【唯一続いていること】出会って13年目の夫との仲①〜プロローグ〜

ひとつのことを長く続けていたり、何かに没頭している人を、尊敬する。
私には、長年打ち込んできた趣味や特技がない。
仕事以外で寝食を忘れてでできることがないことに気付き、ここ最近少しずつ色々なことを試してみるようになったばかり。

だけど、ひとつだけ10年以上続いていることがある。
それは夫との仲。
結婚する前も含めると、13年目の付き合いになる（私にとっては珍しく長続き）。

もともとは結婚願望も恋愛願望もなく、異性との深い付き合いの経験もなく、テレビや雑誌のイケメンにも興味なし。

「生身の人間なんて、別の生き物なんだから絶対に自分のものにはならない。
信じて裏切られるかも知れないなら、最初から何もない方が絶対に良い。」

という具合で、仮に相手が一生懸命始めようとしていたとして、こっちは勝手に終了モード。

そして、私にはもうひとつ厄介な考えがあった。
もし万が一誰かに思いを寄せたとして、果たしてその人を振り返らせるだけの魅力が自分にあるとは限らない（否、絶対に無い、だから自分には春は訪れない）、と。

さて、まるで俗世を諦めた仙人みたいな思考回路を持っていた私が、人生の伴侶を見つけて長い春を過ごすことになったのは、今思えば、「勘」がよく働いたからだと思う。
素直になって自分の「直感」を信じて従ったからとも言える。

華やかで楽しい恋を沢山望むなら参考にはならないかもしれない。
けれど、もし昔の私と同じ思考回路の人や、いつかは一人の人と長く一緒にいたいと思う人がいたら、これからする話には通じるところがあるかもしれない。

つづく。