いのに成熟した風味の表現力。振り幅の大きい表情豊かな器の大きい、そして繊細さもあわせ持つ、、、って、天才でした。

すらりとした容姿で、腕が長いし、手が大きいのはピアニストには有利ですね。私の席からだと、顔は見えませんが演奏中、左手がよく見えます。とんでもなく難しいことをやっているのが見えました。



ショパンの24の前奏曲を全曲聴いたのは初めてでした。誰でも知っている薬のCMに使われているものもあるし、聞き慣れたお気に入りのCDに納められた曲(演奏はホロビッツ)もあるけど、知らない曲が多かったです。しかし、優しい繊細な曲、強く激しい曲、甘くロマンチックな曲、哀愁漂う曲、明るく軽やかな曲など、それぞれの特徴を余すことなく存分に表現してくれました。甘いところはとことん甘く、厳しいところは遠慮なしに厳しく。これ、良い意味で日本離れしてるってことかなって思いました。世界に通用する、表現力です。もちろん、それを形にできる、確実な技術なしではなし得ないでしょうが、そこは私は全くわからないから、凄いらしいとだけ、書きます。

ドビュッシーの、映像第1集はまた、素敵に美しく特に「水の反映」は、私好みのロマンチック。水、という身近だけどつかみどころのない、色々な顔を持つ複雑な存在を、どうして17歳が理解してここまでピアノに歌わせることができるのか、もはや、謎な感じですね。
スクリャーピン、ラフマニノフは、私には難解で、感想を書くのを控えます。まだ17歳の少女がそれを弾ききっているって、とにかく驚きでした。とにかくまあ、良い意味で日本人離れしているんです。世界は狭くなりました。日本人だろうが、なんだろが、良い演奏を求められ、それに応えていく若い人達が出てきていることを感じます。時代の流れ、変化ですね。良いことと、思います。
奥井さんは、普段は活動の拠点をロシアに置いているそうです。言葉や文化の違いだけでなく、昨今はコロナ禍、戦争の影響まであってさぞかし音楽に集中しにくいと心配になります。このまま、才能を更に伸ばして輝いて欲しい人でした。

誰もが通る通路に、たくさん色紙が飾られています。大好きなコバケンさんを発見しました。
また、本当はロビーではドリンクなどが提供されていて快適な、お洒落なコーナーなんです。今は閉まっていて、とても残念です。


大好きなミュシャです。

こんな素敵なホールに、素敵なピアニスト、素敵なコンサートでしたが、残念なことも、、。
どなたか、咳をする方がいましたね。飴の袋のカシャカシャ音もあったし、補聴器のハウリングは2回あり、ずいぶん長かったです。演奏する方も聴く方も集中できません。どうにかならないものでしょうか。クラシックのコンサートホールは、小さな音が響くように設計されています。自分で思うよりずっと大きく響いているんですよね。

しかしまた、定期的にミューザ川崎に行きます。楽しませて戴きます。

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