書評:バズる文章教室

書評シリーズの第二弾です。
今回はこちら。

https://www.amazon.co.jp/-/jp/%E4%B8%89%E5%AE%85%E9%A6%99%E5%B8%86/dp/4801400671/

ひとことで言うとこんな本

書評ライター三宅香帆氏によるバズ文章指南書です。
一言でいうと、バズる文章のワザと具体例がまとめられている本です。

この本を読みおえたときの感想は、

コイツ、読んでやがる

(まえがき?)等で豪語している通り、著者の三宅香帆氏は他人の文章を鬼のように読んでいます
他人の文章を読むのが好きとも述べていますので、まさに好きこそものの上手なれと言ったところでしょうか。

また自分の感じたことを文章で伝えるのも圧倒的に上手です。
流石はライターさんですね。
この本を読破したら、著者のインプット量の多さが如実に伝わってきます。
著者が見てる世界がひっじょーーーーに広い、それだけでこの本は一つの価値があるといえますね。

バズるための最強の近道

読み手がどう感じたか、それを出来る限り体系化しているのがこの本です。
著者は、前述の通り「最強の読み手の一人」です。

読むのが好きだからこそ成せるインプット量の暴力をもって確度の高い法則化がされており、「最強の近道」といえる存在にまでなっています。
この本のおススメポイントはまさにソコにあります。

普段の仕事にも役立つ

バズること抜きにしても、「エモい」文章・興味を引く文章を書くのに意識したいポイントが目白押しです。
小説や歌詞制作以外でも、仕事でのプレゼンテーション等に役立たせることができます。

文章を書くというのはどこでもついて回ってくるものですから、現代の必須スキルです。
現代人はあまねく読んで損はないといえます。

しかし注意しておきたいことがあります。

これ"だけ"読んでもバズる文章は作れない

この本には、様々なバズるワザと具体例が非常によくまとめられています。
しかし、そのまま摂取するだけでは不十分です。

多くの書き手の方々は、インプットが足りていません
この本の内容・法則を会得しつつ、工夫して自分の表現に落とし込めなければバズることはないでしょう。
そのままマネしても、ただマネしただけの痛い人になっちゃいますからね。

多くの創作人は、「自分の中の」面白いアイデアや天啓の表現が必要だ、と錯覚しがちです。
しかし、真に目を向けて考えるべきは"読み手"です。

そのために、まずは自分がバズった文章を読み手としてどう捉えたかを観察しましょう。
可能なら他人がバズった文章をどう捉えたか観察できるとより良いです。
ありとあらゆる嫉妬や自己承認欲求をゴミ箱にダンクシュートして、
バズった文章にあらゆる角度から、心から客観的に向き合ってください。

この本はあくまで道を指し示しているだけであり、推進力を生みだしてくれるものではありません。
道のりが短くなろうが、歩くのは自分の足で行わなければならないということです。

関連内容として、こちらの書籍も参考になります。
そのうちこちらも書評を書こうかなと思っているのですが、興味がありましたら是非読んでみてください。

おわりに

これだけ豪語しておいてアレなのですが、
私自身特にバズったことはありません
一応その原因は自己分析しています。

「インプットが足りていない」ことです。
あまりバズる文章に正面から向き合ってないですね。
「自分自身の面白いと考える事」と「読み手が面白いと感じる事」の切り分けができていないこともそうですね。

別にバズりたくて文章書いているわけじゃないので現状に不満があるわけではないのですが。
文章だって芸術の一端を担っているので、自称芸術バカの私としては黙っていられないわけです。

芸術は作り手と鑑賞者がいて、作り手の想いが伝わって初めて価値を生みます。
おなじ「書く」なら、そんな価値のある文章を書きたいなと思っています。
この書評と本を読んだ貴方にも、佳きバズりがありますように。

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