東和2才

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空、落ちてきそうなくらい天気が悪く、ここから向こうまでずっと雲で覆われている。五月病が無かった。季節がどんどん無くなっていくように、麻痺して消えてどこかへ行った。ずっと沈んでいるか、浮いているのかもしれない。意味の無い記事をこれから書く。今日は誰のためにとか、何のためにとか、あまり考えない方が良い日だ。 電車の優先席なんか普通に座ってしまうし、慈善活動などに特別興味がある方では無いが、人を救うとそれは嬉しい。めちゃくちゃに嬉しい。 救うというか、感化するというか。端くれでも

    • 17歳が鳴り止まな

      17才の私が鳴り止まない 高校生の頃の私は友達が一人もいなくて、(今はいます。) 彼氏なんかもちろんいなくて、(今は何度かお付き合いというものをさせて頂きました。) 昼休みになったら補習をサボって、中庭で母親が作った可愛いお弁当を一人で広げて、神聖かまってちゃんってバンドを聴きながら、食べてるようなクソガキでした。 そんな鬱屈とした高校生の私が一年で一番うれしくて幸せできらきらしてたのが、夏の魔物っていうなぜか青森のスキー場でやってたフェス。17歳の私、宇宙柄のセーラー服を

      • 愛子ちゃん

         笹の葉から垂れ下がる細長い紙面を見て、私は思う。こんな場所にも、こんなものがあったのか、と。  湿った地面に這う指、薄汚く澱んだ緑色、時折混じる人間の体液は、赤。ぽたぽたと、滴る水の音、ごおん、ごおんとどこからか聞こえてくる鐘。お前も狂えと言わんばかりの重苦しい空気に、今にも飲み込まれそうで足掻いている淡い泥たち。何百人、ここで生命をみずから絶ったのだろう。きらきら星たちが、静かに見守っている樹海に、それは死んだように横たわっていた。  盆は過ぎ、ゆだるような熱気は日に日に

        • 社不クリーム

          生きている。電車の吊革に左腕を通していると、ガラス越しの自分と目が合った。あっち側の私は酷い顔をしている。揺れる電車の中、吊革をなんとか握りしめて、大荷物が入った鞄を右肩にかけて、時々足元がぐらついて、「あっ、すみません」と隣の人に聞こえるのか聞こえないのか微妙な声で謝る。目も合わせないで謝る。午後五時の電車、急行押上行きは、線路に横たわるいろんな感情を轢き殺していく。私たちは小さな箱にこれでもかというほどに詰められて、移動している。 先程おいしいシュークリームを食べた。一

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          3本

        記事

          短歌「宇宙旅行」

          まだ生きる 砂を投げたら月と海 そしてわたしはエウロパを見る 七つの大罪はもう一つあって忘却という、忘れられ名を奪われたの コンビニの夜警ホットスナック摘み食い サイトーさん、明日は息子の参観日らしい 甲子園、連れて行ってくれるって言ったじゃあんと泣くヒロインと今の私は良く似ている、「ヒロイン」という肩書き以外は 星ひとつ、乗車券片道一枚。木星超えて眩しい天体の私たちを救いに 未曾有をみぞうゆうって読んじゃったからバカが露呈しロケット乗れず 光れ我の星 地球の空で

          短歌「宇宙旅行」

          日記 2月20日

          もしかして、いま元気なかったりしますか、なんて声をかけられて、ああいえいえ、そんなことはないですよと返す。三百六十円のコーヒーはとっくに冷めてしまっていて、中野さんは少し不満そうに眉をひそめて、「ならいいんですけど」と小さく呟いて、帰り支度を始めようとする。 六月の空は鉛のように暗く、そのまんま落ちてきそうだった。灰色が街を覆っている。不幸という言葉に色を付けるとしたらこんな感じ。道行く人も、降ってきた雨を迷惑そうに見上げて、それぞれの傘をさす。落ちてくる空から目をそらすみ

          日記 2月20日

          天使たちのメトロ

          空を見上げて、東京って言うほどゴミ臭くないなって思って、ぱこーんと信号の色が変わったので人混みに押されて歩き出したら、足元のすぐ側をネズミが駆けていきました。朝です。 路地を出て煙草を吸う。この時期の火はあったかくてありがたい。突然冷たい風が吹き、そこでライターの寿命も尽きてしまった。吸殻を踏み潰すとき、私は自分の悪行から目を背けたくて空を見ている。曇天。 そういえば高校生の時、授業を抜け出してその辺の芝生まで出て、好きな音楽を流しながら昼寝したりツイッターでニートのネッ

          天使たちのメトロ

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          魔法の記憶

          魔法の記憶

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          縷縷夢兎の女

          縷縷夢兎の女

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          岐阜ワンダーランド

          岐阜ワンダーランド

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          苺の月で眠る(10代への遺書)

           わたしは今、アパートのベランダに立ち、夏風を浴びながら、過ぎ行く日々と、遠い故郷のことを思います。かつては希望を抱いてやってきた夢の跡地に、大きなビルが建ちました。  公園を駆け回り、小さな花を拾い集め、幼少のわたしは笑っていました。しかし、大人になるにつれて、とくに「十代」と呼ばれるようになってから、わたしはその花たちを毟りとり、ばら撒き、ちぎることで、自分と世の中を否定し、それが愛だと主張しはじめました。なぜこんなことになってしまったのかは、わたしにもわからないのですが

          苺の月で眠る(10代への遺書)

          いまどうしてる?

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