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”傾聴”について考える

こんにちは、

その人らしく生きて欲しい、
魅力を最大限発揮し素敵な繋がりを増やして
世の中にインパクトを与えて欲しい!
と願ってやまない、長野佐友里です。

さて、プロコーチとして
ひとりの人間として
「相手の話を聴く」=”傾聴”ということが
どんなことなのか改めて考えてみたいと思います。

<傾聴とは>
「深いレベルで、相手をよく理解し、気持ちを汲み取り、共感する」こと。

とにかく相手を尊重することですね。
傾聴という行為が、人間関係にダイレクトに影響するのも頷けます。

ビジネスでも、
教育でも、子育てでも、
医療・介護などの福祉関連でも、
人と人との関りが発生する場面でパワーを発揮する「傾聴力」を、
ここで感じていってもらえたら嬉しいです!

コミュニケーションの基本

いきなりですが、質問です。

あなたの話を適当に聞いている(フリをしている)人

に対して、良い感情を抱くでしょうか?

そういう人はほとんど居ないはずです。
やはり話を聞いてくれる人に対して心を開くし、信頼するもの。
そんな関係をラポールなんて言ったりしますよね。

<ラポールとは>
臨床心理学の言葉。フランス語で「橋を架ける」。
心が通じ合い、互いに信頼しあい、相手を受け入れていること。

相手の話を聞く、傾聴という姿勢でいるととモテるなんて話も?!

話を聴いてくれる相手に対しては、
自分に興味を持っていると感じられるので、
当然と言えば当然ですよね。

実際にちゃんと話を聞いていると、
相手への理解が深められるものです。

結果的に
話し手の気持ちに寄り添えたり負の感情を抱きにくくなると感じます。

そしてお互いをよく知ることで円滑に進むことも多いです。
仕事でも恋愛でもどんな関係でも、
これは同じだと思います。

たとえ
上司と部下/先輩と後輩/親子/教師と生徒などの
分かりやすい上下関係があったとしても。

相手が自分を理解してくれていると思えれば、安心に繋がります
最近よく耳にする『心理的安全性』という言葉。
頭ごなしに否定されたり、
話を遮られることが続いたら、
発言する気が無くなってしまいますものね。

<心理的安全性とは>
「サイコロジカル・セーフティ(psychological safety)」を日本語に訳した心理学用語。
Google(グーグル)社で取り入れられていることで有名です。
チーム内で、恐怖や不安を感じることなく、安心して発言・行動できる状態のことを指します。

人間関係において”本音を話せるかどうか”はとても大事だと思います。
実際に何でも話す必要はなくとも、
いざとなったら話せる関係かどうか?
は意識したいところですね!

傾聴レベル

傾聴には3つのレベル(段階)があると定義されています。
数が大きいほど深く関わることを示します。

<傾聴の3つのレベル>
レベル1:内的傾聴(耳できく・受動的傾聴)
レベル2:集中的傾聴(目できく・反射的傾聴)
レベル3:全方位的傾聴(心できく・積極的傾聴)

レベル1の傾聴は、
耳では聞いているけれど自分の意見を考えていたり次にどんなコメントをしようかなど相手の話の内容に集中している状態ではありません。何か作業をしながらだったり、身体が相手の方を向いていないかもしれません。日常的によくある状態なのではないでしょうか。

レベル2の傾聴は、
目や身体を相手に向け話していることに集中している状態です。好奇心を持って相手のことをもっと知りたい!という関わりです。コーチングやカウンセリングなどで使われます。話し手の主題を尊重するために、話を遮ったり無暗にアドバイスを投げたりはしません。

レベル3の傾聴は、
話している内容だけでなく相手やその周りの空気までもを感じながら聴いている状態です。話し手の様子・表情にも目を向け、そういったところから感じたことも積極的に言葉にして伝えます。話し手自身は、自分がどんな風に話していたのかを意識していないことも多いので新たな発見に繋がったりします。

傾聴テクニック

笑顔、うなずく、相槌、ミラーリング、おうむ返しなど
傾聴のテクニックと言われるものがあります。

(リアクションについては意識的にやると不自然なので、、
素の状態が良いと思う派です。
やりすぎると逆に印象が悪くなる可能性もあります。)

<ミラーリングとは>
「相手の視覚的・音声的な非言語的(ノンバーバル)な行動」あるいは「相手がよく用いる言葉のパターン」を注意深く観察し、自分もそれに合わせていくこと。

***例***
視覚的なノンバーバル行動:身振りやしぐさ、どんな表情か
音声的なノンバーバル行動:声の大きさやトーン、話す速さ
<オウム返し(バックトラック)とは>
相手の言葉をオウム返しにすることや、相手に返す合いの手を打つこと。

「返報性の原理」というものが働き、自分が認められたものだと感じることができ、そのお返しに好意を持つというプロセスが生まれます。
特に、赤ちゃんや子どもにも効果的ですね!

