【私のユリイカ】新感覚、豚肉のバナナ巻き

夫の帰りは連日遅い。

毎日似たような朝ごはん、昼ごはん。
夜ごはんだけが、唯一自由になれる時だから、好きなものを食べてほしいとは思っている。

けれど放っておけば、カップ麺や冷凍した揚げ物のお惣菜で済ませてしまう人だから、それも良いんだけれど、やっぱりもうちょっと栄養になりそうなものを食べてほしいと思っている。

といいつつ、私がつくる"適当ごはん"の味付けのレパートリーも尽きてマンネリ化してきた。

遅く帰ってくる夫に、ちょっとでも気分を変えて楽しんで欲しいんだよなぁ、と思う。

そうしたら、電子レンジの上のバナナに目がいった。
もうシュガースポットが限界まで広がって、熟れ過ぎているくらい。

昨日冷蔵庫に移して解凍してある豚肉もも薄切りのパックを取り出す。

バナナを豚肉で巻く、今日はこのペアでいこう。

我ながら斬新なアイデアだと思ったのも束の間、一瞬で不安になり、

"バナナ　豚肉"

で検索すると、ちゃんと出てきて、なんとスペインでは良くある郷土料理らしい。

妙に嬉しくなって、気分はユリイカ！

本当は豚ばら肉みたいだけど、まあ良いか。

バナナを3等分して、それをさらに縦に4等分。
すると、豚肉の枚数とピッタリ合った。

こういうところで、私は調子が乗ってしまう。
計画してうまくいくのとは訳が違って、図らずにことが進むとものすごく気持ちが良い。

しっかり塩と胡椒を振って、小麦粉もまぶして。
オリーブオイルを敷いたフライパンで焦げ目が着くまでこんがりと焼く。

帰ってきた夫に、なんか良いことあった？
と聞かれた。

なんでもお見通しである。
たとえどんなに疲れていても、私の機嫌が良いか悪いかすぐわかる。

思いついた夕飯のアイデアが、バッチリはまったことを話すと、何を巻いたのか聞かれたけれど、秘密にした。

中は見えないので、夫は恐る恐る口にする。

有りか無しかで言うと、有り、と言っていたから、あまり好評ではなかったかなと思ったけれど。
気づいたら全部食べてくれた様だった。


また、新しい組み合わせを試してみよう。