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『自立』の概念を再定義する


『自立する』とは、どういったことだろう?

読んで字のごとく、自分で立つこと。
すなわち、誰かに頼ることなく自分で生計を立てること。

一般的にはそのように理解をされているし、私もそのように考えていた。


隷属

数年前の自分を振り返る。

会社でしか役の立たない(と思われる)スキルしか身についていない
・会社の役に立つことでしか給料を頂けない
 もっと言うならば、会社の役に立っているかどうかはさておき、何かあったら会社のために尽くす、という契約を交わすことで対価をえている
 (成果ではなくメンバーであること、に対価を得ている
会社でやってきた成果が社外的に評価されない

ので、

業務に支障のない範囲でしかスキルアップには務めない
 (TOEICの点を少し上げる、趣味レベルのビジネス書を読む)
本気で会社や世の中の役に立とうとはせず、大過のないように時間が過ぎるのを待つ
異動先等のキャリアは当たり障りのない希望を出す
 (やったことがないからという理由で、「営業」と言っておく)

というように過ごしてきた。
当然、表面上周囲から悟られないような範囲で、という注釈付きであるし、不平不満を言っていても行動している人は周囲に少なかったし、さらに言うならば、行動している人≒転職している人、といった認識すら持っていた。
なので、消極的な社員であったとしても、悪目立ちしていた自覚はない。


金銭的には親からは独立しているものの、会社に依存して(=誰かに頼って)いて、自分の人生を自分で決められない状態にあった。

会社に隷属(支配を受けてその言いなりになること)していたといっても過言ではない。


隷属からの脱却

自分自身の主体的なキャリアを築きたい。
会社からメンバーとしての価値を認められるよりも、成果を認められたい。
会社ではなく広く世の中のために価値を発揮したい。
講演で語る起業家のように、「いまの会社がなくなって資産がゼロになったとしても全く怖くない。自分には成功のプロセスが見えている。」とか、言ってみたい。

とにかく、スキルを身に着け、転職しても独立しても誰にも頼らずに生きていける、そんな状態になりたく、入口としての診断士試験の勉強を始めた。

合格した今でも、きっかけになった想いは褪せることなく、体力と家族の協力の上限で診断士活動をスタートさせることができている。


『自立』の概念を再定義する

いち会社員として過ごす日々よりも、受験生時代よりも、はるかにたくさんの人と関わりあいながら、診断士としての第一歩を歩き出した。

実際に、企業に所属せず独立している方の話も聞くようになった
起業して実際に経営されている起業家の方の話も聞くようになった

企業内診断士として、会社員としての使命に加えて価値を発揮している方をたくさん目にするようになった


そのような中で感じるのは、独立している方も起業家の方も、決して『誰にも頼っていないわけではない』ということ。

むしろ、どこか一つではなく、非常にたくさんの結びつきを持ちながら『たくさんの人に頼りながら』活躍をされているということを知った。

『自立』とは、「誰にも頼らずに生きていく」ということではなく、「頼る先を分散させ、必要なタイミングで自ら決断できる状態」ということであるということを身をもって学んだ。

『自立』を再定義しよう

たくさんの人に頼りながら、一方では依存しない。
その人(会社も含め)に頼れなくなったら終わり、という関係性にはならない
ように。


誰かに頼っているから自立していないのではないか、というもやもやは幻想だった。
その幻想から生み出される焦りは思い込みだった。


『自立』を再定義した後に会社に関して考えること

自立は頼る先を分散させ、必要なタイミングで自ら決断できる状態である、と再定義したときに、会社を頼ることは全く『自立』と相反することではないことが分かった。

考えを変えることで、勤務先は学びの機会と世の中への貢献の場を与えてくれる大切な存在となった。

視野が広がることで、入社以来やってきた仕事は自身の会社でしか通用しないものでないことは明白だ。

例を挙げれば、

・組織開発の機会
・プロジェクトマネジメントの機会
・部下へのマネジメントの機会
・コーチングの機会
・死蔵されいている多数のデータを活用したデータサイエンスの機会
・相反する考えを持つ多数の人を納得感をもって動いてもらう機会
スケジュールマネジメント

望めば、なんだってできることに気が付いた。
自分の勉強不足からくる実力不足を会社のせいにしていただけなところもあることにも気が付いた。


「いつだってボトルネックは自分」

そんな風に言っていた先輩の言葉を今になってもう一度思い返した。

ましてや、行動する≒転職する、というのは全くの思い込みに過ぎないことが分かった。
(当然、転職を否定するものではないし、一年後自分がサクッと転職している可能性は十二分にある。)


『自立』の概念を再定義することから、生まれた大きな価値観の転換。

これからもたくさんの人・会社に頼っていく。『自立』のために。





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