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旅に生きる~地形や気象から読み取る日本の貧困~ その③

古峰神社
住所わからず。合戦場のしだれ桜の裏道沿い

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撮りため放出編→こちら
その① その②

※有料ですが全部読めます。みなさまからの投げ銭で旅をする企画ですが今回は撮りため編にテーマを混ぜた特別篇のようなものです。


古代から繋がる地域格差は『地形』由来。
おかしい。絶対おかしいよ書いている人の頭。
床屋さいってあだまきってきたついでにちっとのうみそもぶったぎってきたんだべもうおんつぁだ

(´・ω・`)おんつぁ

どんなにすごい理屈を並べて複雑に貨幣だ金だと分析しても
『農作物』
この収穫量が気候に大きく関係していた場合は相対的に貧しくなります。
戦争をして収奪しても大きい行政区全てに行き渡るわけがない。

米にすら頼れない場合は粟や稗や蕎麦となります。それすらやべぇ時は木の実をすりつぶしたりします。

しかし効率よく収穫できて、効率よく使用できて、効率よく食べて栄養になるっていうと米には勝てんのです。
現代は五穀米とか食べるじゃないですか?やよい軒でおかわりできなくなるアレ(´・_・`)

それも栄養が過剰に摂取できるからヘルシーとかできるのであって、そもそも栄養が足りていない時はダメです。

しかもそういう穀物のかずで野菜があれば良いのですが、そういうのも心もとない場所もある。
だから漬物とかでとにかく保存をする。
それでも栄養が足りず病気になったり働けなくなったりするので昆虫食とか
『都会人からすればゲテモノ』
に頼る。

ざざむし、イナゴ、サンショウウオ・・・・

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そうするとですね、飽食の時代などと言われますが、
捨てるほど食料があるって素晴らしいことなんです。
栄養不足で死ぬことはない。

それを「フードロス!」「アフリカの子供達がー!」
って言うでしょ?
例えばその地域で困っている人やホームレスに提供するのはいいと思います。
しかし突然そこではるか遠い国を出されても今日中に食べなければいけない食材はどうしようもないわけです。
それに余るということは緊急時に凌げるということ。
買い占めたりするから混乱するのであって、災害時に管理できるような法律ができれば非常食に頼る一歩手前で踏みとどまれる可能性があります。

まして日本は災害でいつどうなるかわからないのだから余らせてないとむしろ困ると思うのですが(´・ω・`)

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話を戻します。脱線するのがわたしの悪い癖。

食料的な地方と都市部の格差は昭和まで続きます。
東北が豊かだったと思われる奥州藤原氏も体格とか小さいんですよね。
富があっても買う食料がないんだから。
インフラの整っていない昔ならば冷蔵冷蔵と移動ができないのでやはりどうやっても塩や乾燥などの加工品になるし、通常口にするものは偏りがちになります。

明治大正も豊かと見せかけて冷害があればズタボロです。
だんだんと解消されたのは戦後だと思います。

ところが今度は『移動』の格差です(´・ω・`)


そもそもその食料的な格差が少し小さくなった時、すでに鉄道が出ています。
つまり昭和よりも前にまず『宿場VS鉄道』という戦いがあった。
ここで宿場側は全敗はしておりません。
誘致に賛成しそのまま駅前の繁華街になれたところもあります。
そして人の移動があったということは『旅』ばかりではなく『運搬』従事者がいたと。
徒歩、荷車、馬喰・・・・

鉄道が敷かれても貨物列車へ繋ぐために地方のちょっとした小さい駅でも需要があった。

もちろん貨物列車が止まっていない、貨物取扱量がない駅もあります。
ただし、これが『ゼロ』を表すのではないと思っているんです。

『混合列車』と言って客車と貨物を同じ編成で走らせていました。
そうすると季節的に出荷量の増える農産物などを乗せた可能性があります。

また『荷物車』に段ボールに入った状態なら農作物も積めたはずです(東北本線と磐越東線で見た記憶があります。間違っている場合もありますが鉄オタの人は優しく訂正おねしゃす)

ここに田中角栄が現れるわけです。

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戦後の指導者人気上位に入る人ですが、
『交通インフラの変化』だけは読めていなかったのか?
いや、そんなことはない。ひょっとしたらそれを伝えたりする前に死んだ?もくしは伝えられた政治家や官僚が実行をしなかった?

