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6+3+3地歴学習❷『土地』で観る

地歴学習の主人公は『土地』

『6+3+3地歴学習』で主人公にするのは『土地』です。育った土地でいったい何があったのか、他の土地とどういう関係にあったのかを意識して学んでいくことを勧めています。

歴史を好きになったのは歴史上の人物に興味を持ったことがきっかけである人も多いと思います。ではなぜ地歴学習では、主人公を人にしないで、土地にするのでしょうか。

書物は勝った側が編纂したもの

歴史の書物は『勝者』が編纂したものがほとんどです。また、歌舞伎の演目など後世に生まれた文化的表現の中には、大衆に向けて誇張・デフォルメされたものがたくさんあります。

過去の人物の評価は100%にはなり得ません。また、評価することが目的でもありません。戦乱にしても、どちらの方にも言い分があります。

『その他大勢』が見えているか

歴史上のある人物をヒーロー視してしまうと、その人の眼・視点になってしまって全体がわかりません。

歴史上名前が残っている人物は、ある時代のできごとにおいてリーダー的存在だったかもしれませんが、そのできごとに巻き込まれた人たちは何倍もいます。誰かをヒーロー視すると名もない人々のことを忘れがちになります。今を形作ってきたのは歴史に大きく影響を与えた人だけでなく、多くの人がいたからだという視点を欠落させないことを、地歴学習の中で体得してほしいと思います。

足元の下には何があるかを意識する

地歴学習のスタートは、自分が今歩いて活動している地面の下には何があるのか、ということを考えることです。この道はどうしてできたのだろうか?等の素朴な疑問から始まって、戦乱はなかったのか? 天災はいつ何があったのか、その時どう切り抜けたのか? どこか改善できることはあったのか? 等々を考えることで、この世界は人間の思いのままではないという感覚や、自然への畏敬も身に着いていくのではないでしょうか。

『道の下には何があるの?』

まだ見ぬ地平へたどり着くことが目的

地歴学習は『歴史』を好きになることが目的ではありません。未来を見すえて創っていくために、まず過去に対して共通認識を持とう、ということが目的です。

こうした感覚を小さい頃から自然に身につけて、スッキリとひとりひとりが能力を未来への課題へ発揮していくことが、公教育の中で地歴を学ぶ最大の効果であると考えています。

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