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顔をのぞかせたのは信念でした

自動思考の霧が割れ、信念が顔をのぞかせた。

僕は自社サイトのコラム記事の執筆をしつつ、契約している外部ライターさん達の添削や進行管理も行なっている。

今回は僕と上司と外部ライターの取りまとめ担当者(以降:担当者)で、オンライン会議をしていた時のことだ。

担当者はウェブライティングの専門家で、僕らはそのノウハウも教わっている。そこで「コピペチェッカー」の話が出た。
他のサイトから文章をコピペをしていないかチェックする機能のことで、コピペ率が高いと検索順位が下がるなどデメリットがある。

僕が、偶然表現が被った時もコピペとみなされるかなど聞いていると、上司が「最初たぬきさんの記事をコピペチェッカー通してましたが、全部基準をクリアしてたから大丈夫ですよ」と言ってきた。それに僕はイラっときた。

「僕を信用してなかったのか」「内緒でやっていたのか」と思ってのことだが、そのあと上司が「違いますよ、もう退職した〇〇さんはコピペが多かったので。今はもうチェックしてないです」と付け加えてきた。それを受け、一拍置いて納得した。

納得したのは〇〇さんならやりかねないと考えたのと、僕も外部ライターの添削をする時は、鵜呑みにしないである種の疑いの目も持って読むから。またそのことは信用とは別の話と思ったのもある。

イラッとして、理由を聞いて、他の角度からも考える。それができたことにスキーマ療法の成果を感じた。無理矢理ポジティブに変えるのではなく、自然な流れだった。
これまでだったら「コピペチェックしていた」と聞いた段階でスキーマが発動し、自動思考で視界が覆われていたはずだ。そこから気持ちを落ち着かせるのに意識的な取り組みが必要だった。

イラッとしたことも「無能」「恥」などのスキーマによって生じた自動思考だ。しかしスキーマも自動思考もそれ自体に良し悪しはない。スキーマをなくしたら波もなくなるだろう、でもそれは望んでいない。

僕の場合は子供の頃に歪んだスキーマを身につけ、その影響で生きづらさが発生していた。生きづらさが解消するなら、イラッとしようが嫌なやつになろうが構わない。
僕はロボトミーになりたいわけじゃない。素直な感情を持ったまま、現実の中で生きていたいだけ。

今回も口には出していないが僕がイラッとしたのが伝わったから、上司もフォローとして〇〇さんの話を出したのかもしれない。
社外の担当者もいる中で、なんでこんなにイラッとしたのかと考えた時に、信念が顔をのぞかせてきた。

確かにスキーマの影響もあるだろう、でもそれよりも「俺がそんなことするわけがない」という気持ちが前に出てきた。
僕は自分が書く文章で、コピペは絶対にしたくない。
名前が載るかも関係なく、そんなことはしないと強く思っている。信念といってもいい。

信念とか恥ずかしいな、でも正直な気持ちだ。僕は文章を書くのが好きで、自分の文章にこだわりを持っている。だからコピペはしない。
それを疑われるのは心外だ。これからも同じ言い方されたらイラっとするだろう。

今までこんな積極的な感情が表に出ることはなかった。それよりも周りに合わせることを優先していた。スキーマと自動思考によって抑えられ、息苦しいのに抵抗しなかった。
あの映画でロボトミーになったあと、枕を顔に押し付けられて、窒息していくジャックニコルソンのように。

スキーマが発動するかびくびくするのは受け身だ。受け身でいると僕は離人も悪化する。この受け身を解消することばかり考えていたけど、もっと積極的な考えを出していきたい。
外部の人がいるとか、相手が上司とか、委縮していた環境で出せたことは祝いたい。ただ表現方法は考える必要がある。会議で毎回イラっとするやつ嫌いだし。

進行管理も加わったことで、ライティングに時間を割けなくなってきた。でも自分が書くものは責任を持って仕上げたい。それが僕の信念だから。

マイナスを全部なくすより、プラスをもっと押し出したい。それが人にどう映るかわからなくても。
スキーマも自動思考もあっていい。歪んでいてもいい。ただ自分の信念を優先できるようにしていきたい。
顔を押さえつける枕をどけて、思いっきり、呼吸がしたい。

※やっぱまだ「信念」というほどはっきりはしてないな、ひらがなで「しんねん」て書くくらいがちょうどいい。修行中の小坊主って感じがするから。

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