芸術は人の心を映す鏡である ~ "Stand alone" 制作後記

noteでははじめまして。NAOSHI*と申します。
やっとこさ投稿した歌詞解説の第一弾です。

通常、このnoteで書き散らす歌詞解説記事はわけあって最低ロットの有料記事にする予定なのですが、今回は全体公開としました
(歌詞自体さしたる分量もないし)

今回の対象曲は、サブ垢で投稿したこの曲です。

2016年の作品なんで、もう6年以上前のモノになりますね
すっげー今更感。

なんだか物々しい記事タイトルですが、最後まで見て頂ければ幸いです

歌詞と邦訳

Recently we do not care
(最近みんな気にも留めないんだ)
the answer is certainly there.
(答えなんてすぐそこにあるのにさ)
We would be missing the chance of life.
(人生の好機をみすみす逃してるかもしれないなんてな)
So baby do not forget
(だから忘れないで)
no action made the regrets,
(行動しないと後悔するよ)
You will notice the power as you try.
(その内自分の力に気付くはずだから)
Stand alone!!
(さあ立ち上がるんだ)
Stand alone,
cuz you're ready to try
(君はもう前に踏み出せるよ)
Stand alone,
cuz you're born to fly
(君は羽ばたく為に生まれてきたのだから)
Stand alone,
there's no time to cry
(ベソかいてる暇なんてないよ)
Believe your might!
(自分の力を信じて)
Stand alone,
cuz you're ready to try
(君はもう前に踏み出せるよ)
Stand alone,
cuz you're born to fly
(君は羽ばたく為に生まれてきたのだから)
Stand alone,
there's no time to cry
(ベソかいてる暇なんてないよ)
Be free, you'll never get behind!!
(自分を解き放ってみて、遅すぎるなんてことはないから)

Stand alone / Lyric by NAOSHI*

スラングらしいスラングとか特に入れてないのですが、
cuz => because (~だから)の部分は、受験英語やTOEICだと出て来ないので耳慣れない人はいるかも。


人の心を映す①


意味自体は前述の邦訳の通りなんですけど、
皆さんはこの曲を聴いてどういう印象を受けたでしょうか。
「普通に勇壮でブレイブリーな曲」という受け取り方をしたでしょうか?
いや、それで正常なんですけど。

実はこの曲は、
作った私としては「一人で生きろ」という周囲からの強迫観念を表現した曲だったんです。
それをTranceのビルドアップに重ね合わせて、「Stand alone」というフレーズをひたすら繰り返すことによって、強迫観念がよりせり上がってくような演出をしていました。
まごう事なきネガティブ感情100%で制作していましたね。

当時私は大学院生だったのですが、メンタルが弱り切っていたので、
「いい年して」「大人なんだから」「これから社会人になるんだから」そういった周囲の声が怖くて仕方がなかったのです。
この曲はまさに、そんな制作当時の私の心情・心象風景を色濃く反映していたと言えます。

そういう前情報をいれてみるとどうでしょうか。
「人生の好機をみすみす逃してるかもしれない」とか、
「行動しないと後悔する」とか、
「ベソかいてんじゃねえよ」とか、
マジで鬱陶しく聴こえないですか???
そう聴くことが出来たなら、当時の私の気持ちが伝わったということなんで、これほど嬉しいことはありません。

人の心を映す②


もしかしたら、当初の私の意図通り受け取れた人もいるかもしれません。
そういう人は割とマジでメンタルが弱ってる可能性があるのでいろいろと考える必要があると思いますが、それは別の話。
主張したいのは、人によって、もっと言うと受け取り手の心情や置かれた状況によって、作品は受け取り方が180度変わる事があるという事実です。

こんなこと書くと「自分の作品=芸術」と言ってるようで、なんだか不遜な感じがしてその点がむずがゆいのですが
まあ巧拙に関わらず一応作品だし、表現が未熟で完成度がどうだろうが芸術は芸術でしょう。ということにしておきます

既に頂いたありがたいコメントを見返しているのですが、
「当時の私の制作意図」に気付いた方は流石にいらっしゃらないようです。
(気付いたところでどうコメントに残せばいいか問題もありますが…)

また、今の私は昔の私を知っているけど、昔の私とは完璧に別人なので、今の私はポジティブな感情でこの曲を聴くことができます。
未来との自分のキャッチボールですら、こんなにすれ違うことがあるんですよね。

逆に言えばどういう受け取り方が正解ということはなくて
100人いれば100通りの解釈があっていい、
すれ違ったからと言ってそれが失敗じゃないんです。
作者がこういう解釈をしろ、と主張するのはむしろ傲慢ともいえます。
そういうところ考えると、マジで芸術作品って鑑賞するのも創るのも面白いなあって、改めて思います。

まとめ


勇壮な歌であるという受け取り方をされがちな今回の対象作"Stand alone"は
実はネガティブな強迫観念を描いたものでした。

作品は人の心を反映する、
それが今回振り返ってみて非常に大きな気づきでした。
芸術(音楽・絵・歌詞・etc…)の奥深さを知れるいい機会だったなあと思います。

ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
些事かもしれませんが、作品をブチかましたとき思った事を文字で整理しておくのは良いですね。
もうちょっと早くやるべきだった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?