どっちかはわかりませんが
交通インフラの『高規格化』をやります。
これで一気に貨物がトラックへシフトします。

ここからは『想像』です。
その時歴史が動いた的なやつだと思ってください。角栄の声マネできる人はそれを録音してUPすること。

角さん「こうやって全国の移動が便利になれば、地方も富む。そして地方から物を買う東京は豊かになる。東京から地方へ尋ねる人間も増える。国内を物流が血液として駆け巡る正しい血管を作り上げるのだ」


しかしその後の日本は
「地方でも作ってるけど大量に買うと安いから海外から買うわwww」
ってやってしまった。
地方は農作物が売れなくなり耕作放棄地が増えた。
東京が豊かで眩しく見える地方の若者はみな東京へ。
東京は地方へ何かを与えるか?と言っても与えるモノはTVの娯楽とニュースと音楽くらい。

つまり本来なら『吟遊詩人』『旅に生きる流浪の民』がやりそうなことを
東京が日本国内の全地方にやった。
流浪の民のほうが金を持っているという逆転状態、しかし地方のモノすら消費してくれない・・・・

効率化、コストカット、合理化・・・・
はては『小さい政府』ドクトリンが効きまくってしまった。

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ごめんなさい、わかりにくいので単純にします。

地方で衰退している町と村(市でもあるとは思う)はそもそも宿場VS鉄道の初戦で負けているところが多すぎるのです。
もちろんこれ以外の『産業の衰退』もありますけどね。北海道の炭鉱町なんかは代表かつ最強の例です。

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鉄道から道路、そして高速道路。
そこからさらに接続させる一般道の高規格化、バイパス化が進みます。


これらの発展が人口流出を加速させたのはもちろん(過去記事でも同じ内容あり)
衰退自治体から金を払って買ってくれるモノはそもそも少なかったのに通過点にしてしまったわけです。
人口減+通過点、もうこれ死体どころか火葬終わってますよね?

ところがそこに『元物資集積地』だったプライドが入る地域が点在しました。
次に「田舎だから」という諦めと自然アピール。
何もかも失敗し、それでも若干あった工場なども規模縮小や派遣採用で地元への跳ね返りが少なくなる。
そこでありがちな
『ブランド化』

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『ブランド化』は『地元民が知らない名物グルメ』と同じ、いやそれ以上に悪手。

『好景気も不景気も値段の変動がしないブランド化』ならいいと思います。
ところが
『買ってくれないから高級品にして単価をあげる』って方向転換にすると苦しくなるんです。
飲食店でも客単価を上げるってよくやると思うんですが貧乏で1000円しか持ってない人にサイドメニュー進めても意味ないですよね?
ところがそれをやり続けていると1000円の人が来なくなる。
値上げに人員削減、一部店舗を高級化しても苦しくて結果どこかに買収される。

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貧乏人を切り捨てて金持ちを当てにしようとしたけど金持ちも見向きもしなかったってね。

