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書籍『LIFE SHIFT』を読んで。

かねてより話していた、ビジネス本である東洋経済社の『LIFE SHIFT』(
リンダ・グラットン(著), アンドリュー・スコット(著), 池村千秋(翻訳))をつい先ほど読み終えた。

本の売れないこの時代に35万部はなかなかすごい。
私の持っている2019年6月11日発行の第15刷の帯では32万部と書かれていることから、この五ヶ月弱で3万部近く売れている計算になる。
発売から既に三年も経っているのに。すげえ。

読んでみて、一ヶ月もかかったことからもわかる通り内容が厚い。本も厚い(428ページ)
流石に一ヶ月はかかりすぎだけど、内容が硬い(ビジネス本だから仕方ない、その上元々洋書を日本語に翻訳したものだから読みづらい)から時間がかかるのも仕方がないように思う。


この本は、この先多くの人が生きるであろう100年時代のための人生戦略を掲げた本となっている(副題まんま)。

100年時代では、これまでの3ステージの人生(いわゆる教育仕事引退)というモデルが終わりを告げることが述べられている。
人生が長くなれば60歳(65歳)定年のあと、残りの長い引退人生を貯蓄と年金のみで賄うのは厳しいことは想像に難くないだろう。
現に定年や年金支給年齢の引き上げが巷で広く囁かれており、定年後にも働きたいという人は少なくない。
人生の後半はメンターとしての役割が期待される。何も教育は先生じゃなくてもできるのだ。
お年寄りの言うことには価値がある。そういったものを期待する若者がいてもおかしくない。

そういった時代の背景(長寿化)を見越した上での働き方改革なのだが、これがなかなか難しい。当たり前だ。いろいろな価値観の人がいるのだから。
本書でも政策の難しさについては記述されており、にもかかわらず最終的にはうまい具合にいくということも述べられている。
上手くいくためには、多様性の受容が不可欠である。

百年ライフ働き方改革多様性も、ニュースでは最近頻繁に耳にするワードであるに違いない。
そう、これらはビジネス用語だったというわけだ。
ゆえに経済に関心のない人間が明るくなくともなんら珍しいことではないだろう(現に私も本書を読む前には詳しく知らなかった)。

3ステージの人生に終わりがくるとはどういうことか。
いわゆる新卒一括雇用の一斉行進・終身雇用に終わりがくるのである。
人生が長くなればそれだけ選択の幅は広がり、多様な生き方が生まれる。
「エイジ(Age、年齢)」「ステージ(Stage、段階)」が一致する時代は終わる。

企業の階段を「上る」だけでなく、「下る」決断をくだす人もどんどん増えていくと言う。
活力資産(健康)などに応じてセーブする人が出てくるという話。

また、皆さんお気づきかと思うが最近YouTuberなど新しい生き方が生まれている(私のフォロワーにもいる)。
彼らは間違いなく賢い。
YouTuberも今後れっきとした新しい生き方の一つになるだろう。
組織が崩れ個人もしくは小集団が尊重される時代が到来することが予想されるが、この話は長くなりそうなのでまたの機会に。


本書では、そのビジネス書という特性上資産というものについて言及している。
さて、皆さんは資産と聞いて何を思い浮かべるだろうか?



多くの人がお金を資産と考えるに違いない。
例えば銀行残高の数値など。

ちょっと賢い人なら他にも資産はあることに気づく。
そう、いわゆるマイホームや車、株などだ。
この辺りは疑う人はいないだろう。

本書ではこれらを有形の資産として位置付けている。
有形があるということはそう、無形の資産もある。
それがこの本の要だ。

無形の資産とは何か?
無形の資産とは、友人関係や知識、健康、容姿、一般知能、生育環境、人格特性、評判などである。

これらを資産と聞いてビックリする人もいるかもしれない。
だが、これらは全て資産である。
お金に相当するもの、ともすればお金を凌ぐものとも言えよう。
友人や健康などはその最たるものである。
無形の資産は有形資産に存在する撤回可能性代替可能性もない。

間接情報(人からの評判)は有用であり、重要だ。
これらはごまかしが効かない。また、この間接情報を判断するスキルも今後重要になってくると予想される。

100年ライフでは強固な友情の維持は難しくなる。一方で友情の価値そのものも大きくなる。
友達は大切にしよう。


これからは機械学習と人工知能の進歩が実現したときに価値を持つスキルや知識が重要である。
そのスキルとは、

・アイデアと創造性
・人間固有のスキルと共感性
・思考の柔軟性と敏捷性

だそうだ。

この先、アイデアを売る時代が来ると言われている。
知的財産に代表されるように、アイデアなどをシェアされたり真似てコピーされることは高く評価されている証である。
その点でアイデアを提起できるnoteは一歩先を言っているサービスであると言える。

若者の特徴;若さと柔軟性、遊びと即興、未知の活動に前向きな姿勢、を持ち続ける必要がある。
本書籍中にはネオテニー(幼形成熟)に関する記述も散見されたが、今の若者は30歳くらいで成人するとも言われている。頭を柔らかく。

「るつぼ」の経験———人の感情を体感する経験、すなわち、他人の立場になって物事を考える時間を持つことにより、他人の人生を体感する経験の必要性が述べられている。
他人の人生の物語に触れることにより、自分の人生の物語が揺さぶられ、変身資産が築かれる。

…これってつまりnoteじゃん!

そう、つまり皆さん自然と変身資産を築いているわけですね!賢い(^^)


長寿化時代の真の課題は無形の資産のマネジメントだそうだ。
これから先は自律性(セルフ・コントロールの能力)と内省の能力が非常に重要になる。
セルフ・コントロール能力は後天的に身に付けられるのだそう。


背伸びして自分ではない何者かを目指すよりも、ありのままの自分でいた方がずっと魅力的だと、私は思う。
自分の個性を活かすようなあなたでいた方が良い。

自分が何者か知りたい人は、あちこちに自己分析ツールが転がっているからやってみると良い。

これから先は自分を知っているかどうか、自分に関する知識があるかどうかが非常に重要になってくるので、お金を惜しまずに(できる範囲で)いろいろやってみると良いと思う。


LIFE SHIFTを読んだ後にホリエモンの仮想通貨の本を読んでいるのだがえらく平易に感じる。
内容は全然簡単じゃないのだが。
難しい本を読めるとこういうメリットがありますよね。


簡単に書くつもりが思ったよりも長くなってしまった(2694文字)。
ではまた会いましょう(^^)v

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