これらのテクニックはラポールの形成に有効とされています。
良くも悪くも?!
全てがリソースになり得るわけです。

また、どんな内容であれ否定しない、
ありのままを受け止めること。

「〇〇ということですか」というように、
話の内容を受け止め、あえて言い換えることによって内容を確認して
お互いの認識を合わせたりすると、新たな視点へ広がったりもします。

自然と話し手から色々とアイデアが出てくるので、
それを受け止めるの繰り返し。

私は比較的リアクションが大きい方なので(表情とか声とか…)、
相手の表情の幅が広がってくると、とても嬉しいです^^

はじける笑顔が出たときは、その場を共有できている感じがして最高~

うさぎ

類似性の法則

人は自分に似た人に、
親近感、安心感、共感、信頼感を抱くものです。

その為には、傾聴する側の”自己開示”も必要。
聞く側がオープンな姿勢でいることで話しやすい空気になります!

些細なことでも共通点を見つけることは、とっても大事なことです。

共通点があることで
「相手に攻撃されないという安心感を抱くことができる」
から信頼して話せるわけです。
(否定される=攻撃は誰しもが避けたいですからね)

よくあるのは年齢や出身地、いま住んでいる地域、趣味などでしょうか。
同じ大学出身、なんてのも盛り上がりますよね!

あと「好きなものが同じ」より
「嫌いなものが同じ」方がこころの距離が縮まりやすいそうです。
そういった価値観に触れられるような話も出来たら面白いかもしれません。

”自己肯定感”や”自己重要感”を高める

傾聴という関わりをすることで、
関係性ももちろんですが話し手の「自己肯定感」「自己重要感」をも高める効果があります。

<自己肯定感>
自分の存在を肯定的に受け止められることができる感覚のこと。ありのままの自分を受け入れ尊重できること。
悪い状況や不運に見舞われても「自分には価値がある」、他者との比較でもなく無条件で自分を認める感情
自己肯定感が高いと物事をポジティブにとらえることが出来、情緒が安定します。
<自己重要感>
「自分という存在は、自分にとって一番重要なものなのだ」と思える、そんな自然な「こころ」の働き。自分をどれだけ受け入れることができるか、認めてあげることができるか、大切だと思うことができるか。
この「自己重要感」が満たされていないと、自傷行為やうつ病等さまざまな「こころ」の問題を発症してしまう。

こういった感情が高まる、
すなわち「分をじる」ことに繋がるので
「自信」も湧いてくるんですよね。
(メンタルエナジーなんて言ったりもするようです。定期的に補給してあげたいエネルギーです!)

このエネルギーはその人を魅力的にしてくれるので、
あらゆる側面で好循環になります!

傾聴によってまるごと受け止めてくれて、
そんな気持ちをもたらしてくれた相手のことは、信頼しますよね。

信頼できる相手から受け入れられた実感が湧くので、
何事にもモチベーション(やる気)を保ちやすいもの。
ストレス軽減にもつながります。

しっかり受け入れ応援してくれる誰かがいる、
と思えるだけで強くなれるんです。

価値観のぶつかり合いにはならない

傾聴するということは、相手の価値観を尊重している状態です。

聞き手の価値観を押し付けないので、ぶつかり合うことはありません。
求めていない不要なアドバイスをされることもない
何かに誘導しようとしたり、説得されることもない。

傾聴レベルが高ければ、話し手の状態も汲み取られるので、
嫌な投げかけだとか会話が噛み合わないということも起こりにくいです。
そういう対話は心地いいに違いありません。

実際に私もコーチングを受けていますが、
どんなテーマで何を話しても良い時間となるので
自分にとっての「ご褒美タイム」だと認識しています!^^

いかに日常では随所で否定され、
価値観を押し付けられるシーンが多いかがよく分かります…!