さらに言えば、高値にするブランド化ではなくても
『大量生産』には勝てないわけです。

大安売り路線なら海外や大規模な農業をやっているところに勝てません。
高級化も本当の高級品はそれだけコストもかかっているわけで

田舎の『数もコストも従来通りの値段値上げ』に付き合ってくれる都会はないんですね。

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話遠回りなので結論へ入ります。

今みなさんお住まい自治体、その近く、ひょっとしたら故郷で衰退しているところは以下の項目に全部、もしくは半分以上当てはまるはずです。


①過去は歴史上重要だった時期がある
②過去に栽培が盛んだった農産品がある
③高速道路がある・高速道路のある自治体に非常に近い
④一般道が非常に高規格
⑤経済的に豊かな自治体が隣接・至近距離にある
⑥河川があり、かつて水運が盛んだった
⑦自治体の周りにボトルネック、もしくはボトルネック解消のバイパスができた
⑧高い山がない(低山)
⑨田んぼはたくさんあるが一世帯あたりの所有農地面積は狭い
⑩水害などの自然災害からの復旧が異様に遅い

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①~④はたびいきでしつこく繰り返される話、
⑤はただでさえ中央に吸い取られる図式になっているじゃないですか?
その吸い取る仲介役のような都市への労働力を与える養分になっているってやつです。
人口が増えないという悩みを抱えていても、だからこそ住人にドバイのような厚い福祉を提供できる『飛島村』のようなところはそもそも必要以上に余所者の力はいらないわけです。
同じ意味で桧枝岐村もそうです。高齢化で若い人が一定数必要ですが、かといって必要以上に余所者にシャシャらせないから守られる自然と観光業があります。

ところがだいたい衰退する自治体は隣接する自治体に労働に行きます。
義務教育を終わらせるとみんな出ていくので税金の使い損と言っても言い過ぎではないわけです。


旅に生きる的視点が⑥~⑩でしょう。

⑥はもう衰退の生き証人です。
河川が目立つということは川べりにまで接近できる道や空間があるということ、そして現代水運を使っていない自治体であれば飲み水の取水以外は
『水害をもたらすリスク』
としか判断していない人もいるかもしれません。
だから西洋的な「自然に勝つ!」というひたすら高く分厚く頑丈な堤防とかそういうので、でもそういうのがあっけなく負けることに絶望するわけです。

⑦に関してはそれこそわかりやすいボトルネック(滋賀県の逢坂とか)までいかなくとも、
河川を超える橋が交通の要所になっていたり(そこで渡河する以外ルートの選択肢がない)
冬場は難儀な坂道、大きなカーブ、トンネルなどが重要な自治体へのアプローチになっていると間違いなく衰退してます。

なんでか?というとわからないんですが『閉じ込められている』という物理的なこと、またそれにより『その自治体から出ない』人間の温度差が激しくなる要因のような気がするのです。


⑧は高い山ならそもそも観光資源です。
低い山でトレッキングが趣味以外の人からすれば低山でなんの名物もなければただの『起伏』です(笑)
しかし農地や宅地、道路に関してはもちろん邪魔になる。
そうすると山と山の間、河川が削った平野がおのずと中心地になりますよね?となれば大雨の時は・・・・(ΦωΦ)

⑨は⑧とも関係してきますが、大規模ではないということは当然収入として大したことがない。
自分の家で食べるぶんとあとは農協にという兼業農家の集合体となります。
また兼業農家は思ったより公務員家系が多いので本気でやっている人は食えない、そういう支援がないという裏返しです。

⑩はたびたび襲われる地形である、もしくは金がない。
しかし最終的には動かない、トップが動かせない集団としての鈍足さでしょう。

地形は人を作ります。そして人の無能さも見せてくれます。


もうボヤけまくった文章で大変申し訳ないんですがこういう考えです。
しかもはるか昔から。

ところがこういうのをトータルで見つめる『社会学者』って左翼が多いんですね。
己の脳内ユートピアを社会実験したりすんなよって思います。
もしくは税金ちゅーちゅー(´・ω・`)
まあ儲からない分野だからやっちまうんでしょうけど。
限界集落の調査とかそういうのはなんだかなって感じがします。
かといって在野だとただの廃村探訪だったりしてね。


難しい(*´Д`)

次回はまた撮りため編に戻ります。
テーマはなんとまた食べ物の予定です。

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