7:3の法則

傾聴している側と話している側の話す割合は1対9〜3対7とされています。

通常の2人での会話であれば、、
両者が同じくらい話しているくらいが妥当な気がして5対5に寄せにいくこともあるかと思います。

なので”傾聴する時間”にするなら「相手の話がメイン」であることを
はじめに意識して自分が話しすぎないようにするのも手かもしれません。

もちろん聞く側が話を遮ったり、かぶせたりすることはありません。
その時に話したい事を話してもらう!
そして他言しない!というのが大前提です。

好奇心を持ち、楽しむ!

仮に話し手の話す内容に対し共感を示せないとか、
それが自分の価値観とは異なる内容であっても、
自分の感情とうまく切り離して受け止めることが大事です。
(思考が自分に向いたとき、傾聴レベルが下がっていきます)

それには「相手に好奇心を向け続ける」ということが鍵!

どんなことを考えているんだろう、
どんな風に感じたんだろう、
どんな未来を見ているんだろう、
と聴いていると自然と質問が出てきて相手の話を聞くことが出来ます^^

これは純粋に楽しいのでおススメです!!
話し手と一緒に同じ景色を見るような感覚になれると、そのストーリーの色々な面を知りたい欲が出てくるんですよね~

うさぎと女の子2

話しやすい環境

落ち着いて話せる場所や環境は、人によって違いもあると思うので「話しやすい環境」には配慮が必要です。

周りに人がいない方が良いとか、
静かすぎると逆に話しづらいなんてことも。

アイコンタクトは有効だけれど、じっと見られるのが苦手な人も。

最近ではオンラインも当たり前になりましたから、
対面なのかどうかというところも大きな要素です。

<スティンザー効果>
座る位置によって変わる心理効果です。

・正面に座る
⇒対立しやすく緊張しやすい。何かを伝えても反論されやすい位置。
・横に座る
⇒同調や親密感を得やすく、親しくなりやすい位置。
・斜めに座る
⇒緊張や対立を避けられ、リラックスしやすい位置。
 別名「カウンセリングポジション」

対面であれば座る位置も考慮すると良さそうですね。
恋愛関係においても、横に座るのは有効なのでそういう”場”をセッティングするのも、話をしてもらう上で重要だったりします!

<アイコンタクト>
目を合わせること「オキシトシン」というホルモン(別名:幸せホルモン)が分泌され、幸せな気分になれたり相手への信頼感が高まります。
自律神経を整えてストレスの軽減にも。

これはオフラインならではの効果!
対面のときには上手に使いたいですね♪
だから私は、どちらかというとオンラインよりも実際に会って話すのが好きなんだな~と納得です!!

自分の気持ちに余裕を

ここまで傾聴について色々と書いてみたのですが、
全てのベースには
「自分の気持ちに余裕がある状態であること」
が絶対に必要です!!

・怒り心頭!めちゃくちゃイライラしている…
・心が引き裂かれるほど悲しい出来事があった…

そんな状態で誰かの話に集中して耳を傾けるのは、無理です
少なくとも私は、無理。できません。

他にも体調が優れないとか、頭から離れないくらいの自分の心配事があるなども同様ですし、自分が満たされていないと難しいと思います。

相手を受け止めるには、まず自分のこころに余裕を持つこと。
自分自身の状態を知り、整えましょう♪

傾聴は楽しい!

色々と小難しいこと(!?)も書きましたが
大前提、私は傾聴という行為が好きです。
だって、良いことだらけですよね!

誰かの話を聴き、
相手の表情が晴れやかに変わったり、
パワーが溢れてくるような感覚を共有したり、
それはとても楽しい時間なのです。

是非ともたくさんの方にそんな「傾聴」の楽しさを知ってもらい、
良い人間関係をたくさん築いて欲しいと思います!

なかなか気軽に人に会える状況ではありませんが、
誰かと話す時間=対話は、色々なことをもたらしてくれるので
軽視せず大切にしてもらえたらと願っています。

自分のこころに余裕を持つには
「自分も傾聴してもらう」時間
も、とても有効だと思いますので、
是非コーチングの時間なども活用してみてくださいね^^

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また、「大人」の方へ向けた、話を聴くことの重要性について
マンガにしてみましたので、よろしければこちらも▼

傾聴が溢れる世の中になったら嬉しいな~

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